これは恋のはなし 第5巻

著:チカ 先生

これは恋のはなし5-1

ある時、偶然真一の家から出て
来る遥を見つけた詩子の母。
彼女、PTAの会長だったかな?
世間体に煩そうな…そんな人に
見つかってしまって、ようやく
父母会に参加できた父親にその
矛先が向いてしまったらしい。

「内海さんという
男性はご存知ですか?」

真実ではないけど、事実そんな
ようなものだ、今の状況は。

この思いき入り怪しんでる、
警戒してるような目付きよ。

何か厄介なことになるかね…。

これは恋のはなし5-2

森本さんと話をしても警戒したまま
だった詩子母が、お世話になってる
挨拶に…なんて口実で真一の家まで
やってきた。森本さんと杉田の母
まで連れて…杉田の母は真一の小説の
ファンだし、そういうのもあって
来たのかなって感じだったけどもw

そこで何を言い出したかというと、
真一の家から出て来る遥を見た時、
それは4巻のラスト、額に大きな
怪我をしていた状態だった遥。

それをやったのが、真一では
ないかと疑いの目を向けてきた。

森本さんも詳しい事情を話すのは
つらいのか口をつぐんでしまった。
そんなせいで余計に疑いの目を
向けられるた真一を見た大垣。

「その母親がケガをおわせた…と
いうことも考えられますけどね。」

大垣の言葉を必死に否定しようと、
涙しながら声を出し続ける遥。

「転んだの!私が走ってて
転んじゃっただけで…だから。」

「…でも違…お母…さ…じゃ…。」

そんな涙を見ても問答無用で遥に
真実を話すようにと言い続けた大垣。

それを止めたのは真一だった。
真一は、本当に遥を大事に大事に
思っている。でもそれと同じだけ、
大垣も真一が疑われるのが
嫌だったのかもしれないな。

「こっちも大事な作家がムダ
に疑われちゃ困るんだよ…。」

やり方は歪んでるけど、仕事相手と
してなのかもしれないけど、きっと
それ以前に大事な友人として、大垣
だって真一が大事なんだろうな。

「うわべだけやさしい大人より、
内海のほうがよっぽど遥ちゃんの
こと考えてくれてるじゃないか。」

そう言ったのは、大垣だった。
言いたくはなかったようだけど、
森本さんも話す覚悟をしてくれた。

…悲惨な現実なのかもしれない。

これは恋のはなし5-3

「そこまでの覚悟がないの
なら、あの子を受け入れる
こと自体やめるべきです。」

詩子がお嬢様で第一印象が最悪
だったのもあって、その母親にも
あまりいい印象を持っていたけど、
存外しっかりした考えの持つ主で
あることがわかった。この言葉は、
今の真一には重すぎるかもしれない。

それでも、本当にそれくらいの覚悟が
出来ないようなら、きっと遥の保護者
代わりに離れないと思うんだよね。

これは恋のはなし5-4

遥の母親は教育熱心な人で、
優秀な長男を溺愛していた。
そんな息子が突然の事故で死。

しばらくは事実を受け止められず
生きているようなことを口にした。
少し立てば落ち着くと思われたが、
それはいつまで経っても治らない
どころか悪化する一方、終いには
妹の遥を長男・和真くんとして
見るようになっていってしまった。

それを違うと否定しようとすれば、
その度ヒステリーを起こし手をあげる。

そんな状況だったが父親は
相変わらず仕事の都合で家に
いる時間も中々とれず、その
結果入院を決めたのだろう。

遥が額に怪我をおった日の話。

今まで、遥は母親の感情を
逆なでするようなことを言う
ことはなかったのだという。

それでもこんなふうに言ったのは、
遥自身限界を感じていたのかな。

その結果、事故だけど自分は
怪我をした。遥は、自分が
言ったせいだと悔やんだという。

遥の身に起きた出来事を、サトミ
から聞いた真一は一人考えていた。

(自分の親の見たくない姿を
見続けるのは、大切と思って
いるのに嫌悪を感じるんだ…)

(どうにかしたくても子どもの自分には
どうすることもできなくて苛立って)

(これは自分のせいなんじゃないかと…
自分がいい子じゃないから自分の存在が
この状態を作ってるんじゃないだろうか…)

(自分さえいなければ、こんなことには
なっていなかったんじゃないのか…とも)

幼いころの真一が感じていたような
不安、ずっと頭の中にあった思い。
もしかしたら遥も同じように感じて
いるのかもしれないなんてこぼす。

これは恋のはなし5-5

「俺は保護者…遥の
親代わりだ。そう決めた。」

ある日突然そんなことを告げた
真一。戸惑ってしまう遥だった。

でも真一は言葉通りに遥の父親
のごとく、PTA会議等にも参加し
中学受験に関しても協力的だった。

覚悟をして、ただひたすら父の
変わりのように遥に接していた。

遥としては、寂しかったろうな。
遠回しに、自分の気持ちを拒絶
されてるようにすら感じるのは
私の勝手な思いなのだけれど。

そんな、一見大きな変化では
なくとも心の面で大きすぎる
変化を起こした真一は…大垣に
プロット全ボツを食らっていたw

小説家としての真一はもう、
今の状況ではつまらない話
しか書けないかもしれないな…

これは恋のはなし5-6

プロットの確認に真一の家に行って
いた帰りだろうか。偶然街で見つけた
遥に話しかける。随分元気がなさそう
な彼女に、話を聞くと真一のこと。

学校の先生と会ってくれたり、森本さん
とも定期的に連絡をとってくれたり…

そんな彼に対してイライラしてしまう。
まるでキライだとでも感じるように。

そんな遥に助言をした大垣だった。
確かに、父親代理としてきっと
すごく感謝してると思うんだよ。
それでも、異性として大好きな人
だからこそ納得いかないんだろう。

遥は大垣の助言…というか、いつもの
きっかけの言葉にも聞こえるんだけど、
それを通してどう行動するだろうね。

これは恋のはなし5-7

中学受験の話を遥かにするため
部屋に呼んだ真一。淡々と受験
の事を考えて遥の考えを確認
したり…本当に父親的対応をする
真一に、ついに遥が声を上げた。

そうやって逃げてしまっては
きっと遥の真意は伝わらない。
でも、彼女のこの行動は今後
どんなふうに影響してくる?

~ひとこと~

家族のお話としてはまあ悪く
ない状態になりつつあった。

でも、きっと順調だなんて
感じていたのは真一ただ1人
だったのかもしれないな。

彼らの進む道がまだ見えませんw

番外編として「これも恋のはなし」
が描かれています。サトミが今
の彼女(?)になったきっかけと、
一人で抱えてた恋心の話‥かな。
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