てをつなごうよ 第4巻

著:目黒あむ 先生

千花がなんか最近違う‥そう感じて
いた小豆、これまでは平気だった
スキンシップももうこれまでとは
別のものになっているみたいだ。

もしかしたら、これまでは隠すために
あくまで男友達ノリみたいだったのが、
女の子に対する優しさとか‥それ以前
に好きな子に対する熱っぽさとかまで
出ちゃうようになったのかも知んない。

きっかけはどうであれ、千花が変わり
小豆が変わり‥なんて可愛いんだろう。

大豆以外に目を輝かせることのない
と思っていた小豆が、違う意味で
頬を赤らめて表情を崩している。

それが自分に向けてって‥きっと
絶対に嬉しいことだと思うんだ。
その理由に気付いてるかは別として
小豆にとって千花は大事な幼なじみ
ってだけの存在ではないんだろう。

立派に、男の子としてみてる
っていう証なんだと思う。

みんなでプールにやってきました。
プールで鬼ごっこ~なんてやってた
んだけど、鬼の小豆が美月を見つけた
時、彼は女の子たちから逆ナンされて
身体を触られたりもしていて‥小豆は
彼を引き剥がしに行ってしまったの。

「何かご用でしょうか、弟に。」

弟とか、可哀想でしかなかったが ww
衝動的に‥あの瞬間『嫌だ』って
感じて動いてしまったんだそうだ。

そんな始まりから、ちょっとだけ
拗ねたり赤くなったり‥少し話す
間にいろいろと感情の動いてく2人。

なんだかいい雰囲気になって、でも
慣れない2人はちょっと気まずい感じ。
それをいつもの天然発揮して近づいた
小豆の笑顔に‥今度は美月のほうが
衝動的な行動に出てしまったみたい。

目の横のほくろにキスした。

「…ナ、ナニヲヤッテル
ノカナヒイラギクン。」

つい片言になってしまう小豆 笑
それに対して、美月はただ一言。

「ごめんなさい。」

とだけ答えた。
それに対して小豆が頷いてくれた
ことに安心して、美月の中ではもう
終わったことになったんだと思う。

でも小豆の中では‥疑問なまま。
なんでキスしたの?なんで謝るの?

悩みだしてしまった小豆の異変に
気付いたのは、今回も千花だった。
なんかあったのと聞かれてごかます
ことしか出来なかった小豆に対して

「バカなんだからどーしようも
なくなったらちゃんと頼れよ。」

千花は、本当に優しい。
小豆のことをわかってる。

さてね‥小豆大丈夫かね‥。

散々悩んだけど結局自分の中だけでは
答えが出ず、本人に聞こうと決意を
固めた小豆だったけど、登校中何故か
タイミングが悪くいろいろ重なって
美月と会話が出来ないまま学校到着。

結局聞きそびれたと小豆は思ってた。
でも別の所できっかけは舞い降りる。

美月が、彼の初恋の話、この間の
プールでの話を友人の若狭 善次
(わかさ ぜんじ)=善くんに話した。

頑張れよって応援してくれる彼は、
1つ大事なことにも気付いてくれた。

謝った時‥何の理由も告げずに謝罪
だけしたら、意味がわからなくて
悩むやつだって言ってくれたんだよ。

彼の助言で、ようやく自分のして
しまったことに気付き、登校時に
何か言いたがっていた小豆の態度
の理由がそれだとわかったみたい。

改めて理由を述べ謝罪した美月。
でも結局‥やっぱり意味わからん
って思われてるんですよね 苦笑

「…他の人にしちゃだめだよ?
そんなホイホイホイホイしてたら
やべー奴って思われるんだからね!」

ちょっと顔を赤らめて小豆はそう言った。
ちゃんと伝わってるのか伝わってないのか
鈍感だし伝わってない気がするんだけど、
この話は一旦ここで終わることと思った。

でもこの後‥

「小豆さんのほくろの
所にちゅー…しました。」

黙ってるのは悪いと思って、なんて
言いながらバカ正直に千花に言うんだ。
これも美月のいい所なんだろうかね。

でもそんなこと急に言われた千花は
どうしていいかわからんかったろう。

全く気持ちの整理がつかないままに
一緒に晩御飯を食べてその後勉強を
教えてあげる予定だったらしいが、
流石にそんな余裕ないからと断って
自宅に帰ろうとした時のこと‥

