虹色デイズ 第10巻

著:水野美波 先生

モッチーに告白されて、最初は
状況についていくのでいっぱい
いっぱいだった様子の杏奈だった
けど、返事をと考えだした時に
思ったのはモッチーを傷つけない
返事をしたい…ということだった。

それでも杏奈が好きなのは夏樹。
モッチーにはどう頑張っても断る
という選択肢しか出てこなかった。

それで、振ることになったんだけど、
ちゃんと返事して断ったんだけど…

杏奈は優しすぎたんだと思う。
モッチーを傷つけてしまったと
涙する…もしかしたら、自分も
いつか夏樹にフラれるのかもって
考えもあっての涙だったのかな?

どちらにせよ…杏奈、今回のことで
恋愛が怖くなってしまわなきゃいい
けど…ちょっと本気でそこが心配。

モッチーが先に戻ってきた。
泣いてしまっていた杏奈は
まりと一緒に落ち着くまで
ひと目の少ない所に移動した。

戻ってきたモッチーが夏樹に言う。

杏奈が泣いているであろうこと。
杏奈には好きな人がいること。

後者は、明らかにいじわるだ。
その好きな人が自分だなんて、
そんな思考に至る夏樹ではない。

そんなことを言われても、1人で
泣いているかもしれない杏奈を
そのままにしておきたくなかった
んかもね…夏樹は杏奈を探しに走る。

ほんと余計なこと言ってくれた…
夏樹は可哀想だけど、正直ね、
モッチーの気持ちだってわかる。

漫画だから、こういう少しだけ
ブラックな面って目立つんだけど、
あの…フィクションですからね。

でもきっとこういうことしちゃう
人なんてきっといくらでもいる。
夏樹くらいまっすぐなこの方が
きっと少ないと思うんだよね…。

ああ…複雑だよ、いろいろつらい。

あああ…恋愛怖くなっちゃったよ…(泣)

杏奈を探し回っても見つけられずに
困った夏樹は電話をかける。夏樹の
声を聞いて落ち着く‥そう思う反面
この気持ちが辛いと感じてしまう。

でも、こうやって自分から電話を切った
杏奈はまた涙していた…一緒にいたまり
には、きっと話してはいないだろうけど
モッチーと同じように気付いただろう。
杏奈が夏樹を好きだってことくらいは。

まりとしても…すごくつらい場面ね。
辛いというか…苦しいと思うんだよ。
恋愛云々だけじゃない…結局のところ、
友達だからそばにいることは出来ても
それ以上何か出来ることはなかったろう。
ただ心配してることしか出来ないから。

もしかしたら、自分の気持ちだって
また杏奈をこんなふうに苦しめる
ことになるかも…なんて気持ちも
あったかもしれないよね…まりだって
きっつい子だけど優しい子だもの。
…いろいろ、上手くいかないね。

モッチーの告白の次の日…。
当日は部屋を訪れても断固と
して杏奈に会わせて貰えなかった
夏樹だったけど、次の日まりが
夏樹に話があるとやってきた。

そこで、夏樹が杏奈に対して本気
なのか、ちゃんと杏奈を大切にする
覚悟が出来てるのか確認したまり。

そして最後にこうお願いしてきた。

「それ(告白)、ちょっと待って
くんない?次はあたしの番だから。」

夏樹はまっつんみたいに鋭くない。
まりの言っている意味はきっとよく
わからないままだったろうと思う。
少しは気持ちに勘付いたかもだけど。

それでもまりの言葉を、表情を、
真剣さを受けてそれを承諾した。

まり…杏奈に告白するんだね。
…杏奈もまりもつらいだけだろう。

言わないって選択肢ももしかしたら
あったのかもしれないと思うけど、
それでも、夏樹は杏奈を杏奈は夏樹を
好きなら2人が両想いで付き合うことに
なるのはきっと時間の問題…そうしたら
まりは今までみたいに杏奈を友達という
ポジションで独占していてはいけない…
そんなこと出来ないから終わらせようと
してるのかもしれない、自分の恋を。

ちゃんとただの友達になれるように。
…頑張れ、まり…この2人の会話を実は
陰でこっそり聞いていたまっつん。

まりが1人傷付いた時は支えて欲しい。
まりが杏奈にフラれたら、その時は
まっつん以外に支えられる人いない。
ああ…まだ告白してないのにつらい。

修学旅行最終日、考え込み過ぎて
ってのもあったろう、体調を崩して
しまった杏奈はホテルで休んでいた。
一緒にいたかったけど熱がないなら
ダメと言われたまりは、他の班の人と
回る気にもなれなくて単独行動中、
夏樹達に見つかって事情を話すと…

