マリーミー! 第11巻【完】

著:夕希実久 先生

11巻、最初に描かれたのは翔達
高校生組、無事進路も決まって
もうすぐ卒業という頃のお話。

林=ももの友人である千咲乃(茶髪)は
みんなで卒業旅行に行こうと言った。

わくわくした様子を見せるもも、でも
奈澄菜(黒髪)は彼氏と旅行に行くから
都合がつくか微妙だなんて言ってくる。

知らぬ間に友人に彼氏がいたことに
驚き、あと置いてけぼりにされた
気分になったのか千咲乃は喚いた 笑

彼女には、この3年間‥もしかしたら
それ以前も彼氏がいなかったのかな。

そこからは、きっとネガティブの
連鎖と言うか、何に関しても悪い
方にばかり考えてしまったのかも
しれない、旅行当日千咲乃はあまり
体調がいいようには見えなかった。
そしてあからさまに機嫌も悪そう。

結果的にその旅行には女の子組は
もも、千咲乃、奈澄菜と男の子組
翔、阿部(黒髪)、小野原(茶髪)の
合計6人で行くことになったけど、
その予定はほぼ千咲乃1人で考え
しおりにしてまとめたらしい。

この日は、遊園地に来たみたい。

千咲乃自身態度に出したくなんて
なかったと思うけど、もやもやした
気持ちが態度にも出てしまっていた。

「安原(千咲乃)オレと観覧車乗ろうぜ。」

それを何とかしようと、その場から
千咲乃を連れ出したのが阿部だった。

「高校の想い出楽しかったこと話してよ。」

突然だったけど阿部からの言葉に、
これまでのももや奈澄菜とのとても
楽しかった想い出ばかり思い出す。

きっと、ももが翔を見つけてからは
この6人での幸せな思い出も多いだろう。

幸せな時間を思い浮かべながら涙する
千咲乃に、阿部は優しく微笑んで言う。

「全部じゃん。今日台無しに
したらそれ全部思い出すのしんどく
なるよ。もったいないよ。」

この後ちょっといろいろあったけど
それについてはまた後ほど ‥ 笑

観覧車を降り全力ダッシュの千咲乃を
なんとか引き止めたももと奈澄菜。

「卒業…したくない…。」

要するに卒業がさみしかったんだよ。
3人で過ごした時間一つ一つがほんと
かけがえのない大切な時間だったから
自分だけなのかなとも思ったんだね。

でも全然そんなことはなくって、そりゃ
この3人で過ごした時間以外にもももや
奈澄菜には大切に思う時間があったかも
しれない。でもだからといって3人で
過ごした時間が大切で幸せだったことは
3人共変わらないんじゃないだろうか。

いっぱい泣いて、いっぱい笑って、
ちゃんと幸せな思い出増やせたよね?

いいな、そんなふうに泣いちゃう
くらい大好きな友達がいるのって
本当に幸せなことだと思った。

いろいろあったけど楽しかった高校生活
最後の日、肌寒い中の卒業式の後のこと。

屋上でいろいろ思い返してたのかな?
そんな千咲乃のもとにやってきたのは
阿部で‥少し話して立ち去ろうとする
千咲乃に対して予想外なことを言う。

あの遊園地の観覧車の中での出来事は、
幸せな想い出に涙した千咲乃のことを
阿部が写真を撮ったってことなんだけど、
阿部自身なんで自分がそんなことをした
のかまるでわかっていない様子だった 笑

そして今も、その理由をはっきりとは
理解していないようだけど、阿部も
モテるけど自分の恋愛感情には随分
にぶそうだからね‥もしかしたらまた
ここから始まる恋もあるのかも‥??

