著:チカ 先生

絵美子は真一のいとこらしい。
昔一家心中で独りだけ生き残って
しまったことで随分落ち込んだ。
親戚連中は誰も引き取りたがらない。
そんな時に、5つ年上の絵美子が
ウチにおいでと言ってくれた。
引き取られた後も、本当に家族と
して大事にしてくれた。真一の
中で唯一家族と呼べる人間だった。
でも、大人になって彼女は悪い
男につかまってしまったらしい。
ある時から、お金が必要だと
真一に助けを乞うようになった。
今はその人、旦那さんなのかな?
でももう別れるとずっと前から
言っているらしかった。それでも
このやり取りはもう何度か繰り
返されていることのようだった。
別れるためなのかなんなのか。
必要だという金を渡して、本当に
これで最後だと絵美子に伝えた。
身近に家族を感じて、いつの
間にか騒がしくなった自分の
家を思って、家族ってものが
ほんの少し恋しくなったのかな?

絵美子と別れ、酒を飲んで
から家に帰ると、もう随分と
遅い時間のはずなのに家には
遥がいた。勉強してたのかな?
途中で寝てしまったようだった。
そんな、家に遥が…誰かがなのかな。
いた光景に酷く安心してしまう真一。
それも涙が出てきてしまうほどに。
真一も過去にはいろいろあったし、
今だっていろいろ抱えている不安
みたいなものはきっとあると思う。
そういう弱いとこに気付いて、
必死に守ろうとしてくれる10歳
の少女の存在は、真一には随分
大きなものに思えたのかもしれない。

ある時遥に対し話があると呼び
出した杉田。それは告白だった。
真一を好きだと知ってても、その
気持ちがいつか変わるかもしれない。
告白もしなければ、きっと男として
意識してくれることすらないだろう。
そういう意味での告白だったろう。
でもそれから、遥は杉田を避ける
ようになってしまう。真一の家
にも多分杉田をおいて1人で来て
いたんだろうな…一人でどうにも
できなくなった杉田は、早朝から
真一の家に相談をしに来たらしい。
残酷だけど、ハッキリ断っちゃって
もう前みたいに友達でいられない
のすごく寂しいことだと思うんだ。
どうにもできず真一に相談を
持ちかけた杉田はこう言っていた。
「おっさんは俺の味方だよな?」
…どうなるんだろうね一体。

夏休みの自由研究のために父親と
科学館に行くことを予定していた
遥だが、休みが終わるギリギリまで
帰ってこれなくなったらしい。
それで真一が代わりに連れて行く
ことになったんだけど…デートよね?w
少なくとも遥はそのつもりだろうw
そして更に大垣がデートデートと
茶化す。その上杉田の言葉もある。
変なところで後ろめたくなってるw
大人は大人で大変ですね~ww

転びそうなのを止めるために
抱き上げたら、ずいぶん軽い。
子供なんだ…今更ながらそんな
ことを改めて認識したらしい。
子供扱いされたらもしかしたら
遥は嫌がるのかもとも思うけど、
今まできっとちゃんと子供扱い
されてこなかったんじゃないかな。
だからこんな大人びたしっかり
した感じになってるわけで。
甘えるのもわがままを言うのも、
きっと我慢してきたんだろう。

もう終わったこととは言え、
以前盛大にイジメをしていた
詩子が杉田の告白の話をもし
知ったらどうなるんだろう…。
そんな不安を抱えていたサトミ。
でも、自体は予想とは違う方へ
向かっていたようで…知らぬ間に
大垣狙いになってましたとさw
まじか、結果的にはまあ今は
良かったのかもしれないが、
…頑張れ大垣、ほんと…www

明後日父親と一緒に母親の見舞い
に行く約束だと話した遥。でも
以前、母親の見舞いにも自分が
連れてってやるなんて真一が
言った時遥は拒絶を見せた。
その原因ってところだろうか。
遥のみに何があったのか、次巻!
~ひとこと~
唯一家族だと思えた絵美子の存在を
失ってしまった真一。でも、これは
お互いのためだから仕方なかったろう。
そんな時に遥がいて、ホッとして
しまうくらいに、家族としてって
のに近い物かもしれない。真一に
とって遥は大事な存在になって
きているんだろうなと感じた。
次巻は遥の母親が出てきそう。
精神的に不安定な状態らしいが、
一体どんな人だと言うんだろう。