漫画家とヤクザ 第4巻

著:コダ 先生

あの時蝶子さんと累の担当編集
大野さんの身に何があったのか‥

実はその日、大野さんは他の作家さん
の取材で蝶子さんのお店に行っていた。

作家さんの方は早々に、アフターに
行くと立ち去ってしまったんだけど、
多分大野さんは蝶子さんのところに
残って引き続き飲んでいたのかもね。

そこから、蝶子さん泥酔して吐く
→ 服を汚してしまい近かったのを
理由に大野宅に着替えを取りに寄る
→ そこで動けなくなりベッド占領

という感じであの状況に至ったらしい。
蝶子さんストレス凄かったみたいだし、
いろいろ重なった所に聞き上手の大野
さんと飲んだら何もかも愚痴ったとか。

そんな状況説明をしてくれた大野さんは、
二日酔いで辛そうな蝶子さんに梅雑炊や
サラダ等二日酔いメニューで朝食を用意。

何から何まで助けられっぱなしの末、
きっと蝶子さんの中ではマイナスな
イメージでしかなかった自分の長身
をプラスに褒めてくれた大野さん。

すごく嬉しかったんだろうと思う。
知り合って間もないけど、こんな彼に
惹かれるのは一瞬だったかもしれない。

「一緒に生活したら幸せになれ
そうな人ができたから決めたの。」

「旦那として好きになれそうな人。」

街で偶然会った吾妻さんに、蝶子
さんはそんな結婚報告をしていた。

それに対しあっさりした態度の彼。
吾妻さん累しか興味ないものね 笑

蝶子さんとしては少し悔しい思いも
あると思うけど、それでも良かった。
蝶子さん、きっと幸せになれるよね。

ある時、吾妻さんの義弟である龍吾さん
に突然話しかけられそのまま話がある
と家まで連れて行かれてしまった累。
その場に、1度はきちんと話したこと
がある義妹の明日美さんも同席した。

家、と言っても極道のお屋敷なわけで
累はだいぶビビッてしまっていたけど、
そこでは累が知らなかった吾妻さんや
その家族について知ることになった。

知り合った経緯などを調べられていて、
借金が完済してからも関係が続いてるのは
累が好意を抱いているからだと打ち明ける。

龍吾さんの言うことはどれもド正論だ。

(今更ヤクザだからって離れろって
言われても、じゃあ「はい」って
なるかな…何か大変なことがあるなら
一緒にいてあげたちと思うけど…。)

頭でわかっててもそう簡単な話ではない。
この後明日美から連絡をもらった吾妻
さんが累を迎えに来て話は終わった。

「ヤクザのお前がカタギの女に
何も影響がないとでも思ってる
のか?その女を想うなら離れる
のが正解だと思わないのか?」

最後に龍吾さんに言われた言葉は
やはり正論で‥でも累も吾妻さんも
不安を抱えつつも離れるなんてこと
無理みたい。大好きなんだろうな‥

自分の過去やヤクザ関連の、そんな
重い話をしたら累に引かれてしまう
ことを恐れてこれまでは何も話して
こなかった。でも今回龍吾さんの口
からいろいろ聞かされ、累は驚きは
したものの引いたりはしなかった。

(拒絶されなかった。だったら今回
みたいに知らない所で俺のこと
知られる前に話しちまった方が…)

吾妻さんは少しずつ昔の話をしてくれた。
母親が子供にお金を使うことを嫌がって
毎週食パンを1袋だけ渡されていたこと。
電気を点けることも禁止され、服だって
いつも同じようなものばかり着ていた。
近所の人がうるさいからと外に出ること
さえも禁止されてしまってたようだった。

ごくたまに、様子を見に来てくれていた
今の若頭・野田さんが持ってきてくれる
お弁当以外はいつも食パン生活だった。

母親は金目的で息子を産んだだけとか。
そんなんじゃ、食パンも嫌いになるよ。
そして世間一般的な家族というものも
知らないままに生きてきたんだろうね。

結局、累はやっぱり引いたりしないで
吾妻さんの過去をまるで自分のことの
ように重く受け止めてくれたみたい。

この後、捨てられかけた食パンは
フレンチトーストになりました。
味気ない食パンを食べ続けた彼も、
美味しそうな香りにつられて食べて
みると嬉しそうにうまいと言った。

食パン嫌いでも、こうやって過去の
記憶を塗り替えていけたらいいよね。
累が一緒にいればきっと大丈夫よね。

ある日突然、これまた突然 www
龍吾さんが累の部屋までやってきた。
初対面の時名前も名乗らなかった彼は、
改めて黒田龍吾と名乗り菓子折りを渡す。

でも別にそんな謝罪をしにわざわざ来る
ほど暇人ではない本当の目的は別にある。

もじもじと落ち着かない態度をとった
後に立ち去ろうとする龍吾さん、でも
何度も立ち止まり累を見つめてくる Ww
何か話したろう‥そんな空気を読んで
累は一先ず彼を部屋の中に招き入れた。

