虹色デイズ 第5巻

著:水野美波 先生

「あ、これ…ハート型なんだね。」

わ~、夏樹おめでとう~♡w
偶然が重なって杏奈と夏樹が
乗り込んだ観覧車のゴンドラは、
例のジンクスのゴンドラだった。

それに先に気付いたのは杏奈。
そこにはジンクスについても
書いてあって、杏奈はここに
つよぽんとゆきりんが乗れれば
良かったのにね、なんて話した。

ダウンしたつよぽんと、そこに
付きそうゆきりんの姿を近くで
見ていた杏奈は、そんな2人を見て
少し憧れを持つようになったらしい。

せっかくこういう話になったんだからと
夏樹は勇気を出して少し恋愛の話をふる。

「今まで誰かとつき
合ったことありますか!?」

「好きな人は!?タイプとか…。」

いろいろ考えて答えてくれたけど、結果
恋愛的に人を好きになるという気持ちが
まだよくわからない様子の杏奈だった。

杏奈の恋、きっとまだ興味を持ち出した
くらいで恋をするのは少し先なのかも。
または、気付いてないだけで既に誰か
気になる人がいるんじゃないかとも思う。

それが夏樹だったら…いいのにね♡w

今まで杏奈はずっと自分の隣にいた。
自分といるときだけ笑顔をみせてくれた。
でも夏樹達と関わるようになってから
杏奈は変わった。まりのことを分かって
くれなくなったし、恋とか、いろんな
ことに興味をもつようになってきた。
…寂しかったんだろうな、いろいろ。

だから前みたいに、邪魔してやればいい
と思ったのに、それも出来なくて…。

まりはまっつん相手に、涙を流し
ながらそんなことを話してくれた。
まりは本気で悩んで泣いてるのに、
まっつんは嬉しくて顔がニヤけてるw

いつもは女の子に慣れてるまっつん
だけど、この言葉は別に口説く気でも
何でもなかったんだろうなと思う。
ただ、伝えたくなってしまったから。

「オレの前でこんな話して
泣くのもズルくね?マジ困るわ。」

まっつんの思いが叶う兆しはまだ
全く見えていないけれど、こんな
チャラ男なまっつんが本気で人を
好きになったんだなぁと思うと、
それだけで、ほんの少しの喜びで
温かい気持ちになれてしまうね。

まっつんからの気持ちに対しては、
気持ち悪いとどん引いたまりw
でも杏奈への思いと、最近増えた
友人たちに対する気持ちに対しては
少しずつ受け入れようとしている様子。

そこにはきっと、まっつんの言葉も
きっと影響しているんだろうね。

まりの杏奈への気持ちを知った上で
話せる相手は、たとえ女たらしで、
まりの大嫌いな男だったとしても、
まっつんはある意味支えになってる
んじゃないかな~なんて思ったり♡

だってさ、散々暴言やらツバやら
はかれて、それでもごく稀に出る
まりの弱さや可愛いところだけで
好きでいてくれるまっつんの気持ち、
実はすごいんじゃないかって思うの。

まりは別に同性愛者じゃないと思う。
何らかの原因で男嫌いになって、
性格上中々友達もできなくて、
そんな中で仲良くなってくれた、
そばにいてくれたあんなに対して
恋心が芽生えたってだけだろう。

まっつんがまりにとってのそういう
心許せる、安心できる場所になれる
可能性だってあるんじゃないかなと、
思うわけです、思いたいわけです。

なんて、これは勝手な願望ですが…
一先ず今はまりの感じる苦しみが
少しでも温かい気持ちに変化する
ことを願って…まっつん、支えて
あげてほしいなって思いました。
まりにとっては嫌かもだけどw

この後少しだけ素直になったまりは、
先に部屋に戻ろうとしたまっつんの
浴衣の袖を掴んで引き止めた。

「…私も戻って…サイコロしたい…。」

きっと袖を掴んだのは無意識だろう。
でもね、それでまっつん幸せそうに
悶てたからね、良かったとしようか。
まりはそれを見てキモイって思ってる
けどね、ああ…まっつん頑張れよぉ!!w

