著:小島美帆子 先生

誤解といたずら心によって
ちょっとバタバタしたけど 笑
一先ず家に麗花しかいなかったので
外を散歩しながら話すことにした2人。
そこで菜子と話したことを伝える。
菜子がもう過去に捕らわれず前に
進んでたこと、自分の背中を押して
くれたこと、そして自分の決意も。
「もうあの瞬間に捕らわれない。何か理由
をつけて逃げるのはやめる。これまで、
今までできずに来た色んなことに精一杯
真っ正面からぶつかっていこうと思う。」
彼の決意と真っ直ぐな思いを受けて、
先程いたずらされたことで少し仕返し
したいような‥なんて思う麗花だった
けど、すぐに反応しない彼女に不安
そうな表情を見せる桐生さんを見て‥
「…~~~もぉとっっくにっ、
恋し続けてますよぉ…!」
仕返しなんて余裕もなく、顔を
真っ赤にしてそう答えた 笑
一先ず‥良かった ♡ おめでとう!!!

ようやく恋人同士になった2人。
高塔さんと早乙女くんにだけは
ちゃんと伝えようということに。
4人で食事という形で集まった。
直球で、付き合うことになったと
いうことを伝えられて高塔さんは
‥きっと色んな思いがあったろう。
随分苦しそうな表情で文句を
言いつつも小刻みに震えていた。
麗花はそんな彼女を見て‥今まで
ずっと話せずにいたことを伝える。
学生時代にあったことと男性恐怖症
であるということ、すると桐生さんも
菜子に関する詳細は口をつぐんだけど
自分が女性恐怖症であることを話した。
麗花については早乙女くんは知ってた
けど、桐生さんに関しては2人とも
初めて知ったことだった。同士として
一緒にいたことも初めて知らされる。
「誰よりも1番の理解者でいてくれたから
…閉ざしてた心を俺は開けたのかも。」
そう話す桐生さんの表情はどこまでも
優しいものだった。彼の言葉と思いを
受けて‥2人ともそれ以上の何かを
言うことはしなかったみたい。

2人はまだ暗い表情を見せたまま解散。
高塔さんと早乙女くんは並んで同じ
帰り道を歩いていた。そこで彼女が
口にしたのは‥たくさんの後悔。
「私どれだけ桐生くんを傷つけてた?」
事情を何も知らなかったとは言え、
これまで何度も何度も好きな人を
傷つけてきたのかもしれない‥
そう思ったら苦しくて仕方なく
なってしまったのかもしれない。
でもそんな彼女に早乙女くんは言う。
「…だからこそ、今度こそふたりのこと
ちゃんと受け入れて応援してあげましょう
よ。…好きだった人が幸せになること願う
のも、想うことだと俺は思いますよ。」
そんな彼の言葉で、ずっと俯いていた
彼女はちょっとだけ笑みをこぼした。
素直になるのが苦手な高塔さん。
どこまでもまっすぐな早乙女くん。
‥いいと思うよ、この2人!! 2人とも、
これまではいろいろあったけどとても
素敵な人たちだって思うから…だから
これから先きっと幸せになってね !!

付き合いだして、幸せな2人‥でも
大好きな人が相手だというのに何か
違和感を感じることが度々あった。
気のせいかな‥?なんて思おうとも
したけど、最終的には気のせいじゃ
無いことに気付いてしまった2人。
桐生さんと麗花は、お互いになら
触れられる‥思い合ってる2人なら
というのもあってのものだったろう。
それでも異性恐怖症は完璧には
まだ治りきっていない状態だし、
相手が恋人だろうと身体が拒絶
してしまう部分もまだあるようだ。
それに対して酷くショックを受けた
反応を見せる麗花だったけど、桐生
さんはそんな彼女に優しく語りかける。
こんな彼だから、きっと麗花は前に
進もうと努力し続けられるんだろう。
2人で、互いのペースで進めばいい。
頑張れ、2人とも!!

