私たちのヒミツ事情 第3巻

著:小島美帆子 先生

カウンセリング会は重い空気のまま
終わってしまった。そして高塔さん
ともあの一件以来きちんと話をする
ことが出来ていないらしい桐生さん。

どちらともきちんと話をしないと‥
と思いつつも、行動に出せず足踏み
していたところに現れた不審な男。
あとになってこいつの正体はわかる
けど‥ロクな男じゃありません。

「だからまた改めて来ますわ。」

そう言って立ち去っていったこの男。
わざわざ麗花の会社までやってきた
ということは、危険な匂いしか無い。

 

高塔さんを呼び出して気持ちは
受け取れないと話すけれど

「…まだ私のこと”何も”知って
くれていないのに?悪いけどそんな
簡単には引き下がらないから。」

そう言われて諦めてもらえず‥
麗花とのことは、彼女から謝罪され
和解はするも、カウンセリング会に
関してはあまり前向きにはなれない
桐生さん‥それに落ち込む麗花。

そんな様子に、桐生さんは会社に
来ていた怪しい男の話をしなかった。
これ以上不安にさせまいとして
話さなかったんだろうけど‥

その日麗花が帰宅すると家の
前にはその怪しい男=元カレ
の修太郎がやってきていて‥
どこまでもクズ男だった。

「俺就活うまくいかなくてな。ものは
相談☆麗花の力でなんとかお前んちの
会社に入れてもらえないかなぁ!?」

「もし力貸してくれないとか言うなら!
あの時みたいにまた男ダメなこと
周りに宣伝しまくっちゃうぞ--♪」

その場は大急ぎで家に逃げ込んだものの、
何も解決はしていない‥でも両親には
心配をかけたくないのか話そうとしない。

唯一、桐生さんに相談しようとスマホを
見るも、桐生さんの言葉に頼ることすら
できなくなってしまったようだった。

翌朝、女性専用タクシーで通勤する
麗花を見かけ声をかけてきたのは
桐生さん。それで明らかに様子が
おかしい麗花を見て、異変に気づく。

「二ノ宮まさか、誰かに
付きまとわれてるのか?」

詳しい話も出来ぬうちに、つきまとい
の犯人・修太郎に見つかってしまい、
麗花は思い切り腕を掴まれてしまう。

例の脅しの内容をちらつかせてきて
怯えっぱなしの麗花を引き剥がして
くれたのは桐生さん。あくまでこの場は
やり過ごした‥という感じだったけど、
ここに桐生さんが居合わせられたのは
本当に運が良かったことだと思った。

麗花‥これ以上巻き込めないって
気を使ってるけど、1人じゃ結局
出来ることに限界もあるし心配
かけちゃうなら‥最初から頼った
ほうがきっと桐生さんも安心だろうに。

桐生さんの態度がそうさせなかった
のもわかるけど、上手くいかんね。

「そんなのもうとっっくにとうに巻き
込まれてるし”今更”なんだよ!!だから
細かいことは考えずちゃんと話せ。」

また巻き込んでしまうから話したく
ないと、修太郎に関して一切話そうと
しない麗花に、桐生さんはそう言った。

態度、めっちゃ怒ってたけども 笑
麗花を本気で心配してるんだろう。
頼ってはいけない‥そう感じてた
麗花からしたら、きっと嬉しかった。
頼っていいんだって‥きっとすごく
心強く感じたんじゃないかな。

そうしてようやく明かされた、
過去のトラウマと修太郎の関係。
自分から別れると言ったくせに、
麗花のことをあることないこと
周囲に話し、結果拡散させた。

周り中から妙な噂が聞こえてくる。
そこに彼女の居場所はなかったろう。

麗花にとって辛くて思い出すのも話すのも
嫌な記憶‥それを聞いた桐生さんは、麗花
に一言断りを入れると身体を引き寄せた。

「自分を攻める必要なんて無いからなっ、
そもそも傷つけられた人がさらに辛い
思いするなんて間違ってんだよ……っ。」

「~~~大丈夫…っ、二ノ宮
には俺がついてるから!」

引き寄せられてすぐ近くに、触れる
距離に苦手なはずの男性がいるのに、
麗花はそれに怯えることはなかった。
むしろ‥心臓はドクンドクンと鳴る。

勘違いしちゃいけない、桐生さんは
自分に同情して優しくしてくれてる
だけなんだから‥なんて思い始めてる
時点で、麗花の中に生まれた思いは
きっともう止められないんだろうな。