この続きを描いてくれることはもう
ないかもしれないけど気になる 笑

もしこの先があるなら、2人とも
いいやつだからどうか幸せにして
やってほしいと願ってしまった。

つづいて描かれるのは中2になった
つばめと拓海のお話。梅村家には、
現在4歳の弟・海音(かいと)もいて、
随分と喋るようになり賑やかだ。

つばめの方は、相変わらず背は高く
女子に人気があったが、すっかり
可愛らしい女の子だなと感じた。

そんな拓海とつばめは中学に入ってから
クラスもばらばらになり、昔のように
話をすることもほとんどなくなっていた。

そんな時、つばめは拓海が後輩に告白
されている所に鉢合わせてしまった。
同じ頃つばめが告白されてるって噂を
聞いていたらしい拓海も焦っていた。

「お前…小学校の卒業式でオレが
言ったこと、忘れたのかよ…っ。」

焦って、衝動的に出てしまった言葉
だったのかもしれないけど、拓海の
中にはずっとつばめへの思いがある
ままだったってことなんだろうな。

この日は秋保家に集まるために
一緒に向かっているところだった。

そんな時に言いたくなかったのに
つい口から出てしまって、秋保家
についてもあんなふうに言われた
つばめはどんよりしてるし言った
拓海も複雑な表情のままだった。

そこに差し入れを持ってきた翔に
気づいて、拓海は翔を拉致った 笑

卒業式の時の話、告白したのに
それに対するつばめの返答が拓海
には理解できず、それから良い変化
などないまま今まで曖昧な状況で
過ごしてきてしまったってことか。

つばめは何を思ってあんな反応を
したんだろうか、拓海に対して
全くそういう好意がないわけでは
ないように感じるんだけども‥
個人的な願望でもありますけど 笑

あの日から、もしかしたらそれ以前から
つばめなりに拓海のこと考えてたのかも。

それでも付き合うってことがよく
わからない状態で告白の時は何も
言えなくなってしまってたんだね。

拓海に告白してきた後輩と拓海が
並んで歩いているのを見かけると
つばめは涙目でこう言っていた。

「今は梅村が女の子と
いるとこ見たくない…。」

友人の結衣(多分千咲乃の妹)はそんな
つばめに、そのままを拓海に伝えたら
いいってアドバイスした。きっと
拓海ならわかってくれるよって。

拓海は拓海で、まさかの後輩ちゃんの
言葉で自分がどれだけつばめを好きか
思い知らされることになり、会おうと
したのか場所を尋ねると、まさかの
自分の住むマンションにいるという 笑

会って、つばめの話を聞いた。
付き合うってのはやっぱりまだよく
わからないけど、それでも拓海が
泣く時も笑う時もそばにいたい。
そばにいられないのは嫌だって。

拓海は拓海で、小学校の頃はずっと
隣りにいたのに今はどこで何をして
いるのかわからず心配してばかり。
そんなのがすごくつらく嫌だった。

そんな会話から、つばめが出した答えは
まだやっぱり恋愛なのかまだそこに到達
していないのか曖昧な感じだったけど‥

互いに互いを思い合ってることに
違いはなかった。きっとゆっくりで
いいんじゃないかな、そばにいよう。

そこからきっと少しずつ変わってく。
だからきっと、2人はこの先もずっと
一緒にいればいいんだよ、隣にね。

花、彼女は秋保家の娘ちゃんです。
可愛らしくて成績優秀、でも多感な
子供たちの中にいたらこんなふうに
無神経なことを言われることもある。

「うちのママが言ってたんだ
けど、花ちゃんちの親って普通
の結婚じゃないってほんと?」

確かに変わった結婚ではあったろう。
そして花は陽茉梨さんから怒られた
ことがないとかで、そのことすらも
変だとクラスの子に言われていた。

そんなふうに言われて、花は考えた。

(花のおうちは普通じゃないのかな。)

そうして、普通と違うのはお母さん
だと思った花は、赤ちゃんができた
というお知らせを受けてあえて拒絶
するような態度をとった。そうして
お母さんを怒らせようとしたんだ。

