てをつなごうよ 第7巻

著:目黒あむ 先生

「そっか、流星くんのことか!」

対象の掴めない発言に、そんな
ことを言い出す小豆だったけど、
美月ははっきりそれを否定した。

てか‥やっぱりそうだったみたい。
今回の買い物を3人で楽しんで、
それで終わりにしようとしてた。

でも‥今度こそちゃんと
伝える覚悟をしたみたい。

小豆は悩むかもしれない。
もしかしたら多少ぐらつく
こともあるのかもしれない。

でも‥きっと必要なことだから。
小豆は2人の想いをちゃんと知った
上で答えを出せばいいんだと思う。

きっとこれで揺らいでわからなく
なってしまうくらいの気持ちなら
結局まだ答え出せてなかったのと
同じことだと思うから‥美月、
頑張れ。きっと返事は見えてる。
ふられる覚悟で伝えるんだろう。

‥美月は強いよ、ほんとすごい。
怖いよね、大好きな人からのNoは。

どんな結果でも‥頑張って欲しい。

小豆が美月の話を聞きに行く
前、千花が話しかけてきてた。

特に何か言うでもなく‥ただ不安
な気持ちでいっぱいだったのかも。

美月から連絡もらってたみたいだし。

「橘さん、俺
小豆さんに告白してきます。」

ほんと律儀過ぎるくらい律儀だよね。
千花は引き止めることも出来たけど、
そんなことなんの意味もないって
分かってて見送ったんだろうか‥

美月は、出会ってからこれまで小豆に
対し感じてきた思いを告げ‥最後に

「おれ、小豆さんがだいすきです。」

手を握り、まっすぐ目を見てそう告げた。
ドッドッと振動は高鳴ったけど‥

「…ありがとう柊くん。
でもごめんなさい。」

気持ちに応えられない謝罪と

「千花ちゃんに笑っててほしいんだ。」

千花のことが何よりも大切なんだって
これでもかってくらい大きな思いを
伝えてきた‥ちょっと残酷だけど、
何より素直な気持ちだったろう。

小豆の言葉に美月は随分と優しい
表情ではい。と答えてくれた。

「俺は小豆さんのこと好き
だけど同じくらい橘さんの
ことも大好きなんですね。」

そう言って千花に思いを告げに
行く小豆の背中を押し、見送った。

一人だけその場に残った美月が、
涙していたのは誰も知らないこと。

美月‥ほんとよく頑張ったよね。
報われなかった思いだけど‥
最後まで諦めないで良かった。

あとは‥ゆっくり前に進めるように。

千花と話しに千花の部屋に向かう小豆。
でもほんの数分前千花は部屋を出てた。

不安すぎて‥部屋でじっとして
いられなかったみたいだった。

「もーこんな時間にどこ行く
のか秘密とか言ってさー、
女の子のところだよきっと。」

千花ママ余計なこと言いなさる www
その言葉で茉帆を想像して‥きっと
不安にもなったんじゃないかな小豆。

それでも覚悟を決めて、走って‥
見つけた。幼い頃から元気のない
時に来る千花と小豆の秘密基地。

大きくなった2人には随分
狭そうにも見えたけど‥

返事を聞く覚悟が決まらず5分待って
とか言い出す千花の気持ちを無視して

「…さっき柊くんに告白…という
ものをして頂きまして、おこがま
しくもお断りしてきました。」

そう言ってから、自分にとっての
千花の存在の大きさ、大切さに
やっと気付けたっていうように
思いをどんどん口にし続けた。

深呼吸をして落ち着いてから改めて
プロポーズのように言葉を伝えた。

「だいすき、千花ちゃん。」

小豆の出した答えに‥そんなの信じられ
ないとでも言うように確認したがる千花。

「大豆に言うのと同じとか、
幼なじみだからとかそういう。
だってそうじゃないと、こんな
都合いい夢みたいなのっ-…。」

幸せすぎて、信じられないこと。
小豆と両想いになるってことは千花
にとってそういうものだったんだね。

きっとこれから千花が不安になったら
そのたびに小豆は違うんだって、特別
なんだって、大好きなんだって伝えて
くんじゃないかな‥ほんとおめでとう。

翌朝‥投稿しようと玄関のドア
を開けるとそこには千花がいて‥

「柊くんと一緒に学校
行こうと思って。」

そんなことを言って待ってた理由は
一つ、美月と話をするためだった。

付き合うことになった報告、随分
