これは恋のはなし 第1巻

これは恋のはなし1-1

遥が庭で猫を飼うようになって、
それを知った大垣は、何か妙な
こと企んでいるように見えた。

何もなければいいけどもw

猫を飼わせて欲しいと告げ、
助けを乞う遥かの視線から、
真一は目を離せなかった。

その時に覚えた不思議な感覚。
その正体が一体何なのか。

これは恋のはなし1-2

遥はずっと無表情のようで
笑顔すら見たことがなかった。

「おまえ…猫飼ってて楽しいのか?」

そんな真一の問いかけにキョトンした
表情ではいと答えた遥だったけど‥。

楽しい…という感情すら抱いた
ことがないのかもしれないって程。

父親は仕事でほとんど海外にいる。
母親は入院が多くてほぼ家にいない。
家に帰ってきても兄のことばかり。

ずっと、独りなんだって、遥。
そんな彼女は、今までほんと
どうやって生きてきたんだろう。

これは恋のはなし1-3

「恋愛モノなんかどーだ?」

「いいモデルがいるじゃないか。」

突然そんな提案をしてきた大垣。
今はまだ幼いけれど、中学高校…
もっと大人になった姿をイメージ
して…なんて話す大垣の言葉に、
無理だろうと思っていた真一。

でも彼の目には事実そんな成長
した遥のイメージが鮮明に沸いた。

遥をモデルにするということ自体
馬鹿げている…なんて思いつつも、
浮かんでしまったイメージはその
まま小説となって書かれてしまう。

執筆に集中していたせいで、
部屋はいろいろ荒れ放題。

食事もまともにとっていなかった
真一を心配してか、おにぎりを
作って台所に置いておいた遥。

この言葉は、素直になれない
真一の精一杯のありがとう
だったのかもしれないね。

そんな言葉で、今まで全く笑顔に
ならなかった遥が少し、ほんの
少しだけど微笑んだようだった。

これは恋のはなし1-4

サトミが家にやってくる。
定期的に家の掃除やらをしに
来てくれていたらしいのだ。

でも来てみたら見知らぬ女の子。
部屋はおもしろいくらい綺麗だ。
そんな原因の遥と話してみた
サトミは、そのままある助言
をしたようだった…その結果、
遥がこんなことをいい出したw

もうね、真一びっくりよ。
これは本当に恋なのか、それ
とも独りじゃなくなる空間を
提供してくれた彼への感謝や
執着に似たものなのか…。

小学生の心は正直分からない。
でも…どうなるんだろうかねw

これは恋のはなし1-5

杉田…遥のことが好きなんだろう。
そんな彼が遥が頻繁に真一の家に
出入りしていることを知り勝手に
自分まで入り浸るようになった。

そして真一に対して何かと文句を
言ってくる…真一でなくて、これは
遥自身を何とかしないとだと思うが…
まあ、子供だってことだろうね。

でも、それがあんまりひどくて
真一もいい加減嫌気が差したのか、
遥を追い出そうとする真一だった。

「おまえもうここには来んな。」
「おまえがいると、迷惑なんだよ。」

それに従い、本当に出ていって
その後も家に来ることのなくなった
遥。でもそれは真一のスランプを
更に悪化させることになったようだ。
原稿を落としてしまうほどにまで。

遥が来る前…には戻ってないな。
猫置いてったもんなw盛大に
にゃーにゃー言ってるわよw

もとに戻るというのは、喜びを
知らない状況だから出来ること。
嬉しいなんて少しでも感じて
しまったら、きっと元通りには
戻ることは出来ないだろうな。

これは恋のはなし1-6

スランプは続く。食料も尽きる。
買い物がてら散歩に出かけた真一。
本当にそれだけのつもりだったけど、
気がついたら遥かの家の前にいた。

ほんと偶然以外の何物でも
なかったんだろうけども。

でもそこにタイミング悪くいた
杉田がややこしいことを言い出し
騒ぎ立てようとするものだから、
それに気付いた遥が止めに入り、
無理矢理学校の先生だと言って
真一を家に上げたのだった。

大きすぎる家に遥はずっと独り。
家政婦さんは来てくれるものの、
それだって時間限定のものだろう。

あの日以来ずっと学校に行って
いないらしい遥を心配していたが
体調は元気であると確認できると
その場を立ち去ろうとする真一。

でも、こんな言葉を言い残した。
すっごい遠回し、素直じゃないw
でも、また来いよって言ってる。
ワガママな大人だな~ほんとw

でもそんな彼の言葉が遥には
嬉しくてたまらなかったらしい。
今まで見たことのない満面の
笑み。そのまま家に帰る真一の
後ろをついていく遥は、とても
楽しそうな笑顔をしていた。

~ひとこと~

まだ、恋と呼ぶには程遠い。
それでも、10歳が31歳に恋をした
このお話。長い時間をかけて少し
ずつ変化していく2人を見ている
のはとても応援したくなる気持ち
でいっぱいでした。この話には
暗いお話もたくさん出てきます。

それでも、最後まで読んで
頂けたら良かったなって思える
のではないかと思ってます。

良かったらお付き合いください!