著者
作画:斎夏生 先生
脚本:後藤みどり 先生

「食べ物でテロ起こす
なら、どうやってやる?」
花表は昏田にそう問いかけた。
小規模なテロなら思いつくが、
全ての日本人を人質に取る程の
大規模テロの方法は全く頭に
浮かばない様子の昏田だった。
「さっきナオが言った、
コントロールされてるって事は。」
「? だから安全なんだろ?」
花表の問いかけの意図が読みきれず
ひたすら疑問符を並べた昏田に対し…
「綺麗だね、色相。」
花表はそう言った。
「こういうのを考えるのは
楽しい。けど、凄く濁る。」
きっと、そういうことなんだろう。
上の問に対して答えがあるとすれば
コントロールされているから安全、
というもののコントロールを壊す。
絶対安全と思われている物が安全
ではないかもしれないという疑問が
上がるだけでも、テロを起こすには
充分過ぎるものじゃないだろうか。
だから、今回のようなことを引き起こす
にもシビュラに見張られている環境では
すぐに見つかってしまい施設行きだ。
見つからずにここまで計画を実行して
来たということは、廃棄区画の人間…?
シビュラの目の届かない場所にいる人に
しか出来ないことだったろうという。

昏田と花表が話していた内容。
廃棄区画の人間が関わっている
ことは確かだろう‥狡噛さん達
もそこまでは話が進んでいた。
今回のようなことを実行するには
それなりの人の動きがあり、それを
見逃していたとは考えにくい…もし、
地方(北九州、中部、関西圏)の比較的
大きい廃棄区画の人々が動いたとすれば…
そのような可能性を見出していた。
今回、登志が狙われた点について、
口封じが必要なくらいには何かを
知っていたのだろうと話す狡噛さん。
そして、その登志と接触のあった人物
…特区の連中やこの時接触した狡噛さん
達3係の者たち…狙われる危険は大きい。
今回登志の攻撃に使われたのも銃。
この先も、使われるのかもしれない。
だがその入手ルートは…?
密輸があったにせよ、きっと
そう簡単に出来ることではない。
廃棄区画、特区に関わりがあった
ことだとしても、そこまで多くの
金を動かせた存在が関わってる
っていうことでいいんだろうか…。

「私は一度殺されている。
命は取り留めたものの…
来るべきではなかったのだ。」
和久さんにそう話す東金。
「あなたは誰かをかばって
いる。当時も、そして今も。」
そんな会話の中、突然何者かが
和久さんに襲い掛かってくる。
それを庇い助けたのは東金だ。
だがその助けも一時的なもの。
…すごい力で襲い掛かってくる、
彼女は、赤を嫌い、赤を消そう
とし続けてきた納然桐花だった。
「鋭利な刃物での頸動脈
切断による失血死。」
…和久さんの話を聞いた時の納然の
切なげで、でも嬉しそうなこの表情は
一体どういう意味だったというのか。

色相の赤い者ばかりを
嫌い壊そうとする納然。
東金は自分を透明だという。
色相が透明…一度殺されかけて
人工臓器か何かの手術をした
ことによって色相が読み取れなく
なった=透明ってことなのかな?
そこまでの赤への固執の理由は?
納然の目的とは一体何だろう。

納然から逃れるために、和久さんと
共に地下への道へ入っていく東金。
そこで、和久さんがこれまでに調べて
来たことについて少しずつ明かされる。
世に上がっていない情報、どんなに
調べても痕跡すら見つけられない。
何者かによって消された…隠された
情報がある…ということだったろう。
和久さん自身の過去や、過去に殺人
未遂事件の被害者となった東金の、
その事件の詳細情報等もそうだ。
その消された情報の一つだった。
それらの情報を求めて、監視の薄い
であろう紙媒体の資料を探す和久さん。
国会図書館には、それらの資料がまだ
多く残っている可能性があったのだろう。
そこで知ったのは、『本物』への強い
こだわりを持つ納然、そんな彼女が
ある時原因不明のアナフィラキシー
ショックに襲われ、自然に拘るが故に
続けた民間療法で様態は悪化の一途。
そこから数年後には、人工皮膚に切り
替え女優業に復帰することになるが、
このアレルギー症状により真っ赤に
染まった皮膚の色…これが納然が赤を
嫌う理由ということなのだろうか…?

図書館での資料話の続きになるが、
そこで見た資料から、東金博士が
当時納然の主治医だったとわかる。
「彼女は原因不明のアレルギー
を直す為、人工臓器の実験に
参加しあなたの患者となった。」
これが、和久さんの見解だった。
あたらずとも遠からず。
随分と、重い症状だったのかも
しれない…本物へのこだわりが、
より一層症状を重くさせたかな。
様々なことが重なって、生きる
ために彼女が望んでいたものが
次々と失われていったのだ。

納然の苦渋の決断で、人工臓器を
移植していくに連れ彼女は健康を
取り戻していった。だが、ある時
彼女は※多臓器不全に陥ってしまう。
※多臓器不全
人工臓器の欠陥による
ハイパーオーツアレルギー。
脳を義体に移すことで命はとり
とめたものの、彼女が望む、
感情の機微を表現できる表情を
作り出すことが出来ない身体に…
そんな事態へ責任を感じてしまって
いる所も多かったのだろう。
東金博士は彼女の言いなりになり…
きっと子供をつくったんだろう。
そして恐らくだけど…その子供が
和久さん…ってことじゃない??
~ひとこと~
和久さんsideでゴタゴタしている頃、
狡噛さん達と昏田達は無事合流、援護
に向かっていた、帝塚監視官を筆頭と
した一係も無事合流することが出来た。
だが、真流さんが和久さん達の方を
音声で確認していたはずが、途中から
音声をすり替えられており、そこから
…恐らく地下に入った頃からだろうか。
和久さんの足取りが掴めなくなっていた。
…まだしばらくドンパチは続く
方向かもしれないですね。
こんな慌ただしい状況ですが、
少しずつ、真相は明かされてる。
…明かされれば明かされるほど、
きっと命の危険を伴うものだろうと
思いますが…和久さん死なないよね?
…なんだか、和久さんの明るい未来が
全く見えなくてやたら不安なこの頃w
では、また次巻で!