女性恐怖症を克服しようと少しずつ
でも身構えてしまう態度を克服してく
桐生さんの態度の変化に敏感になる
女性陣、桐生さんは超絶モテ期中‥
桐生さんは何も悪くないけど麗花は
どうしても不安な気持ちになって
しまい‥普通の恋人同士にありがち
な悩みと麗花が戦っていたその頃‥
早乙女くんと高塔さんにも変化が。
片思い云々の頃から、なんだかんだと
一緒にいることが増えた早乙女くんと
高塔さん。だからと言って同期でも
友人でもない2人が一緒に出社する
仲というわけではなかっただろう。
通勤路で早乙女くんを見かけたけれど
スルーして行こうとした彼女を、彼は
思い切り引き止めた。一緒に行くのが
さも当たり前であるかのように言って。
「………だ………って…。…………。」
高塔さんに言われた言葉に対して、
理由を述べようにもきっとまだ自分
の中にされ明確な答えはなかった。
だから、だって…なんて言っても先に
言葉が続いてくれなかった早乙女くん。
高塔さんの方は、ほんの少しかもしれない
けど彼を意識し始めている気がしてる。
早乙女くんは‥どう見ても特別に思ってる
ふうに見えるのに本人は無自覚な様子。
こんな2人に進展はあるのか‥?
進展してほしいんだけどなあ ♡ 笑

麗花の不安については結局桐生さんに全て
話すことに。麗花としてはいろいろと申し訳
ないやら恥ずかしいやらあっただろうけど‥
「俺が離れてる時”会いたいなぁ~”って想い
浮かぶのは麗花だけなのに。傍にいれば抱き
寄せてキスしたくなるのも麗花だけなのに。
…閉じこもってた世界から俺を救ってくれた
死ぬほど大事な人なのに、俺が求めてるのは
周りにいる女の人達じゃなくて麗花だよ?
その俺の気持ち無視してんじゃね--よ。」
桐生さんの言葉や思いで、麗花の
不安もだいぶ落ち着いたみたい。
そしてその後、2人は父親に報告と
いうよりは許して貰いにだろうか。
2人のことを伝えに会いに行った。
初めは断固距離といった態勢だった。
でも桐生さんが元は異性恐怖症の
同士だったこと、そんな中10年間も
女性を怖いと感じる中で唯一一緒に
いたいと思えた女性だということ。
彼の言葉、麗花に対するまっすぐな
想いを聞いて、お父様は了承した。
不安が無いと言ったら嘘になるだろう。
でも彼の言葉を信じて何より娘の幸せ
を願いたいと思ったんじゃないかな?
麗花のお父様、本当に心から娘を
大切に想ってるなと感じるから。
父親の思いごと、桐生さんはこの先
精一杯彼女を幸せに導いてくだろう。
そして麗花も、菜子の思いごと桐生
さんを幸せに導いてくれるんだと思う。
そうやって、2人で幸せを
見つけていけたらいいね。

休日には可愛いヒールを履いて手を
繋いでデート‥カウンセリング会を
初めたばかりの頃に麗花が話していた
いつかへの憧れ‥今はもう叶ってる。
いろいろ遠回りや回り道もしたけど、
異性恐怖症も少しずつ勇気を出して
改善されていってる。時には理解して
くれる友人達が手を貸してくれた。
無事身体を重ねられるようになって、
あの事件の恐怖も塗り替えられてく。
それから‥4年後。
4年もあれば、きっといろいろあった。
その間のお話は描かれてはいないけど、
気がついたら早乙女くんと高塔さんは
結婚してて1歳5ヶ月の娘・芽依がいた。
そして菜子にも‥思い合える大切な
男性が出来たようで翌年結婚だって。
そんなみんなが集まるこの場所では
桐生さんと麗花の結婚式が行われる。
その時の…お父さんの言葉に私まで
つい泣きそうになってしまった 笑
「陸斗くんとうまくいかなかったら
いつでも戻ってきていいからな。でも
そこに至るまでは死ぬほどふたりで
努力しなさい。精一杯目一杯努力して
それでもどうしても無理だと感じた時は
ひとりで抱え込まず私たちを頼りなさい。」
「お前たちふたりの”絆”を見てきたから
それ程心配はしてないけども、”結婚は
易し結婚生活は難し”だ。--お父さんと
お母さんが宝物である麗花に望むことは
ただひとつ、どうかいつまでも幸せに。」
入場前にそんな言葉をかけられて大泣き
してしまう麗花‥メイク直し大変そう
だったけど (笑) 本当に素敵な両親に
育てられてきたんだなと‥涙が出そう。
麗花、桐生さん、幸せになってね。
~ひとこと~
私たちのヒミツ事情最終巻でした。
後半いっきにお話が進みましたが、
描かれていない部分のそこも少し
どんな流れがあったのか気になる
なー‥と思ってしまった私です 笑
早乙女くんと高塔さんのこと、
菜子とその彼氏さんのこと。
桐生さんと麗花だって、きっと4年も
あればいろんなことがあったでしょう。
いいことも悪いことも‥でもまたそんな
経験で2人の絆は深まったんだと思います。
どうか、末永くお幸せに。