著:椎名軽穂 先生

ケントの一緒に札幌大学への
進学を考えていたあやねだけど、
あの面談から、いろいろ悩み
出していたようだった…というか
本当はずっと行きたい所が…!?
すごく楽しみにしているケントに
別の大学の話をするのなんて、
きっとすごく勇気がいっただろう。
でも言おうって頑張ったけど、
言えなかったんだよね、この時。
「…あたしが女子大
行ったらどーするの?」
「ケン子になっちゃう♡」
真剣に考えてることも、
真剣に聞く勇気がない。
そしたらケントもこんな
冗談でしか返してくれない。
いや…半分以上本気っぽい
からまた困るんだけどw
ケントは気持ちをすごく
楽にしてくれるのは確か。
でも、優しすぎて、大事に
されすぎてあやねの考えを
主張することにかなりの
勇気が必要になってるよね。
また爽子の時みたいに、勘違い
して分かったつもりで突っ走る。
そんなケントの困った癖が今
出てきちゃってる気がして不安。

ホワイトデーだからと風早は
夜景の綺麗に見える場所に
爽子を連れて行ってくれた。
そこで明かされた風早の将来。
一緒の大学、これから先も
こーやってずっと一緒に
いられたらいいとほんと思う。
1つ引っかかることがあるけど、
それはまた少し先のお話です。
ちゃんとそれぞれの望む未来
のために頑張っていけたらいい。
誰かを理由にしないで、自分の
やりたいことのために真っ直ぐ。

それぞれの進路が定まりだす。
ずっと一緒にいたいと願っても
それぞれの未来がずっと同じ場所
なんてことはそうないものだし
友達、恋人としてずっと一緒に
いたって大学、就職、別々の
居場所が出来ていくものだろう。
爽子が地元にこだわるのは、
離れたくないっていう気持ちが
すごく強いことから来る甘えも
やっぱあるんだろうなと思う。
それも1つの選択だけどね。
爽子が本当にそれでいいなら
それでいいんだと思う。本人
が決めることなんだからさ。
けどもし何か悩むことがある
なら、自分のやりたいことから
何かを理由に逃げたりだけは
しないで頑張ってほしいと思う。

『D教育大』ここは以前爽子が
大学を調べていた時に見つけた
教育大だった。札幌だと地元を
出なきゃいけなくなるからって
理由でなしにしていたのかもね。
「真剣に教職考えてるならな、それ
も視野に入れてよく考えてみろ。」
ここから、今度は大学を
考え直し始める爽子。
その頃風早は風早で…
ピンとこんな話をしてた。
「黒沼って成績いーよね。
黒沼なら他に行けるとこ
いろいろあるよね。」
風早は、すごいなと思った。
爽子ですら切り捨てようと
してた可能性を、ちゃんと
見ていたんだよね。最終的に
決めるのは爽子本人だけど、
風早はちゃんと爽子の本当に
やりたいことをさせてあげ
たいと思ってるんだろう。
いっぱい悩むだろう。
不安だって多いだろうし、
離れたら寂しくもなる。
それでも将来本当にやりたい
ことがあるなら、最善の選択
を出来たらいい、そう思う。

これは、爽子が他の大学を
悩んでるかもって何となく
気付いてるのかもしれないね。
風早って、強いよね。
強くありたいって思うから
つらくても頑張れるのかな。
爽子は自分では「悩んでない」
って言い聞かせようとしてる
ように見えるけど、風早と
離れたくないってことから
D教育大はなしって、ずっと
そんな感じなように見える。
爽子、どーすんのかな?
風早の精一杯の思いと言葉。
ちゃんと爽子が受け止めて
ほんとに行きたい所を自分の
意志で決めてくれたらいい。

背伸びしてきたんだろう
けど、よく見てみろよ
背伸びしなくても もう
ちゃんと届くところあるだろ?
成長が早いのが子供なんだから――
あやねのこの性格を変えるの
はピンなのかもしれないね。
そうなんよね、まだ無茶出来る。
高校生なんだから、無茶な
ことにだって挑戦できるんだ。
あやねはきっとやりたい
ことを定めればきっとすごい
頑張れる子だと思うんだよ。
そして、そうやって頑張る
ことで、今はない自信を
つけることが出来ると思う。
やってもみないで逃げて
安全な方へ安全な方へ。
それが悪いとは言わないけど、
あやねには勿体無いとは思う。
…どんな選択をするだろう。
~ひとこと~
それぞれがそれぞれに、
進路について悩む時期。
一緒にいたい人、自分に
出来るかわからない難易度。
恋人か夢か…抱える思いは
人それぞれだけれど、自分の
未来を決めるのは最後は自分。
まだ無茶できる年なんだ。
無茶して頑張ってみて欲しい。