君に届け 第21巻

著:椎名軽穂 先生

君に届け21-1

ケントの一緒に札幌大学への
進学を考えていたあやねだけど、
あの面談から、いろいろ悩み
出していたようだった…というか
本当はずっと行きたい所が…!?

すごく楽しみにしているケントに
別の大学の話をするのなんて、
きっとすごく勇気がいっただろう。
でも言おうって頑張ったけど、
言えなかったんだよね、この時。

「…あたしが女子大
行ったらどーするの?」

「ケン子になっちゃう♡」

真剣に考えてることも、
真剣に聞く勇気がない。

そしたらケントもこんな
冗談でしか返してくれない。
いや…半分以上本気っぽい
からまた困るんだけどw

ケントは気持ちをすごく
楽にしてくれるのは確か。

でも、優しすぎて、大事に
されすぎてあやねの考えを
主張することにかなりの
勇気が必要になってるよね。

また爽子の時みたいに、勘違い
して分かったつもりで突っ走る。
そんなケントの困った癖が今
出てきちゃってる気がして不安。

君に届け21-2

ホワイトデーだからと風早は
夜景の綺麗に見える場所に
爽子を連れて行ってくれた。

そこで明かされた風早の将来。
一緒の大学、これから先も
こーやってずっと一緒に
いられたらいいとほんと思う。

1つ引っかかることがあるけど、
それはまた少し先のお話です。

ちゃんとそれぞれの望む未来
のために頑張っていけたらいい。
誰かを理由にしないで、自分の
やりたいことのために真っ直ぐ。

君に届け21-3

それぞれの進路が定まりだす。

ずっと一緒にいたいと願っても
それぞれの未来がずっと同じ場所
なんてことはそうないものだし
友達、恋人としてずっと一緒に
いたって大学、就職、別々の
居場所が出来ていくものだろう。

爽子が地元にこだわるのは、
離れたくないっていう気持ちが
すごく強いことから来る甘えも
やっぱあるんだろうなと思う。

それも1つの選択だけどね。
爽子が本当にそれでいいなら
それでいいんだと思う。本人
が決めることなんだからさ。

けどもし何か悩むことがある
なら、自分のやりたいことから
何かを理由に逃げたりだけは
しないで頑張ってほしいと思う。

君に届け21-4

『D教育大』ここは以前爽子が
大学を調べていた時に見つけた
教育大だった。札幌だと地元を
出なきゃいけなくなるからって
理由でなしにしていたのかもね。

「真剣に教職考えてるならな、それ
も視野に入れてよく考えてみろ。」

ここから、今度は大学を
考え直し始める爽子。

その頃風早は風早で…
ピンとこんな話をしてた。

「黒沼って成績いーよね。
黒沼なら他に行けるとこ
いろいろあるよね。」

風早は、すごいなと思った。
爽子ですら切り捨てようと
してた可能性を、ちゃんと
見ていたんだよね。最終的に
決めるのは爽子本人だけど、
風早はちゃんと爽子の本当に
やりたいことをさせてあげ
たいと思ってるんだろう。

いっぱい悩むだろう。
不安だって多いだろうし、
離れたら寂しくもなる。

それでも将来本当にやりたい
ことがあるなら、最善の選択
を出来たらいい、そう思う。

君に届け21-5

これは、爽子が他の大学を
悩んでるかもって何となく
気付いてるのかもしれないね。

風早って、強いよね。
強くありたいって思うから
つらくても頑張れるのかな。

爽子は自分では「悩んでない」
って言い聞かせようとしてる
ように見えるけど、風早と
離れたくないってことから
D教育大はなしって、ずっと
そんな感じなように見える。

爽子、どーすんのかな?
風早の精一杯の思いと言葉。
ちゃんと爽子が受け止めて
ほんとに行きたい所を自分の
意志で決めてくれたらいい。

君に届け21-6

背伸びしてきたんだろう
けど、よく見てみろよ

背伸びしなくても もう
ちゃんと届くところあるだろ?

成長が早いのが子供なんだから――

あやねのこの性格を変えるの
はピンなのかもしれないね。

そうなんよね、まだ無茶出来る。
高校生なんだから、無茶な
ことにだって挑戦できるんだ。

あやねはきっとやりたい
ことを定めればきっとすごい
頑張れる子だと思うんだよ。

そして、そうやって頑張る
ことで、今はない自信を
つけることが出来ると思う。

やってもみないで逃げて
安全な方へ安全な方へ。
それが悪いとは言わないけど、
あやねには勿体無いとは思う。

…どんな選択をするだろう。

~ひとこと~

それぞれがそれぞれに、
進路について悩む時期。
一緒にいたい人、自分に
出来るかわからない難易度。
恋人か夢か…抱える思いは
人それぞれだけれど、自分の
未来を決めるのは最後は自分。

まだ無茶できる年なんだ。
無茶して頑張ってみて欲しい。