マリーミー! 第1巻

マリーミー!1-1

誕生日を迎え、自分の意思
とは関係なく試験実施者に
なってしまった秋保。意を
決して被験者の家に行くが、
無言で追い返されてしまう。

亡くなった祖母が、孫を心配し
勝手に登録していたようだった。

試験を断られたことを報告に
帰るが、試験を実施しなければ
昇格はない…等と言われてしまい
なんとか試験を受けてもらうべく
陽茉梨さんの元へ通う秋保。

なんとか話をさせてもらうも…

「わたしに残された家族は
この猫(桃太郎)だけです。
この子ももう15歳ですし
先は長くありません。

この子が生きてる間生活が
できればそれでいいんです。」

返事は変わらず、NOのまま。

そんな中で、近所の人の話から
彼女の過去を知ることになる。

陽茉梨さんにとって、祖父母と
過ごす時間が人生だったのかも
しれない…そんな2人がいなくなり、
生きがいってものもなく生きてる。

唯一、飼猫の桃太郎がいるうちは
一緒に生きていかなきゃって…
誰かのために必死に生きてるね。

1人で生きていたらきっと、生きる
楽しみなんて見つけられないと思う。
でも、だからと言って自分のために
生きよう、行きたいと思えないのは
ちょっと、悲しすぎるよね。

マリーミー!1-2

ある時、桃太郎が体調を
崩した。陽茉梨さんを説得
しようと家を訪れると、
桃太郎を抱えて必死に涙を
こらえる陽茉梨さんがいた。

急いで動物病院に向かう。
不安がる彼女から出た言葉。

「桃太郎がいなくなったらわたし
本当に全部なくなっちゃう。」

その言葉で、陽茉梨さんはずっと
誰かのために生きてきて…だから
自分のための行き方を知らない。
そんなことに気が付かされる。

桃太郎は消化不良を起こしただけ
で、戻ってきた時には元気だった。
涙する陽茉梨さんに思いを伝える。

「俺のことは愛さなくてもいいので
自分を愛せるようになってください。」

いろいろ、考えたろう。でも、最終的
にはその話を受けてくれた陽茉梨さん。

これが2人の始まり。
お互い恋などしていない。
試験という形の結婚だから。
…一体どんな生活になるのか。

マリーミー!1-3

ある日秋保が家に帰ると
…見知らぬ少年がいたw

梅村拓海(うめむらたくみ)
9歳…近所のマンションの子で、
どうやら家出してきたらしい。

そんな偶然から、拓海と梅村
夫婦と知り合った秋保。

陽茉梨さんも地味に怯えつつ
積極的に関わろうとする矢先。

「二人って結婚してたの?」
「家族に見えなかったから。」

拓海に突然そんなことを言われ、
なんだかんだ順調だと思っていた
生活に大きく不安を抱える秋保。

そんな不安をなんとかしたいと、
梅村家(父親)に相談をすると…

夫婦とはどうあるべきか、
どういうものか…そんな
理想形のよなものは正直
わからなかったけれど、
少なくとも植村父からしたら
夫婦だと感じてくれていた。

秋保も、きっと陽茉梨さんも
まだ不安だらけかもしれない。

それでも少しずつ、これから
一緒に生きていく中で分かり
あっていけたらいいよね。

マリーミー!1-4

家に帰ると、また拓海がいたw
そして拓海リクエストのグラタン
を作って待つ陽茉梨さんもいて…

相変わらず、彼女の料理は
とっても美味しいものだった。

陽茉梨さんのこういう所。
一人で生活していたから、
突然の同居人への気遣いは
出来ていないことも多い。

それでも、気持ち的には
一生懸命向き合っていこうと
してくれてるんだろうと感じた。

拓海の言葉に落ち込んでいた
秋保にちゃんと気付いてたんだね。
それで元気になって欲しかった。

大切な家族を失って、同時に
自分が生きていく意味すらも
失いかけた結果ニートだった
陽茉梨さんだったけれど、実は
すごく優しくて温かい人だった。

ちゃんと思いやれる夫婦だ。

マリーミー!1-5

ある日拓海に遊びに誘われて、
妙な組み合わせだが結果的に
拓海、拓海父(保護者)、陽茉梨
の3人で遊びに行くことになる。

ちょうど、すぐ連絡が取れるよう
にと秋保が買ってきたスマホを
受け取ったばかりで、そっちの
意味でも陽茉梨はテンションが
上っていたのかもしれない。

撮った写メを秋保に送ったり、
慣れないスマホを頑張って
いじる陽茉梨は、結果的に
拓海に寂しい思いをさせて
しまったようで…それで
怒った拓海が、スマホを
壊してしまったんです。

拓海とは無事和解することが
出来て解散すると、ずっと
我慢していたらしく陽茉梨さん
の方まで泣き出してしまった。

でもこんな所で秋保が思った
のは、今まで我慢していた涙。

「俺の前なら泣けるんだ……。」

なんていうことでした。
自分には心を許してくれてる。
そんなふうに感じたのかもな。

いろんな出来事を通して、
少しずつだけど、心が通う
ようになっていければいい。
こうやって、少しずつ。

マリーミー!1-6

「私吉浦和歌(よしうらわか)
と申します。3年前まで秋保
とは付き合ってました。」

移動になっていた秋保の元彼女、
和歌がまた同じ部署に戻ってきた。

そんな流れで試験で結婚した
嫁に会わせろと、半ば無理やり
家に押しかけてきた和歌。

樹の強そうな、自己中そうな、
プライド高そうな…なんだか
すごく怖いイメージがあるわ。

そんな和歌は、和歌に対して、
そんな余計なことだけ言って、
そしてまた来ますねと言葉を
残し帰っていった…鬼かこいつ。

そんな和歌の言葉に、自分は
主婦としてシャキっとしてれば
…自身を持っていれば大丈夫。

そんなふうに主婦業に精を出す。
…ややこしい女が来たものだ。

頑張れ陽茉梨さん!!
元カノなんかに負けるな!!

~ひとこと~

フルカラー、初ですね。
絵も色使いも綺麗だし、
とても読みやすい作品です。

ストーリーとしては、ニート
の中にもこんな人がいるのか…
いるかもしれない。それでも
ニートにそんなイメージは
一切なかったなと、思いました。

私の持つニートイメージとは
かなりずれた、随分と出来た
人だなぁと感じたもので。

そして、陽茉梨さんも秋保も
お互いに変わった人でした。
それも、結構いい意味でです。

まだまだ知らないことばかり。
でも2人が出会ったことできっと
お互いに成長出来る気がします。

…それ以前に、陽茉梨さんは
可愛いしすごくいい子だし、
幸せにしてあげたいって
本気で感じるんですよね。

そんな時に現れた和歌…
怖いイメージしか無いw

まだ2巻までしか出てませんが
今後のお話が楽しみです。