マリーミー! 第3巻

著:夕希実久 先生

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秋保と翔は、11も歳が離れた兄弟。
何故か昔からずっと秋保を大好きで
どの写真を見ても目で追っていた翔。
もしかしたら、生まれた時のことで
本能的にって感じかもしれないね。

「あの時貰ったもの、
少しでも返したくて。」

秋保と陽茉梨さんの説得で、翔は
久しぶりに家族の前に顔を出した。

秋保が自分の家族のことを本当の
意味でやっと理解できて、それも
きっと全部陽茉梨さんのおかげで。

「手をとってあげたい。たぶん
たくさんたくさん見逃してきた。

今度はちゃんと振り向いて、
にぎり返してやりたい。」

やっと気付けたから、今度は翔に…
今まで向けられた視線に何も返す
ことができなかったから、その分も
これからたくさん返していけばいい。

ほんと、陽茉梨さんには
感謝しっぱなしだよほんと。

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今日は泊まっていくといいと
言われ、寝室へ行くと…秋保夫婦
の布団が同じ部屋に並んでいたw

何も分かっていないんだろう。
何の抵抗もなさそうな陽茉梨さん。
テンパっていたのは秋保の方w

– * – * – * – * – * –

どこかバラバラだった秋保家を温かい場所
に戻してくれたのは、陽茉梨さんだった。

秋保は素直に感謝の気持ちを伝えた
だけだったろう。そうしたら予想外な
応えが帰ってきてしまって・・・

「今日は少し頼って貰えた
気がして嬉しかったです。」

そう言って微笑むものだから…
秋保も大人なんだから頑張って
耐えようとしたのに我慢するのが
しんどくなってしまったらしいw

翔の部屋に逃げ込みましたww
ちょっと…笑っちゃったよww

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ずっと独りぼっちだった。
家族と呼べる存在はペットだけ。

そんな陽茉梨さんに、やっと
家族と呼べる存在が出来た。
そうだよね…ずっと泣くの我慢
していたのかもしれないな。

いち早く彼女の心境に気付いて
言葉をかける辺り…秋保もほんと
いい方に変わったんだろうな。

これからは、こんなにたくさん
家族がいる。陽茉梨さん…
ほんとにほんとに良かったね。

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秋保家に翔がやってきた。

偶然翔が弾くピアノの音を聞いて…って
感じで、翔と同じクラスの女の子が
現れた。林 百果(はやし ももか)さん。

翔の学校での様子を聞きたくて、
林さんに聞いてみた秋保だった。

いじめとかがある様子ではないが、
どこか浮いた存在だったらしい。
それで、翔も居心地悪くなって
そのうち不登校になったのかな。

でも、そんな翔をちゃんと覚えてて
こんなふうに言ってくれる子もいた。

それは、翔にとってもすごく
嬉しいことだったみたい。

翔は最初、不登校になっていつか
ニート保護法の対象者に…なんて
考えていたらしいけど、そういう
人が対象になる方ではないなって、
陽茉梨さんのことを知れたことで
考えを改めるようになった翔。

また学校に行きたいって前向きに
考えるようになってくれた様子。
そんな矢先、林さんみたいな子も
いるってわかった。…きっと簡単
ではないかもしれないし怖い。

それでも、頑張ってみてほしい。
いい方に進むことを願うよ。

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陽茉梨さんといる兄を見て、
知らない人みたいに見える
なんて話す翔。きっといい
意味での変化なんだろうけど。

翔は昔から兄に憧れていた。
なんでも器用にこなして、
いつも周りには友人がいて。

自分もそんなふうになりたい
ってずっと思っていたって。

そしてまた少し変化してきた
人間味が出てきた兄を見て、
また兄のようになりたいと言う。

いいな、こういう兄弟。
きっとこっ恥ずかしくて本人
には絶対言わないと思うけど、
弟は兄を慕い、兄は弟を守ろう
と一生懸命になっている。そんな
兄とともに兄嫁も一生懸命になる。

何度も言ってるけど、秋保は
陽茉梨さんに会えてほんとに
すごくいい方に変わったな。

そして翔も…これからきっと
どんどん素敵な人になるよ。

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陽茉梨さんが、不注意で車に
轢かれそうになりました。
偶然にも秋保も居たので、間一髪!?
秋保が少し怪我をした程度で済んだ。
陽茉梨さんは無傷で助けることが
出来たんだけど…不安だったろう。

でも陽茉梨さんは陽茉梨さんで、
翔のために慣れないスーパーまで
買い物に来ていて、やっとほしい
モノを買えて安心していた所で
気が抜けてしまったんだろうね。

秋保も陽茉梨さんも、見ていると
ほんと温かい気持ちになるよ。

人を怒ることなんて全然しない
秋保も、流石に今回は頑張って
陽茉梨さんを怒ったようだ。

とても優しい怒り方だったがw

…とまあいいお話で済ませたい
とこだったんですけどね。この後
いつもの表情で部屋を後にした
陽茉梨さんでしたが、秋保の元を
離れてからも、顔真っ赤でした。

秋保を、初めて男の人だと
意識したのかもなと思った。

秋保は大分前から女性として
行為を持って一緒にいるのに、
いろいろ頑張って我慢してるのにw

ようやく、そういう意味でも夫婦に
また1歩近づけたかなって思います。

今後が楽しみだわww

~ひとこと~

しばらくぶりの3巻でした!!
わー今回も個人的にすっごい
好きな感じのお話でしたぁ☆

家族の温かさ、兄弟の絆。
夫婦の温かさ。同じ関係でも
私はこれほどまで心温まる
関係の存在を身近には知らない。

それでも、そうなり得るなら
嬉しいななんて考えたり…。

陽茉梨さんに関わった人は、
みんな温かい存在になってく。
陽茉梨さんがどこまでも優しい
存在だからかもしれませんね。

家族の絆といった感じで、これまで
一緒に頑張ってきた秋保家ですが、
今頃になって恋心のような甘い
空気が少しばかり流れ出したり…

実は、翔と陽茉梨さんが仲がいい
ことに少々ヤキモチを焼いてる
秋保がいたりします…ほんと、
秋保も恋には慣れていないなw

いろんな方面で、今後が楽しみです!!