疲れたのか小豆はうたた寝をしていた。
つっついても全く起きそうにない小豆に
躊躇いがちに近づくと‥ほくろにキス。

‥この時実は、眠くてぼんやりした
意識の中でも小豆は千花に何をされた
のかばっちり気がついてしまってた。

「あー…まじバカ、俺もバカ…。」

なんて言って部屋から出ていった
千花だったけど‥あああああ www

翌日、千花は何もなかったように
振る舞う、それを見て自分もそう
するべきなんだろうと普通を装う。

そんなの‥きっとそう長く続かない。

千花のこともあってだったろう。
小豆は美月にある疑問をぶつけた。

「友達とか…したかったら誰に
でもするって事でいいんだよね?」

キスの話‥やっぱり変に誤解して
伝わっちゃってたよ。したかった
からってだけ言ったもんね 苦笑

「違いますけど…。」

「あんな事普通好きな
人にしかしません!」

その言葉で、美月は自分のことが
好きっていうこと‥と考えた直後、
小豆の頭に浮かんできたのは千花。

美月の言葉で、千花の気持ちに
まで気付いてしまったようだ。

そしてその後、偶然見た例の
心理テストの本。答えが違う
ことに気づいちゃった小豆。

「なんで違う結果言ったの?」

つい‥千花に聞いてしまった。
そして、千花はじれったい2人の
手助けをしてあげたんだと話した。

きっと千花の気持ちに気づかない
ままでいたら、それで終わった話。

でも千花の気持ちに気づいてしまった
今、どんな思いでそんなことをしたの?
これまで‥自分はどれだけ千花の気持ち
に気付けずに傷つけてしまっただろう。

「ごめん、ごめんね千花ちゃん。」

何も気付けなかった情けなさに
涙しながら‥ただただ謝罪の
思いでいっぱいになってしまった。

千花の気持ちに気付いてしまった今、
これ以上傷つけたくないと思うも
だったらどうしたらいいんだろうか
わからない‥何も知らないふりを
続けるのが小豆の精一杯だった。

でもそんなのも長くは続かず‥

球技大会に向けた準備中のこと。
小豆の目の横、ほくろの辺りに
インクがついてるからとそれを
拭おうと伸ばした千花の手を、
反射的に‥小豆は払ってしまう。

「手に虫ついてんの全然
きづかなかったわー。」

クラスの他の子達もそこにいる。
変に心配させないようにとそんな
嘘をついて誤魔化してくれる千花。

絶対ショックだったろうにね。
ほんと‥優しすぎんだよ千花。

必死に弁解しようとするのに、
うまい言葉も出てこなければ
最終的に謝ったのは千花だった。

謝られて、違うって言いたいのに
結局追いかけることが出来なかった。

手を振り払ってしまった時から、
妙に気まずい感じになってた2人。

でもある時、千花が顔面を怪我
してしまって、それに気付いた
小豆は無我夢中で千花の手を
引き保健室まで走っていった。

どんなふうになったって‥小豆に
とって千花は大事な存在なんだろう。

走ってくる途中美月とすれ違って
話しかけられてたのに、小豆は
一切気付いてなかったみたいだし。

でもこうやってやっと向き合えて、
あのキスの時実は起きていたこと
をようやく伝えることが出来た。

「-…小豆、俺の
話聞いてくれる?」

キスした理由、これまで自分が抱えて
きた想い、全部話そうと思ったのかも。

自分のしたことで小豆を悩ませる
なんて、きっと千花は望まない。
ここまで来たら覚悟決めるだろう。

~ひとこと~

いろいろ動いてきました。
千花も、美月も‥きっと今1番
悩んでいるのは小豆なんだろうな。

傷つけたくはない、それはきっと
誰だって大切な人を傷つけること
はしたくないって思うものだろう。

でもだからこそ、ちゃんと向き合う
必要が出てきたんだろう。小豆なら
きっとちゃんと向き合おうとするはず。

小豆も、千花も‥頑張って。