ぴんとこな 第7巻

著:嶋木あこ 先生

ぴんとこな7-1

公演は大成功に終わった。
同じく舞台に立つ武島家の御曹司達。
下手なわけではないのにイマイチ評価
されないという、彼らはあまりにその
状況が続いたため本気なんて出して
堪るかといった状態になっていた。

それでも、そんな竹兄弟の兄竹太郎
に本気を出させたのも河村だった。

本気を出したその瞬間、観客も最初
は混乱している様子もあったけれど、
しまいには「高島屋っ」「竹太郎」
と言う声が会場中に飛び交っていた。

そうしてその演目が終わる頃には、
会場中から、「木嶋屋」「恭之助」
という声が飛び交う。今回の舞台
はほんと、大成功だったようだ。

それを見に来ていたヒロキにも、
彼の演技はちゃんと届いていた。

あやめではなく優奈を選んだヒロキ。
でもきっと正しくは優奈をではなく
河村のいる歌舞伎を選んだんだろう。

どれだけ優しく接していても、
どれだけ恋人扱いをしたって、
ヒロキが優奈を好きになる
ことは今後もないのかもな。

ぴんとこな7-2

例の公演のあと、小向井さんに
電話があった…孫、と出ている。

え?…ヒロキ?えーっと…wえ?w

小向井さん、好きだった男から
昔手を引いたんだっていうんだ。
相手を思って手を引くお光の様に。

いろいろ考えてみてるんだけど、
イマイチ話が見えてこないんだが
私がバカなんだろうか?えっ??w

ここいらの関係性、そのうち
わかりやすく明かされるのかな?

ぴんとこな7-3

優奈が誰か男と寝ている。
まあ寝ていたのは確かだけど、
未だに消えないキスマークは
その証拠ではないんだけどな。

優奈、こういう所気づかなすぎて
見ていて少しイラッと来るわ~w

鈍感すぎる女はダメよ、いろいろ。
優奈も可哀想だけど、ヒロキも
可哀想ではあるんだよやっぱ。

この2人は、やっぱダメな気がする。

ぴんとこな7-4

勢い余った。河村の
言葉に、河村の演技に
心が動かされすぎた。

講演の後、小向井さんと
偶然ぶつかって話をした。
そして、なぜか恋バナもw

そこで言われたんだ。

「あんたはまだネンネなのさ。
そのうちわかるよ。あんたは
その男を好きだってこと。」

ボロアパートで突然起きた
水道の故障、その寸前に突然
部屋に現れた河村に混乱もして
勢いで返事したようにも思えるw

「うん、ありが…………ん?」

あやめ宅の浸水により、住む
場所を失ってしまったあやめ。

河村の思いつきのような言動が
まさかの現実になってしまったw

親父さん、多分本当に病気な気が
する。あやめの居候を許したワケを、
時間がないから…そう言っていた。

一先ず河村幸せそうですww

ぴんとこな7-5

最近のヒロキは正直言って怖い。
優奈の見えるところでは笑顔を
作るが見えない所で酷く冷めた
表情をしていることが多いから。

そこにはいろんな戸惑いがある
ことが原因になってるのかも
しれないけど…やっぱり基本的に
優しい人なんだよね、きっと。

優しくてまっすぐな人だから、
優奈の好意を利用することには
まだまだ戸惑いを覚えてしまうし
裏切られているんだと感じれば
簡単に気持ちが揺らいでしまう。

あやめに対するような好きでは
なかったにしても、幼い頃から
一緒にいて、大切な存在だとは
思っていたんだ、そこに裏切りが
生じていて、それを何食わぬ顔で
やり過ごされているのだと感じれば
さすがに動揺もしてしまうだろう。

実際、キスマークに関しては本人
気付いてないだけなんだけどね。

…とまあ、いろいろ考えた末
行き着いた結論が何か変だw

この漫画ちょいちょいBL的なの
ぶっこんできて笑うしかないw
シリアスが一瞬でとんだわw

ぴんとこな7-6

河村の女形を見てから、ヒロキの
焦りは前以上に強まったらしい。

女形だけではダメだと、新たに
立役をやりたいとお願いした。

その結果貰えたのが、与兵衛。
「油地獄」の与兵衛という役。
人殺しの役なんだだそうだ。
衝動的に人を殺してしまう役。

…それの影響も少なからずある
のかもしれないとは思うけど、
なんかもう、いつか衝動的に
優奈を手にかけてしまいそうな
…そんな空気感がおそろしい。

偶然あやめが河村の所に居候
しているって話を聞いた時も、
それで前みたいに腑抜けた演技
に戻ってしまうようならあやめは
邪魔だ…なんて、もういろいろと
今後の歌舞伎の邪魔になる者を
全て排除しに掛かりそうな思考。

…ほんと、怖いよヒロキ。

ぴんとこな7-7

婚約の顔合わせのようなもの
だろうか、それが行われて
正式に婚約者になったヒロキ。

でもそこには打算以外の何も
ない、悪い顔をしていた。

そんな頃、木嶋屋の親父さんが
とうとう倒れてしまって…。

ヒロキは怖いし親父さんは
心配だし…あーいろいろ不安!!

~ひとこと~

親父さんのことを除けば、河村
達の方は比較的平和に思える日々。

でも、ヒロキの方はもう見るに
見てらんないレベルに怖いです。

ヒロキの思考が、何かすごく
危険なことをやらかしそうで。

…あやめを思ってまっすぐな
思いで歌舞伎を頑張っていた
頃のヒロキはもう見られない
んだろうかね…少し悲しいよ。