著:藤間麗 先生

水神の力を我が物にしようと
以前も有紗陽を攫おうとした
狐雅彦は、また有紗陽を攫おう
とするが、水神に邪魔され失敗。
そんな所に現れたのがこの女。
ナガの国の巫女。大王が
水神の力を我が物にしようと
することをやめたことで、
新たな君主を求めていた様子。
明らかに正気ではないこの女。
でも、狐雅彦にはちょうどいい
存在に思えたのかもしれない。
…厄介なのが手を組んだわ。

「生贄を差し出させないでよ…!
生贄よ…!!月彦を生贄にして自由
を手にしたいと思うわけない…!!」
周知となってしまった水神の
力(有紗陽の力)。狐雅彦のよう
にまたいつ誰が攫いに来るかも
わからない、そんな状況ムラで
彼女を守りきるのは難しい。
ムラに迷惑をかけずに
有紗陽も無事であるには…?
「水の巫女として大王(ナガ)の
元へ行くか…争いの火種になる
のを終わりにするため…ここで
死ぬかどちらか選んで下さい。」
そう言って、有紗陽の首に
刃を向けた月彦だった。
でも、そこで月彦が出た行動は
有紗陽が死んだことにして彼女を
逃がし自由にしようとしたのだ。
代わりに自分の命を犠牲にして。
結局、それを止めたのは有紗陽。
これからどうなるのかわからない。
それでも、有紗陽にとって生贄
というものはとても残酷なもの
以外の何物でもなかったろう。
誰かを犠牲にして自分が助かる
なんて…そんなことをして幸せに
なれるわけがなかったろうね。

月彦の行動には、明かされる
ことのなかった過去に理由が
あった。以前話に出てきた、
有紗陽と同じように突然この
世界に来てしまった女性の話。
彼女は、月彦の母親だった。
「母の世界が知りたかった。
水神の加護を受けたあなたの
側にいれば、私もその奇跡を…。」
そんな思いを秘めた彼は、水神の
巫女の噂を耳にした時他のムラから
やって来て、彼女の世話係をしたい
と申し出てきた。信用を得るために、
もし巫女がいなくなったら自分の
命を差し出すという約束付きで。
それほどまでに、強い思いと願いを
1人で抱え続けていたんだろうな。

「私の妻になれ。」
月彦が考えていた自分を犠牲に
した作戦も失敗に終わったことで
選択肢は一つ、有紗陽はナガの大王
のもとを助けを求めて訪れていた。
が、そこで言われたのは
想定外の言葉だったようで…
大王の妻になるようにと。
水神の巫女としての力を示せ
ないならせめて名を。水神の
巫女がナガの大王のものになった
という示しをということだった。
それが、ナガの大王が彼女の保護
を行け入れた理由だったらしい。
返事の前に少し時間を…そう
して考え込む有紗陽。動揺する
翠葉流…に対して何も感じない
ように無関心を通す水神様。
それを少し寂しく感じた有紗陽。
でももしかしたら、水神自身が
気付けていないだけで実はすごく
嫉妬しているんじゃないかと…
大王と有紗陽が仲良く話すのを
見て、手をつなぐのを見て…
散歩に行こうとするのを見て。
水神は突然の大雨を降らせていた。
無意識だったのかもしれない。
「怒ってない?」
そう問いかける有紗陽に
「なぜ…私が怒る。」
そう言いながら、考え込む水神。
これは、水神も自分では気づけて
ないけど、嫉妬してるんじゃない?
水神が初めて逢ったあの頃から
少しずつだけど変化していく様子。
なんか見てて、すごく嬉しいな。

大王の名で、大王を守る警備隊長だと
いう真鳥(まとり)という男の下で警備
について学ぶように言われた翠葉流。
だが、いつも飲んだくれて警備に
関することなど何も教えてくれない
様子の真鳥にうんざりする翠葉流。
でも、彼の行動にはちゃんと
理由があったことに気付く。
ただ飲んだくれているように思えた
光景、実は店の隅から人の出入りを
見張っていた。そこには狐雅彦の姿。
今まで影で動いていて誰も気付いて
ない様子だった彼の動きに、真鳥は
ずっと目をつけていたのかもしれない。
そんな彼を知って、有紗陽を守るために
彼の下で一生懸命強くなろうと誓う。
雑用押し付けられつつも、
翠葉流は頑張っている様子w

水神の嫉妬…に思えた態度。
その環状の正体を探るためと
有紗陽をひざの上に乗せあれこれ
と…先に顔を赤らめたのは有紗陽。
いや、誰でもこんなきれいな顔
目の前にこんなことされたら
赤くなるかもと思うけどね←
でも、それだけじゃないのかも
って思ってる。水神に何かしら
変化が出てきているように、
きっと有紗陽も水神に対して
変化してきてるんじゃない?
さて…気になるけれどまた次巻
まで続きはお預けですね~w
~ひとこと~
いろいろと、表でも裏でも
変化が起きだした巻でしたね。
月彦の話は…切なかったな。
これから、月彦は有紗陽がいた
ムラを守るとムラに残された
けど、もう会うことないのかな?
そう考えると…少し寂しい。
今後のお話、気になるわ~w