君に届け 第29巻

著:椎名軽穂 先生

あやねの受験、結構厳しい所
だったけれど、無事合格した。
合格の報告にと学校に、ピン
の元へ向かうあやねだったが…

途中でばったり会った千草から
初詣でのときの写真を貰った。
ごっそり、口止め料として
お菓子を渡すことを忘れないw

報告をする前にそれを見ていた。
あと何回顔見れるんだろ…なんて
考えだしたら、止まらない涙。

今会ったらきっと泣いてしまう。
気持ちが漏れて、バレてしまう。
そう思ったら、ピンの元へ行く
ことが出来なくなってしまった。

終わりが近づくって…きっと
そういうことなんだろうな。

ピンの元へ辿り着くことが
出来ずに帰路についたあやね。
そこで偶然会ったのはケント。

あやねの背中を押してくれた
のは、またもやケントだった。

ピンのもとへまだ合格報告すら
しに行けてないことを話すと…

「だめだよ!待ってるよ!!
早く行かなきゃ!」

ケントの言葉に勇気をもらった。
爽子やちづに活を入れてもらった。
そうしてようやく学校に着いた時
にはもうピンは帰ってしまってた
けどあやねはもう諦めなかった。

合格発表をしに行くのかそれとも
告白をしにいくのか‥あやねは
直接ピンのアパートを訪ねていった。

「最初にフラれるなら、
ピンがいいわ。」

あやね、頑張れ!!

ピンは、いつまでも報告に来ない
あやねは受験に落ちてしまったん
だろうと考えてしまっていたピン。

だから、報告に来るのがこんなに
遅くなったんだろうと、勝手に
慰めの言葉をかけようとするが…

その言葉は、告白をしに来たあやね
には遠回しにふろうとしているんだ
と感じてしまい、泣いてしまったりも
したけれど…なんとかその誤解は解け…

「第一志望、合格しました。」

そして、何度も買うことを悩んで
怖いと思いつつもすごい勇気を出して
買ってきたバレンタインチョコレート。
渡すことにもすごく勇気がいったけど
爽子達の言葉を支えに、チョコを渡した。

そして…

「………あたしは、ピンがすき!!」

気持ちを求めるでもなく、チョコも
本命を受け取らないならそれでも
仕方ないけど、ただ伝えたかった。
渡したかった、ちゃんと本気の想いを
知ってほしかった…頑張ったねあやね。

あやねの真剣な想いを聞いて、
ピンはそのチョコを口に運んだ。
もらってくれた、食べてくれた。
そして、見事にフラレてしまった。

きっと悲しい気持ちもあったろう。
でも、ピンが自分の気持ちをちゃんと
受け止めて答えをくれたという事実、
あやねはすごく嬉しかったろうと思う。

初恋…フラレてしまったけど…あやね。
良かったね、本当に心から大好きな
人ができて、ちゃんと思い伝えれて。
ほんと、良く頑張ったね…お疲れ様。

告白が済んで、話も済んで…あやねが
部屋を去ろうとするとピンが呼び止めた。
忘れ物、と。それは袋に入った消しゴム。

初詣の時に言ったあやねのわがままw
合格したら消しゴム1コって話ね。
ピン、ちゃんと用意してくれてた。

「俺は-お前のことを信頼してる!
心配すんな!お前は大丈夫だ!!」

ピンはやっぱりピンだなぁ…ほんと
人として結構馬鹿なんだけどさw
先生として、ほんとすごく素敵な
先生だなって心から思うんだよ。

あやねはきっとこの言葉にこれから
先支えられて行きてくんだろうな。
フラれちゃったけど…好きになれて
良かった、こんなに素敵な人を。
ゆっくりでいい、前に進める。
ピンが後悔するくらいの、とびきり
いい女になってみろ、あやね!!

まだ不安の大きい未来。
爽子と風早は無事受験を終え
合格発表を待つのみだった。

高校生活も残り数日…ほんの
数日で卒業式、旅立ちの時。
つらいこともあった‥それでも
それに負けないくらい楽しい
ことや幸せな時間で溢れている
この学校を…あと少しで巣立つ。

きっと、大丈夫だよ。
今までの大切な思い出を胸に
前に進んでいけばいいんだよ。
頑張れ…もうすぐ、卒業だ。

くるみ…最初はいい印象の子では
なかった気がしている。それでも
爽子と出会って関わってくうちに
変わっていったんだろうなと思う。

いいことも悪いこともたくさん
あって、いつしかライバルに。
そして…今は親友だってさ。

くるみ、ツンデレてるけどほんと
いい子になったよなって思うんだ。
元から実はいい子だったのかな…?w
高校生活、恋だって勿論青春だけど、
こうやって芽生えた友情は一生モン。

あやねやちづだって、爽子のこと
親友だって思ってるんでないかな?

これからも、距離の離れてしまう
子だっているけど、芽生えた友情、
大切にしたい仲間を大事にしながら
行きていけたらいいなって思った。

ちなみに、この不思議なぬいぐるみ?
顔ぐるみ?は貞子が忙しい合間を縫って
クラス全員に作っていたものだった。
絵心ないのは知ってたけど…縫ってもw
爽子なりには上出来らしい…センスww

ほんと、爽子いい意味で変わったな。
3年間頑張って楽しんで、お疲れ様。

卒業、おめでとうございます。

あやねとケントはほんと…いろいろ
あったな。でも最初から最後まで、
ほんとこの2人大好きだな。これから
それぞれがそれぞれの道を進んでく。

思い返せば切ない思いも強いけど、
これから彼らがどんなふうに成長
していくのか見届けたくなる2人。

そして想像出来てたけど、やっぱり
大泣きなちづ…ちづもね、ほんと
すごくいい子なんだよね。卒業
したら遠くなっちゃう人いっぱい
いるし、龍もいつでも会える距離
ではなくなってしまうんだろう。

それでも、頑張ってくんだよ。
寂しくなることも辛くなることも
きっと出てくるかもしれない。
でも高校での思い出たくさん抱えて
卒業して、これから頑張るんだよ!!

龍が…初期からは想像出来なかった
イケメンでたまに動揺を隠せない←
最初から面白いやつではあった。
でも龍にはちづにしか見せない
一面があるからな…ほんとずるいw

~ひとこと~

爽子、風早、ちづ、龍、あやね、
ケント、くるみ…他にも大勢w
北幌高校の3年生は無事卒業式を
終えてここを旅立つことになった。

これから先の人生、まだまだ不安も
大きいだろうけど、それ以上にきっと
大きな期待もあるんじゃないだろうか。

道に迷ったり、時に間違えたり
してもいい。一歩一歩前へ進め。

…そういえば、爽子達の合格発表
まだでしたね…これから先のお話は
ついに最終章に突入するらしい。
どんなラストになるのか…終わりに
近づき寂しい気持ちもありますが、
最後の最後まで、彼らを見守って
行けたらなと思います。それでは
また、次巻でお会いしましょう☆