著:椎名軽穂 先生

千鶴の誕生日。
龍は最近野球をすごい
頑張ってて、会うことも
大分減ってしまっていた。
そんな時に、おめでとう
だけ言いに来てくれた龍。
そんな龍に対して、今まで
ならずっと応援してきた。
けど、頑張って勝ったら、
龍は大学へ行ってしまう。
遠くに行ってしまうって
思ったら耐えられなかった
んだろうなって、だから
言えなかったんだよね。
「行くなよ」って、応援する
ことなんて出来なかった。

「すきなのか?
俺のこと、すきなのか?」
「……すきだよバカ!!」
行くなよ、応援できないって
めちゃくちゃ言ってしまった
後ハッとして取り繕うように
「うそだよ…行けよ!」なんて
行ったけどポロポロと流れ
続けた涙は止まらなかった。
付き合うとか付き合わないとか
そういう言葉はないけれど、
付き合うんだろうな、この2人。
けど、ちづは龍への思いに、
背中を押すことすら出来ない
自分を最悪だって感じてる。
大好きだから、大事だから、
絆が強すぎるから、余計に
寂しく感じてしまうのかもな。
嬉しいことのようで、悲しい。

D教育大に行くくるみ。
大学に関してはまだ悩んで
いるけど、教師になりたくて
一生懸命勉強する爽子。
ケントと同じ大学の推薦が
通りそうって状態で、曖昧な
思いで塾に通い続けるあやね。
自信がないから、無難な所で
止まってしまっているあやね。
くるみのこの言葉は、あやねに
どんな感情を芽生えさせたろう。
あやね、頑張ってみてほしい。
だって、やりたいことあるの
に自信の無さから諦めてる
ようにしか見えないから。

東京のJ大。あやねの
頭にずっとあった大学。
やりたいことに近い大学。
ケントと付き合うずっと前
から頭にあったんだって。
ケントには、言わなきゃって
かなり勇気を振り絞って言った
けど、結果ケントに傷ついた顔
をさせてしまうことになった。
それで、言ってみただけなの、
札幌でいいのと取り繕ったけど、
あやねの中でほんとにやりたい
ことは決まってたんだろうな。

ケントにあやねのことを相談された。
それに対して風早はこう答えた。
「『行くなよ!』…って言いた
かったら言えばいい。それで
決めんのは結局矢野だよ。でも
言わないって決めたら言うな。」
この言葉は、自分に向けての
言葉でもあったのかもしれない。
爽子がどんな選択をしようと、
自分は応援してやるんだって
ずっと決めてたのかもしれない。
風早は、ほんとに強いな。
ほんとにほんとに大事なんだな。

爽子も風早も、お互いに
大学進学のために勉強。
爽子は塾にも通ってるし
風早は家のこともあるし、
お互い会える時間はかなり
減ってしまっていて、それ
でもそういう時間がほしい
とお互いの願いから、まだ
誰も登校していない早い
時間に学校で会おうって
そんな約束をした2人。
とてもとても、大切な時間
になったけれど、明らかに
無理をさせてしまってるな
と感じる状態で…
本当にこんなんでいいのか
って悩みだしちゃうのかな。
お互いがお互いを思うから
こそ、心配するからこそ
すれ違うことも出てくる
かもしれないな、この先。
~ひとこと~
みんなそれぞれ、違う
ことを考えて悩んでる。
頑張ってる。これから
どうなるんでしょうね。
不安が大きいよ。
恋と自分の将来。
難しいところだよね。
恋愛を優先して後悔
してる私には何も言えんw