前に告白していたことをずっと言い
そびれていたことの謝罪を伝える。

そして『今から無神経なこと言う』
と前振りしてから話しだしたことは‥

千花が変わる、向き合うきっかけをくれた
美月の真っ直ぐさへの感謝の言葉だった。

「ライバルが柊くんでよかった。」

随分優しく温かい表情でそう言った。
それに対する美月の言葉が、思いが
あまりに温かくて泣きそうになった。

千花も美月も小豆もすごくいい奴ら
だけど、中でも美月のまっすぐさは
2人を大きく変えてきたんだろう。

美月が天使に見えて辛いっす‥ 笑

千花と小豆が付き合うことになって、
今まで通り3人一緒はダメだって、
小豆と2人ってのもダメだろうって、
2人の幸せの邪魔したくないからと
美月なりに気を使ってたんだろう。

小豆と一緒に大豆と流星を送ったり
迎えに行ったりしていたのもやめ、
寂しがりながらも2人のためだと
我慢しようとしていたみたいだ。

そんな‥ちょっとした弱音を流星
に対して吐いていたところ‥すぐ
背後に小豆、千花、大豆がいた
ことには気付いてなかったみたい 笑

美月の思いを知って、寂しそうな
表情を見てしまったら小豆はもう
そのままにはしておけなかった。

いろいろ変わってしまったことも
ある、それでもこんなふうに何も
変わらずいられる関係もあるんだ。

多少のきまずさとかはきっと
あるんだと思うけど、それ以上に
3人の友人として過ごしてできた
絆や友情だって本物だったろう。

そう簡単にはなくならないよね。
無理に変えなくたっていいよね。

修学旅行です!!今更ながら、友人達に
千花と付き合い始めた報告をした小豆。

そこで言われたのは、千花はがっつり
恋人を相手にする表情や態度になってる
けど、小豆はそういうのが足りてない
なーんていわれてしまった。今までと
そんなに変わってないように見えると。

友人達のその言葉は、特に深い意味の
あるものではなかったかもしれない。

それでも小豆にとってそれは‥

(もしかして私、さっそく千花
ちゃんのこと不安にさせてる?)

そんな不安な気持ちになってしまう。
恋愛の仕方なんて人それぞれだし、
千花から見た小豆には変化がある。

きっとそこまでの問題は起きて
ないだろうと思うんだけど‥

そう言われて焦ってしまうくらいに、
小豆はちゃんと千花のこと大好き
なんだけど‥態度には中々出ない 笑

1度考え込んでしまったら、小豆の
様子がおかしいと千花はすぐ気付く。

「何かあった?」

そこで友人に言われたことと、
それで考えていたことを話す。

千花にしてもらってばかりで自分は何
もしてこれなかった、不安にさせたく
ないのに早速不安にさせるような態度
だったのかもしれない‥そう感じて
情けなくなってしまっていたって。

「ほんとばか…充分伝わってるって。
お前が俺のこと好きでいてくれるって。」

千花のくれる言葉や笑顔は‥一瞬で
小豆を安心させてくれた気がした。
だからこそ、自分も千花のために
なにかしたいって思うんだろう。

「明日ふたりでデートしよう。」

自分ももっと行動しなきゃだめだ
と言い出した小豆からの提案だ。

一体どんなデートになることか‥
わからないけど、2人ならきっと
どんなことでも楽しそうだな。

素敵なデートになることを願って、
また次巻‥早く読みたーい www

~ひとこと~

いろいろありましたねほんと‥千花と
小豆が無事くっついて、美月はつらい
気持ちもあったと思うけど最終的に
温かい感じにまとまって‥大きな
区切りかなと思ったらついこれまで
のことを振り返りたくなりました 笑

いろいろ思うところはありますが、
一先ずは千花、小豆おめでとう。

小豆からの返事を聞いた時の千花は
まるで昔の泣き虫千花ちゃんみたい
に、なんかもう可愛らしかった 笑

簡単に信じられないくらいに随分
こじらせた思いだったからねぇ‥
ほんと、見てるこっちが幸せな
気持ちになれてしまう光景でした。

これからもなんやかんやと悩んで
少しずつ成長し変化していくんだと
思います‥そんな時も決して一人で
悩まなくていいから、一緒に成長
していけたらいいなって思ってます。