著:夕希実久 先生

(この世界で自分はいらない存在
だとたぶん陽茉梨さんは思ってた)
そんなことないんだって教えてあげる
のが自分の役目だと思ってそばにいた。
でも自分以外にもそうしてくれる人が
いるなら、陽茉梨が好きな人の所に行ける
ようにって‥そう思ったから同級生で、
中学生の頃好きだったであろう三ツ木
のもとへ行けるチャンスを作った。
結局は自分のもとに戻ってきたけど。
それくらい、陽茉梨にとって秋保と
いるここが大切な場所なんだと思う。
秋保は、ずっと陽茉梨といたいと
思ってる。陽茉梨もそれを望んで
いてくれるんだから‥もう何も
悩むことはないんだろう。誰より
そばにいて、支えていけばいい。

中学の同窓会に参加した。
そこには、三ツ木と仲が良かった
太一も来ていて‥彼は三ツ木の野球を
ずっと応援してくれてた存在らしい。
肩を壊し野球をやめてからは全然
連絡をとっていなかったようだ。
多分申し訳なさがあったんだろう。
でも久々に再会して、野球への
後ろめたさもここ最近の悩みも
大丈夫になったのかもしれない。
そして陽茉梨は‥
陽茉梨の中学生活は特に誰と仲がいい
とかはなかったけど、彼女にとっては
みんな大好きで学校は楽しい場所だった。
久々の再会でクラスメート達は
陽茉梨をひどく可愛がっていて‥
(実際異常なくらい可愛いけど)
ほとんど会話をすることがなかった
人達とも心の距離が縮んだ気がした。
悪いうわさ話をしてる人も多かった
学生時代‥もう誰も陽茉梨をそんな
ふうに悪く言う人はいないだろう。

山田が2人の背中を押そうと、
旅行券をプレゼントしてくれた。
2人で新婚旅行に行く話を企てるも、
秋保家に来た際、同室に並べて布団を
用意された秋保は、理性を保つ自信が
ないと部屋を出てしまった。この行動は
2度目で、前回は何も反応はなかった
のに‥陽茉梨、変わったなと思う。
一晩一緒にいるのも嫌な人と旅行に
行っても楽しくないから中止したい
なんて言い出してしまった。それは
ただ、寂しかっただけなんだよね。
秋保の気持ちまではきっと把握
出来てない、ただ大好きな人と
一緒にいたいと思う素直な気持ち。
困ったねぇ‥大事にされてるんだ。
秋保なりに大事に大事にしてるだけ。
でもそれが結構逆効果だったりして
陽茉梨に寂しい思いをさせていた。
理性どうこう言ってる場合じゃない。
大変だよねきっと、全部正直に
話すのもきっとなんか違うし‥
秋保、どうするんだろうか。
一先ず今現在、秋保はこんな陽茉梨
が可愛くて可愛くて仕方ない状態 笑

突然の申し出‥ニート保護法による結婚
で、これまでずっと報告書を出してきた
んだろう。でも最近はそれを出せてない。
「まともな夫婦生活を営むためには
被験者という立場のままいる
ことに限界を感じました。」
いろいろと限界を感じた‥確かに、
まともな夫婦はわざわざ自分達の
ことを報告書に書いたりしないね。
この仕事を続けていったら、いつか
陽茉梨に嫌な思いをさせてしまう
ことだって出てくるかもしれない。
陽茉梨が大事だからこそ考えて
出した秋保なりの答えなのかな。
‥一先ずこの話は保留にされる。
職を失ったら生活だって今の
ままってわけにはいかないだろう。
辞めようとしてるなんてことは、
陽茉梨もまだ知らされていない。
ほんと‥大丈夫かなこの2人。
夫婦としてはいい方向に変化して
いってると思うけど、他の所は
ちょっと心配なことになってる。

職場では辞職の話をしてきた
その日、家に帰ると陽茉梨の
様子がおかしい‥秋保の好きな
もの、嬉しいことを一生懸命
探そうとしてくる陽茉梨だった。
「わたしのはもう見つかりました。
次は秋保さんの、秋保さんのために
なることわたしにできたらって。」
「なんでもどんなこと
でも、もっとたくさん。」
陽茉梨は秋保のおかげで、幸せに
なれたから自分も秋保を幸せに
したい‥そう思っての行動だった。
陽茉梨さんがいるだけで十分だと
答えた秋保に対し、志が低すぎる
なんて陽茉梨は怒ったけれど‥
きっと本当に、それくらい陽茉梨の
存在は大きくて大切なんだろうな。

山田からプレゼントされた旅行‥
素直に2人のペースで楽しませて
くれるわけではなかったようだ 笑
山田は、和歌と翔を誘って3人で
同じ旅館にやってきていたらしい。
秋保達のこととは別に、少し前和歌に
元旦那から着信があったんだという。
それで、少し彼女と元旦那の過去の
話が紹介されていた。その人は和歌に
尽くすとてもいい人そうだったけど、
それを返すことが出来なかった和歌は
過去にしばられ『今』旦那と離れる
ことを決めてしまったんだろう。
今秋保達の背中を押そうと3人で
動いていて、自分と旦那の問題の
時に誰かに頼っていれば‥また違う
選択肢もあったのかもしれないと
少し、後悔しているように見えた。
だからといって、もうよりを戻す
とかそういう気はなさそうだけど。
今と一生懸命向き合おうとしている
2人を、和歌は応援しようとしていた。
自分が出来なかったことを、背中を押す
ことで秋保に託しているように見えた。

旅行先での夜‥理性を保つために
お酒も我慢した秋保だったけど、
山田達の策で部屋から出られない、
逃げ道のない空間を作られてしまう。
「あのですね、このまま一緒にここ
で寝るとなると俺的にキスどころじゃ
済まなくなる可能性が高くなるんです。」
仕方がなく、ちゃんと説明して何か
打開策を考えようとしたんだと思う。
でもそんな秋保に対して陽茉梨は
「もっと頼って貰えるように、
寄りかかって貰えるよう
になりたいんです…っ。」
そう言うと、陽茉梨の方
から秋保にキスをした。
陽茉梨にはきっとまだわからない
ことや経験のないことが多い。
それでも、陽茉梨の全力で秋保
に歩み寄ろうとしているんだろう。
~ひとこと~
辞職の話に関してもまだ曖昧な
ままで、いろいろ気になる所で
終わってしまったので、ついつい
LINEマンガで続きを読む日々 笑
続きもいろいろ考えさせられる
とても温かいお話になっている
と思いますので、良かったらまた
お付き合い頂けたら嬉しいです。