これは恋のはなし 第9巻

著:チカ 先生

これは恋のはなし9-1

「俺はたぶん…好き
だよ、おまえのこと。」

「どうこうできるもんでも
ないんだけどな。それくらい
わかるだろ?おまえにも。」

なんて遥に背を向けたまま告げた真一。
これをきっかけに、遥はまた真一の
家に通う日常を送ることになった。

元の生活とこれから、変わる
のは気持ちの面だけだろう。
…好きだから、一緒にいるだけ
でも幸せなものかもしれない。

でもそう思えるのも、そんなに
長くは続かないんじゃないかな…。

これは恋のはなし9-2

「早く大人になりたいよね―…」

詩子に、真一が気持ちを伝えて
くれた話、キスされた話をした。

初めはすごく驚いた様子だった
詩子だったが、落ち着いてくる
とこんなことを言いだした。

遥の自分とは違う所。杉田が
好きになった遥…そして、遥は
もう終わったことのように思って
いるかもしれないけど、本当は
ずっと遥を思ってる杉田のこと。

そしてそんな杉田を好きなのに
決して振り向いてもらえない
自分のこと…いろいろ思うことは
あったんだろうと思うけど…でも
詩子ほんといい子になったな。

これは恋のはなし9-3

遥が詩子に話をした時、詩子
が冗談で言ったことがある。

「おじさんやっぱロリコンだったか…」

あくまで冗談だったのだけれど、
そのあとに真一の口から出た言葉を
偶然聞いてしまいショックを受けた。

「ガキのままの方がよかった。」

これはね、成長していくことで
自分の中に恋愛感情なんてものを
抱くほどまでになった遥に対する
言葉であって、ガキのままなら
こんなに心乱されることもなく
平和にいられただろうという意味。

遥は思っただろう…真一さんは
本当にロリコンだったのか~ってw

その後のことだ。偶然にも
遥が着替えをしていた所を
真一が見てしまって今に至る。

2人とも大慌てだけど、大人な
だけ真一は少しは冷静だった。
それが、好きな子の着替えを
見ても平気な真一さんっていう
方向に思えちゃったんだろうなw

もう…勘違いって怖いわ。
遥が可愛すぎて辛いわww

これは恋のはなし9-4

遥が真一から好きだと言われた
あの日…あの後2人で真一の家に
向かっていた光景を、偶然にも
杉田は見ていた。その頃から、
ずっと思っていたのかもしれない。

このままでいいのかと、もう
諦めろと遥に訴えかけたのだ。

きっと、自分はまだ遥を好きで
いるから、自分のとこに来いよ
とも言いたかったんじゃないかな?

でも、気持ちに答えてもらえる
はずもないと思っていた真一が
遥の気持ちに答えてしまった。

「好きって言って
くれたもん!私のこと。」

言っちゃったんだよね、遥。
曖昧にしたままは良くない。
でもそれ以前に嘘つくのは
嫌だったのかもしんない。

その結果、杉田は真一の元へ
怒鳴り込みに行ったのだった。

「俺…もう太刀打ち
できないじゃん―…。」

遥に気持ちを告げたことで、それでも
何も変わらずいられると思っていた。
でも、明らかに変化はあったんだ。

全てバラしてやる…そうしたいけど
遥を傷付けるのも嫌だし、この家に
来るのは楽しかったから…と杉田は
つらそうな表情でもういいと言う。

可哀想だけど…これはほんとに
どうにも出来ない思いだろう。
言っても言わなくてもきっと
苦しむ人はいたんだ…絶対。

仕方がないなんていえないけど、
それでももう後戻りはできない。
…とはいえどうしよもないよな。

これは恋のはなし9-5

「おまえはまだ学生で、たった14年
程度の世界しか知らなくてそっから
先にはまだまだ男だろうが女だろう
が関係なくいろんな出会いもあって俺
みたいなダメな大人よりももっと他に…」

後悔や不安から出た言葉だったろう。
でもそれに対して遥の心は随分と
はっきりしたものだった。

「私はずっと変わってませんよ。」

遥の思いは昔からずーっと、真一に
向けて真っ直ぐすぎるものだった。
そんな彼女を好きになってしまった
真一…思いを告げてしまったらもう
後戻りすることは出来ないだろう。

これは恋のはなし9-6

「なんで遥なの…?
私じゃダメなの?」

「私だって好きなんだ
から…あんたのこと…。」

詩子の思いを聞いて初めて、
自分が遥かにさせていた思いが
こんなものだったんだと気付く。

「俺やっぱおっさんの
家にはもう行けない。」

そう言って、それ以降本当に杉田は
真一の家に行かなくなってしまった。

これは恋のはなし9-7

あれから…早くも3年?
遥達もすっかり高校生。

杉田だけが別の学校に通い、
連絡をとることもないまま。

でもそんな時、サクラ(猫)が
体調を崩し入院していた。
なんとか手術を終え退院するも
あまり調子は良くないようだった。

それをきっかけに遥から連絡を
入れると…杉田は突然また真一の
家に訪れた…随分成長した彼が。

3年経っても何も変わらない遥と
真一の関係…そんな所にやってきた
杉田は遥にこんな誘惑をしてきた。

なんか…ほんと変わっちゃった
みたいでちょっと寂しいな。
…遥、さすがに寂しいだろうとは
思う。でも何するにもその相手は
真一じゃないと意味ないと思う。

…遥はどんな答えを出すんだろう。

~ひとこと~

どうにも出来ないとわかった上で
気持ちを告げてしまった真一。
でもそれを受け入れ、変化のない
まま一緒の生活を送り続けた遥。

でも周りには少しずつ変化があり、
苦しむ詩子や離れてしまった杉田。

高校生になってようやく再会した
杉田は随分変わってしまったように
思えて、なんだか少し怖かった。

さてね…次巻大きく話が
動くことはあるんでしょうか?

どうにも複雑な思いが拭いきれない
状態で…先が気になって仕方ないのw

では、また10巻で☆