「自分でヤクザに関わるなとは言ったんだ
が…今日は少し、話してみたくて来たんだ。
その…家のことで共通するものがあったから。」

初対面の時、吾妻さんや家の話以外にも
実は少し盛り上がった話題があったのだ。

吾妻さんという期待される兄を持つ龍吾
さん、そして累にも優秀な兄がいた。
自分は頑張っても親に喜んでもらえない、
親の期待に沿えないのに、兄は違った。

期待に沿いたいのにそれが出来ない
もどかしさと兄という存在に悩んで
いるという共通点があったらしい。

龍吾さん、こういう話ができる友人
もいないようで、わざわざ累の所まで
会いに来てしまった‥可愛らしいな ww

そんな話をしている中で、若頭候補争いに
関する話題が出てくる。吾妻さんと龍吾
さんどちらが優れているかと騒ぐ者も
周囲には多く、龍吾さん自ら揉め事を
起こす気はないけれど、周りの者達が
勝手に起こさないとは言い切れない状況。

危険だし怖いだろう。それでも、だから
と言ってじゃあ離れようとはいかない。
気持ちって、ほんと難しいものだよね。

吾妻さんの母親は酒の飲み過ぎで
亡くなったらしい。一人ぼっちに
なってしまってもまだ子供。黒田の
家で生活できるようにしてもらえた
らしいのだけど、これまではずっと
部屋の中に閉じこもる生活をして
きた彼がいきなり普通に生きられる
わけもなくいろんな常識が通じない。

それを気にする素振りも見せない
吾妻さんを見て、幼い龍吾さんや
黒田家の正妻はいい顔をしなかった。
愛人の子供を引き取っただなんて、
そう思われるのも仕方がなかった
かもしれないけど、正直吾妻さん
には何の罪もなかったんだよね。

それでも、周りのそういう空気を
敏感に感じ取ってしまう吾妻さん。

(ここはいたらだめなんだ。
でも行くとこがない。)

そう思っていた時、野田さんが組員に
迎え入れたいと頭に相談してくれて、
そこからヤクザとして生き始めたみたい。

吾妻さんのそんな話を聞いて累は、
彼に家族がどんなものか教えて
あげたいって思うようになった。

どうやって‥というところまでまだ
答えは出せていないけど、こうして
累は結婚を考えるようになるのかな?

大野さんと蝶子さんの結婚話が出た時
吾妻さんは累に結婚ってどう思う?と
聞いたことがあった。これは若頭から

「決まったいい女とかいねえ
のか?いたら他の奴に取られる
前に結婚しちまうのもアリだぞ。」

なんて言われて少し考えた結果だった。
累も吾妻さんもお互いずっと一緒にいたい
という気持ちはあるものの、結婚という
ところまでは考えが至ってなかった。

それに互いに片想いだと思っているし、
ストップをかけてる部分もあるかもね。
お互いに大好きで仕方がないのに‥
この噛み合わない部分はどうしたら
通じ合えるんだろうか。難しいな。

ある日いつものように連絡も入れず、
だったんだろう。累宅に行く吾妻さん。
部屋の中には見知らぬ男性が来ていた。

その正体は累の兄・秀司さんだった。
妹の安否を心配して来てくれたって
感じだったのかもしれない。いろいろ
話していたけど、最後に吾妻さんには
聞こえないように小声で伝えてきた。

「吾妻さんて大丈夫なのか?
なんかガラ悪そうだけど。」

「妙な人間と付き合うと家族にも迷惑かか
るんだからな。相手はちゃんと選べよ。」

自分だけの問題ならまだしも、家族
にも迷惑がなんて考えてしまったら
吾妻さんを選びたくても悩み始めて
しまうものだろう‥1人で抱えるには
辛い悩みになってきてしまったな。

累、大丈夫かな??

龍吾さんの部下とかだろうか?
龍吾さんからも部下達には揉め事を
起こすなと釘を差していたようだけど
こういう事は起こってしまうらしい。

吾妻さんがいるから大丈夫かなと
思う反面、守る対象の累がいることで
吾妻さんが怪我をしてしまう可能性も
もしかしたらあるのかもという不安。

‥めっさ続きが気になります。

~ひとこと~

こんな気になる所で終わる4巻 笑
5巻はだいぶ先になると思うので、
気になりますがまた続刊が出たら
お付き合い頂けたらと思います。

累の存在で少しずつ変わっていく
吾妻さん、見ててすごく嬉しい
気持ちになることが多いです。

でもそこには難しい問題も多い。
累がどんな選択をするかわからない
けど‥どうか離れてしまわないよう、
危険が多いとしても願ってしまう。

2人幸せになれる未来があればいいな。