ぴんとこな 第13巻

著:嶋木あこ 先生

ぴんとこな13-1

「僕は悪くない。」

自分を正当化するように、
自分に言い聞かせるように
そう口にしたヒロキだった。

(これでいいんだ、早く
そっちに行きたいよ…)

恭之助を目指して、ただ
そのためだけにひたすら進む。

本当は悪いってわかってて、
でも目的のために自分は
非道にだってなる…そんな
ふうに自分を押し殺して無理
してるように見えてしまう。

ほんとの所はわからないけど。
ヒロキはいつまでこんな自分を
背負い続けていくというんだろう。

ぴんとこな13-2

「おまえには腹違いの兄弟がいる。」

河村の祖父、樹藤さんが亡くなり
際に親父さんに残した言葉がこれ。
今になって明かされたわけだが、
親父さんは義兄弟の存在とその
母親が贔屓の小向井さんだという
ことまで知っていたのだそうだ。

* – * – * – * – * – * – *

ところで、小向井さん初登場の時
「小向井」さんだったのにここ最近
「小向」さんなんだけど…どっちだw

最近小向さんなんで、今後は
小向さんで書いてこうと思うw

さて、話戻しま~す。

* – * – * – * – * – * – *

ここで明らかになったのが彼の存在。
まだ学生だった頃、歌舞伎界に足を
踏み入れる前の田辺樹生くんです。

「彼を近づけないようにしなくては。」

(――と同時に、木嶋屋の血と芸を引き
継ぐのは我々だと気持ちを強くした。)

樹藤さんが亡くなってから恭之助
に対する態度が急激に厳しくなった
のはこれが原因だったようだ。
その結果息子が懐いてくれなくて
寂しい思いもしたようだけどw

それから数年して、存在を知った
当時は歌舞伎界に入る素振りなど
なかった田辺が木嶋屋に弟子入り
を志願しにやってきたのだ。

息子に近づけることを危険に思い
その場では断った親父さんだった。

まあ、そんなこんなで親父さんの
過去や思いがわかってきたわけだが。

…体調、大丈夫なんかな…。

ぴんとこな13-3

その後、小向さんは亡くなった。
葬式の日、参列していたのかな。
ヒロキは、梢六に釘を差すように
優奈と自分の浮気の話、そして
優奈の相手の話をしてきた。

それに+して、山本さんのことを
妙な誤解をさせる言い方をする。

「付き合いは程々にした
ほうがいいかもしれません。」

山本さん、携帯電話を紛失してる
様子だった…予想はできたけども、
やっぱりその携帯ヒロキが持ってた。

ほんと、この人やること危ない。
…いっそ全てバレてしまったほうが
いいんじゃないかと思えてくる。

ぴんとこな13-4

「振り上げたこぶしを下ろす場所は
もうどこにも残されていないから…。」

ヒロキ自身、もういろいろと
取り返しの付かないところまで
来ていることには気付いてるんだ。

その上で、もう後戻りもできず
進むしか出来ないからこうしてる。

…歌舞伎役者をこのまま続けたい
ならこうやって自分を偽り続ける
しかないのかな。時間はかかっても
1度ダメになって1から下積みでも
なんでもやり直した方が本当の
意味で彼と並べるんじゃないのか…

ぴんとこな13-5

恵太郎と恭之助のコンビでの
公演の最後の話…あれの恭之助の
応えがここで明らかになった。

なんつーか、河村らしいよなw
やっぱ恭之助と一弥のコンビ見たい。
いつまでも謝るの先延ばしにして会う
こともないんじゃ、何の解決にもならん。

こんなふうなまっすぐな思いがある
なら、さっさと謝りに行けよ河村~。

ぴんとこな13-6

「――まだだ。あんな未熟な子を
残してなんて…逝けるわけがない。」

以前倒れた時、多分癌なんだろう
って思ったけど、綺麗に取れる
っぽいこと言ってて手術すれば
大丈夫なんだなって思った。

なのに、あれ以降そういう話は
一切出てこないまま、それで、
相変わらず体調は優れないまま。
むしろどんどん悪化してる様子。

死ぬようなことじゃないんじゃ
なかったの…?そう思ったのに…

治せるものじゃなかったのか?
息子を不安にさせないために、
話を伏せていたことで手術なんて
大っぴらなことができなかった?

それとも、はなからその気は
なかったとでも言うんだろうか。

…今の河村が聞いちゃったら、
動揺して何も手に付かない
状態になっちゃうよね、これ。

ぴんとこな13-7

優奈と梢六の接触を恐れて、
稽古など抜けられない時以外は
優奈をなるべく見張っていら
れるようにしていたヒロキ。

だがこの時ばかりは運に
見放されたのかもしれない。

近場に少し買い物に出た優奈。
そこに偶然(?)居合わせた梢六。
もしかしたらずっと話す機会を
伺っていた可能性もあるけど。

「ヒロキの子供を妊娠した」

そう話した優奈に対して梢六は、

「それでもいいよ。
俺は全部受け入れる!!」

本当に、梢六は優しい人だ。
その分、弱いところもあるけれどw

・子供の父親が田辺樹生であること
・田辺樹生は河村樹藤の孫であること

ヒロキが恐れているこの2つの
秘密が梢六にバレてしまうこと。

こんなタイミングでこの2人を
見つけたのは、山本さんだった。

…話すのかな?本当のこと。

子供のことに関しては、優奈も
話そうとしているように思えた。
小向さんの葬式の時も、山本さんは
彼に真実を話そうとしていたし…

14巻、ヒロキには悲惨な未来が
待ってるのかもしれないね。

~ひとこと~

14巻でした。いやはや…これは
いろんな所で大変なことになってる。

14巻はいろいろ読むのに覚悟がいる
巻になりそうな気がしております。

悪いことをすればその報いは来る。
ヒロキは今までかなり酷いことを
繰り返してきてしまってるからな。

それに比べて梢六…彼も確かにいろいろ
馬鹿なことをしてきたとは思うけど、
それでもその分はもう十分優奈に返せて
来ているんじゃないかって思うから。

想像してもダメですね、
では、また14巻で。