著:河内遙 先生

ミホさんが、店長と島尾くん
の昔の写メを見せてくれて、
その中に映る店長は、とても
幸せそうな笑顔をしていた。
自分は生身で、島尾くんは
幽霊で何にも触れられない。
それでも、触れて、いろんな
ことが出来る自分には店長を
あんな笑顔にさせることが
出来るのだろうか…。
死んでしまった人って、
ずーっと心から消えない
って言いますよね。綺麗な
形でいつまでも残るって。
そんなものに勝てるのか…!?
どうだろう、わからないけど、
今、店長を笑顔にできる可能性
が少しでもあるのは葉月くん
だけなんじゃないかとも思う。
島尾くんはどう頑張っても
幽霊でしかないのだもの…。

願いはひとつ
いつも笑っていてほしい
ミホさんが見せてくれた写メ、
花やしきに行った時のだった。
その時にあんな笑顔になった。
だからこその賭けだったのかも。
自分が、あんな笑顔にして
やれたら…ほんとそれだけ。

「ごめんね。やっぱり私
まだ島尾くんのことが…」
花やしきデート。結局OK
してくれて、2人でデート。
でも、彼女にとってここは
島尾くんとの思い出の場所
でしかなかったみたいで…
終いには泣き出してしまう。
「俺とセックスできますか」
自分にできることって何だろ
って思って、ほんとそれだけ
で聞いたのかもしれないけれど…
予想以上、笑ってくれました。
これは、嬉しかったんだろうな
葉月くん。笑顔にできたって。
けど…
「無理に決まってんじゃん」
お返事でグサッとやられたw
こうして、すっごい頑張って
押しまくったデートだったけど
結果はダメダメで、じゃあ
俺に出来ることって…

考えた結果がこれだった。
酒飲んで、酔っ払って、それ
で勇気を出したんだろう。
幽霊に身体貸すって…
ほんとどうなるんだろ。
返すからって言われても…
きっと大好きな人のため
になるんだって思ったから
出来たことなんだろうな。

酒の力で意識を手放す。
そして次に目を覚ますと…
漂流?謎の場所にいた。
そこに現れたのは、
ちっさい店長…w
まるで夢の中の世界で、
ここがどんな世界なのか
全く把握できない状態。
けどハッキリしているのは
島尾くんに体を貸したから
今自分がこんなことに
なってるということ。
おやゆび姫のような店長に
王子を一緒に探して欲しいと
言われて、右も左もわからん
ままに探しまわることに…
その頃葉月くんの身体に
入った島尾くんは、久々の
生身の身体に、話しかければ
返事が返ってくることに、
六花ちゃんに触れられる
ことに…涙していた。

コンタクトだったらしい
葉月くん、先端恐怖症で
コンタクトなんて触れる
ことも出来ない島尾くん。
なんとか外してメガネを
購入、そして…なんとか
葉月くんの家に辿り着いた
けど、今度は彼の健気さに
ムカついたらしく…髪型を
自分でダサく切ったらしい。
店長には上手いねって
言われてしまったけれどw
でもそうなんだよね。
小さな八つ当たりだろう。
生きていれば、生身なら
まだいくらでも戻せる。
そんな程度の嫌がらせ。

現実にいる島尾くんは、
久々に一緒にいられる
六花ちゃんとか変わって、
葉月くんを知って、心が
動き始めてる六花ちゃんを
見て、どうしたいのかどう
したらいいのか、いろいろ
わからなくなっていた。
そんな彼に飛ばされた
謎の世界にいる葉月くん。
さっきまでおやゆび姫だった
彼女は、別のページに来たら
また別の格好に…でかいし。
彼女曰く、ここは描きかけの
絵本の中。島尾くんが描いた
絵本の中の世界だという。
~ひとこと~
島尾くんsideと、葉月くんside…
どっちもいろいろあるので
中々上手くまとめられず…
よく分からなかたらごめんなさい。
あっちでもこっちでも、少し
ずつ心境が変化してくんです。
特に、島尾くん。あとは店長の
葉月くんに対する気持ちも。
島尾くんの気持ちを想像しても、
葉月くんの気持ちを想像しても…
どちらもなんだかすごくつらい。
大好きな人を、幸せにしたい
ただそれだけの思いなのにね。