この日以降、桐生さんが送り迎え
をしてくれることになりました。
それに対する安心感なのか、麗花
にとって桐生さんを待っている
時間が心地よく感じたそうです。

送り迎えを始めても、修太郎が麗花の
前に現れることはあった。でもそこで
間に入って麗花を守ってくれたから、
しばらくの間は大丈夫でいられた。

「あんな男に絶対絶対屈するなよ。
もし、二ノ宮の秘密をばらされる
ことが起こったらその時は俺も一緒
に異性恐怖症公表してやるから。」

「俺も道連れなら少しは二ノ宮の怖さも
減るだろ。一緒に乗り越えればいいよ。」

その言葉とともに、カウンセリング
会を続けようと言ってくれて‥安心から
油断した部分もあったのかもしれない。

ある日どうしても桐生さんが家まで
送れないという日があって、誰かと
一緒に帰るように言われたのに麗花は
女性専用タクシーで1人で帰宅した。

何時間も家の近くで張っていたと
いう修太郎に見つかってしまった。

怯えた様子を見せながらも、桐生さん
に言われた言葉を支えに勇気を出す。
でも修太郎はそれでも諦めてくれない。

「なら親に会わせろよ。どんな手を
使ってでも会社に入れてもらうから。」

そんなことを言われているタイミングで、
バレたくなかっただろうに父親に遭遇。
まあ、家の前だものね‥仕方なかった。

この場は修太郎には帰ってもらい、
麗花と両親で話をすることになる。
母親は心配で仕方なくて、警察に
相談しようと言うけれど、麗花は
自分の力で解決したいと話した。
本当に危なくなったら最終手段として
警察に頼ることもあるかもしれない。

でももう少し‥戦いたいと考える
麗花の気持ちに父親は理解を示した。
きっと怖くて仕方ないだろうけど、
桐生さんの存在が彼女を強くしてる。

無事、解決するといいんだけど‥

両親と話をした後、麗花は
修太郎に電話をかけていた。

両親に全て話したことを伝え、絶対
に屈しない‥これでもまだ関わろうと
するなら最悪警察に‥なんてことを
言うと、さすがに焦ったのか‥

「お望み通り消えてやるから
警察には絶対言うなよ!!」

そう言い電話を切られた。これで
終わった‥そう信じたかった。

翌日、修太郎は結局麗花の前に現れる。

「久しぶりに再開したのに何も力に
なってくれないなんてマジひでぇ
元カノだよなぁ。だからせめて、
最後に元カノらしく相手してくれよ。」

自分からフッたくせに、この男は
どこまでクズの塊なんだろう‥
学生時代の麗花本気で見る目ない。

修太郎はあの日の悪夢、強姦魔の
ように麗花に襲いかかろうとして‥

そこに現れた桐生さんによって止められた。
麗花と両親で話をしたあの日、お父さんは
誰かに電話をかけている様子だった。
あれは桐生さんへの連絡だったんだね。

娘を助けてほしいって、お願いの。

見事に麗花を助け、修太郎を少々
びびらせることん成功したようだ。
対抗できず捨てぜりふを吐いて
逃げていった修太郎だったけど‥

最後に小さな抵抗をしていった。
麗花の会社に言って、麗花と一緒
にいるのを見かけたことのあった
早乙女くんに修太郎は声を掛ける。

「…あんたにあの女の面白い
秘密教えてやるよ。」

なんにも面白くないし、クズ太郎め。
でも‥早乙女くんならきっと大丈夫。
妙なことにはならないだろう‥そう
信じたい気持ちでいっぱいだった。

桐生さんが来て安心したのか、気絶
した後に眠ってしまったらしい麗花。

しばらくは隣りに座って眠る麗花
を見ていた桐生さんだったけど‥

麗花の頬に触れると、キス
しようとしてませんか!??

こんな隣り合ってくっついて
座ってても全然平気だと感じる。
麗花に対しては、本当に恐怖症が
克服されたかのように感じる。

そしてそれは麗花の桐生さんに
対しても似たような感じだろう。

なのはいいんだけど、ちょっと、
急‥寝てる子に何しようと 笑

~ひとこと~

カウンセリング会や、それ以外にも
いろんな関わりを通して‥お互いを
意識するようになった麗花と桐生さん。

それぞれがどこまで自覚してるかは微妙な
ところだったけれど、麗花はほぼ自覚した
上で誤解だと思おうと必死に抑え込もうと
しているように思えたし、桐生さんの方は
自覚しきれてないように見えてたけど、
行動の中に無意識なのか麗花に対して
独占欲に似たものを感じることがあった。

さてねぇ‥どうなっちゃうやら。

書きたい内容が多くて書きそびれている
部分なんですが、高塔さんに関するお話。

彼女の桐生さんに対するやり方はどうにも
苦手だしいいとは思えない部分なんです。

でも、表には出さないけど彼女の内面‥
気持ちの面だけ見てると、いいなと思う
部分もたまーにあるんですよね 笑

紹介できてませんが、興味を持って
このお話を読もうと思ってくれた方、
ぜひそういう部分にも着目して読んで
もらえたら嬉しいなと思います。

それでは気になる続き、また4巻で!!