結果的に、夏樹は杏奈のお見舞いに、
杏奈のことで沈んだ様子のまりの話を
聞こうとまっつんがまりを攫って…w
なんてバラバラ行動中の夏樹side。

夏樹がホテルに着いた時には杏奈の
熱は平熱まで下がり、杏奈は最終日
だから回りたいと言ってホテルを出た。

夏樹は、まりとまっつんが別行動を
とってることなんて知らないので、
自分達の班と一緒にまりがいるからと
合流を目指して向かっている最中だ。

観光客らしき人に、現地の高校生カップル
だと勘違いされて話しかけられた2人。

杏奈だってきっと嬉しかったろう。
でも、きっと今そんな素直に喜べる
心境ではなかったろう…不安でいっぱい。

そんな状況で、告白でもなんでも
できたら杏奈は安心できたかも
しれなかった…でも夏樹はそういう
ことが出来ない状況だったよね。

(言いたい事をなにも言えないのが
こんなにも苦しいなんて………。)

つらいとこだな…今きっと、
みんな苦しんでる気がする。
まりも杏奈も夏樹もモッチーも。

‥息が詰まりそう…。

こちらは攫っ…はぐれたまっつんside。
他の人から大分離れて、落ち着いて
話せる場所までやってきてようやく、
まりは心の内をまっつんに話し出す。

最初に出てきたのは、まーくんの話。
別に、恋じゃないのかもしれない。
ただ、唯一無二だったんだろうな。

幼い頃から、まりは男子にはいじられ
女子には嫌われるような子だった。

最初から多少きつい性格ではあった
ものの、普通に男女関係なしに友人と
呼べるような存在がいたようだった。

昔から可愛かったし、男子は可愛い
子をイジメたくなる的なのだったろう。
そして女子は、そうやって男子から
構われるまりが気に食わなかったろう。

よくある…でも、結構極端だった。
周りには、もしかしたらまりの
味方になってくれる人が誰も
いなかったのかもしれなかった。

そんな中で、まーくんだけが特別。
お兄ちゃんだけは自分の味方だった。
自分のことを分かってくれる存在。

でも…そんな兄が結婚して自分の
もとから去っていってしまった。
人を信じるのが怖くなったのかな。

そんなふうにして、まりの過度に
きつい性格は出来上がったらしい。

まーくんへの気持ちが恋だったのか
どうかはやっぱりよくわからない。
それでも、本気でつらかったんだろう。

まりの男への嫌悪感、女への不信感は
どんどん増していくばかり、それは
高校生になっても変わらなかった。

でもそんなある時、周りから怖がられ
たり嫌われたりすることばかりの自分
に話しかけてくる女子がいた。杏奈だ。

最初は、特に信用する風でもなかった。
でも何度か関わりが出てくると気付く。
この人は大丈夫かもしれないって…
それがいつの間にか、まりにとっての
唯一無二になっていったんだろう。

ずっと一緒にいて欲しい存在に。
これも正直…恋なのかよくわからない。
でもまりにとって、まーくんも杏奈も
恋だったのかな?…わかんないけど。

「あたしはただ、誰かの一番
になりたいだけなのに…!!!」

恋とか…もしかしたらそれ以前の
人と人の関わりの問題だったのかな。
ずっと一人ぼっちに感じていたのかな?
みんな、最後は離れていくんだからと。

ずっと…怯えていたのかな、1人で。
きっと今まで杏奈にこんな不安を
打ち明けたことなんてなかったろう。

まりの話を聞いて、涙するまりを
抱きしめてまっつんは語りかける。

「…あのさぁ、オレが前にお前を
好きって言ったの覚えてる?それは
家族とも親友とも違う。もっと特別な
一番になってってことなの。わかる?」

まりの過去、まりの思い、いろんな
つらいこと全部ひっくるめて…

まりを誰よりも一番にするために
まっつんは待ってるから、ずっと
まりのことだけを待っててくれる。

「今までの分まとめてイヤっていう
程甘やかしてやるから…だから。」

まり…あと少しだけ、頑張れ。
そしたらまっつんが待ってる。
甘えて…いいんだよ、大丈夫。

~ひとこと~

…ハンカチ必須でした。まりと
まっつんのとこで大泣きしましたw

まっつん…ただのチャラ男だった
とは思えない程まっすぐにまりを
見るようになって私嬉しいよ…。

そしてまりもね、少しずつ心を
開いてってるのは知ってたけど、
いつの間にかまりが気を許せる、
弱音を吐ける場所になっていた
ことに心から安心している。

まだもう少し頑張らないとだけど、
きっと…大丈夫だよね?まりには
まっつんが、杏奈には夏樹がいる。

だからきっと支えてくれるから、
最後もう少しだけ頑張ろうか。

…そんな、切なくも優しい気持ちに
なれたお話が詰まった10巻でした。

11巻どうなりますかね…?
また泣かせにかかってくるかな?
一応、ハンカチ用意しときますw

ではまた次巻で!!