相変わらず希美が恵ちゃんに夢中
すぎることが原因で、まっつんから
恵ちゃんに対する風当たりはきつい。

「たぶんお兄ちゃんは心配しすぎ
なんです。私はただ…ただ恵一
さんが好きなだけなのに…。」

ぽろっと、本人の前で口走る希美。
そこまで言われてしまって、きっと
この時点でも恵ちゃんの希美に対する
恋愛感情もそういう興味もなかった
から、まっつんを怒らせないためにも
希美を少し遠ざける必要があったの
かもしれない。自分の趣味嗜好を
ほんの少しだけ話そうと思った。

年上が好きなことを話すも、全く
動じない様子の望みに対して、
ドSな雰囲気を少しだけ出した。

そこにね…怯えるでも引くでもなく、
むしろ興味が湧いてしまった希美。
…素質、あるのかもしれないな~☆

さすがにムチなんて出したら絶対
まっつんに怒られるから、そこまで
あからさまなことはしなかったけど、
希美のこの様子を見て恵ちゃんの方も
逆に興味を持ってしまったようだった。
希美の方も、引き下がるつもりはない。

「私頑張ってみてもいいですか?
恵一さんに好きになってもらえる
よう努力してもいいですか?」

少し迷った様子の恵ちゃんだったけど、

「うーん…うん、いいよ。
捕まえてみなよ。」

どうなるやらww
まっつんの心労は悪化しそうw
それでも、この2人の恋は1歩
前進してしまったように思える。

希美の今後が楽しみのような、
ほんの少し不安なような…

でも、恵ちゃんの全てを受け入れて
くれる存在になるかもしれないなら
それは物凄く嬉しいことに思える。

夏樹達が通う高校には七不思議が
ある。その一つがトイレの次郎くん。

有馬 次郎(ありま じろう)くん。
この次郎くんは、杏奈そっくりの
さおりさんという女性に会いたいと
ずっと願っていたようで、そっくりの
女性(杏奈)がいると知って会うために
夏樹の身体を乗っ取ってしまった。

なんでトイレに居るかは謎だけど、
一先ずいきなり夏樹がおかしくなり、
その原因はこの次郎くんだと知った。

いやはや…困ったことになりましたねw

次郎くんとの交渉で、さゆりさん
そっくりな杏奈と逢い引き(デート)を
したら夏樹の身体から出て成仏する
という話になる。他の方法もわからず
一先ずデートすることになった2人。
オカ研から、次郎くんの墓まで連れて
いけば成仏させられるかもという情報
を得て、そこまで辿り着く。次郎くんは
成仏出来そうだと最後にと願いを告げる。

「最後のお願い……口付けさせて。」

勝手にキスしようとする次郎くん…
を止めたのは、物凄く頑張った様子
で戻ってきた夏樹の意識だったww
わー、夏樹あなたすごいよほんと。

必死で、次郎くんの霊と戦う夏樹。
でもここで杏奈が出した応えは…

「叩くわけにもいかないし、でも
出てもらわなきゃと思ってつい……。」

ド天然、やる時はめっちゃやるw
次郎くんは無事夏樹に身体を返した。
そして、夏樹もいろんな意味で貴重な
体験をさせてもらうことが出来た♡w

夏樹の恋は進展してないのに、
いろいろすっ飛ばしておでこに
ちゅー…良かったね夏樹♡♡ww

~ひとこと~

5巻でした~!!
今回も面白かった~ww

それぞれがそれぞれに、少しずつ
進展していったり、進展とまでは
いかなくとも心の面で小さな変化を
みせていたりと、私は応援ムードですw

個人的にですが、まっつんとまり、
恵ちゃんと希美のこの先がすごく
気になっているところです。

どちらも、まだ時間がかかるのかも
しれませんが、どうなるんでしょう。
今後も彼らの青春見逃せません!!

それでは、また6巻で☆