でも、その結果怒るどころか泣いて
しまって‥花は焦る、すごく焦る。

本当にいらないと思ったわけじゃ
なかったんだと思う。でもそれ以上に
大好きなお母さんを泣かせてしまった
ってことを酷く後悔している様子だ。

普通ってなんだろう。
私からしたら結婚の形は普通では
なかったかもしれないけど、この
夫婦、親子は幸せな普通の家庭。

それ以外の何ものでもないと思う。
いい意味で普通以上に暖かく優しい
かもしれないけど、それの何が悪い。

花、ちゃんと謝れるといいな。

翌日、花は帽子をかぶりリュックを
背負って、ママにも内緒ででかけた。
途中で偶然会った海音を道連れにして
自由研究をするのだと子供達だけで
電車に乗り移動を始めてしまった。

「山手線一周してお花の
地図を作ろうと思って!!」

でも、自由研究をするためにこんな
無謀なことを始めたわけではない。

お母さんを泣かせてしまったこと。
赤ちゃんいらないなんて言って花は
悪い子だからきっと全部赤ちゃんに
取られちゃうと不安がってること。

海音にそんな話をしていた。
ただ謝るだけじゃだめだと思ったから、
お母さんの好きな花の写真をたくさん
撮ってその絵を描いて、ちゃんと謝る
ためにこんな行動に出たようだった。

その頃花が家から消えたことに気づき
大慌ての秋保家、そばにいたはずの
海音が少し目を離したすきに消えて、
花と海音が消えたと秋保家に慌てて
駆け込んでくる拓海(現在大学生)。

秋保の職場までもが大混乱だった 笑

花の話を聞いて早く謝るように連れて
帰ろうとする海音を振り払って、花は
一人で先へと進んでしまい、そのうち
海音ともはぐれてしまったようだ。

走り回ったせいで、帰り道の駅が
ある方向もよくわからない所に1人。

さすがに不安になった頃、背の高い
キレイな向日葵たちが目に入った。

秋保は花に、これはお母さんの花
だと教えたらしい。お日様みたいに
笑うお母さんの花、素敵な話よね。

そこで大好きなお母さんのことを
思い出し、花は大泣きをしてしまう。

そう、大好きなお母さんが普通じゃ
ないって言われたって、他と違う
所があったって大好きなお母さんに
違いないんだよ。そんなお母さんを
花は大好きでいたらそれでいいんだ。

もう大丈夫かな、謝りに帰れるかな?

花の大泣きに気づいて、ずっと花を
捜してくれていたらしい海音が発見。
途中からは翔と拓海に無事捕獲され
ちゃんと家に帰れたようだった。

「ご…ごめんなさい…。」

ちゃんと謝れたみたい、良かった。

帰り道にまだ幼い赤ちゃん猫が後を
ついて来てしまったらしく‥秋保家
には猫の家族が増えることになった。

はらはらしたけど‥よかったわー 笑
子猫も増え、そのうち弟か妹もできる。

少しずつ学んで成長してってね、花 !!
きっと素敵なお姉ちゃんになれるよ。

~ひとこと~

マリーミー!最終巻でした。
いやあ‥終わってしまいました。

この11巻のお話で初めて深く
お話が描かれた子も多いですが
その後の番外編作品なのに更に
その後がきになってしまいます 笑

それくらい、どの子達も愛着が湧く
素敵なキャラクターばかりだったん
だろうなと振り返ってしまいました。

ところで陽茉梨さんが花を怒らない理由‥
可愛くて可愛くて怒れないみたいなんだ 笑

すごく素直ないい子に育ってるし秋保は
怒る時怒るから大丈夫だと思うけど‥
こんな両親のもとで育って将来どんな
女声になっていくのか少し気になった。

でもきっと、素敵な人になると思う。

心温まるお話に出会えてよかったです。
そんなこの物語の魅力を、力不足では
ございますが少しでも読んで頂いた
方にお伝えできていたら嬉しいです。