著:椎名軽穂 先生

ケントに甘えたら自分には
楽で都合がいいかもしれない。
ケントの優しさに、あたしの
こと好きなのかな!?って感じる
たびにケントは優しいから、いい奴
だからダメだと制御しようとする。
そうやって抑えようとしてるのに
お構い無しなケントのこの態度。
まぁ、ケントはその気だものね。
本気な子相手にそんなこと
出来ないってこったろうな。
いっつもチャラチャラしてる
のがあやねに対してだけ
こうなんだもんね、ほんと
分かり易いにも程が有るわw
少しでもいい、あやねの
自信の無さが緩和されるなら。
少しでも、愛されることを
信じるようになれるのなら。
ケントに甘えるのは間違い
ではないと思うんだよ。
ケントだって、あやねを
少しでも楽にしてあげたくて
こんなふうにしてるんだもの。

クリスマス会のプレゼント交換。
ちづが買ったものがジョーに
渡ってしまったのだけど、
それを奪い返して逃げてきた
ちづ…を追いかけてきた龍。
中身はリストバンドで、最初から
龍に当たればいいな…と願って
買ってきたものだったんだって。
ジョーは少し可哀想だったけど、
龍は喜んでくれて良かったよ。
かなり強引だったけれどw
そこで龍が、交換用でなく
ちづのために買ってきたという
プレゼントをくれたのだけれど…
千鶴みたいって言うんだよ龍。
こんな可愛くて綺麗な…
ちづって活発なイメージで、
男友達みたいに思われることが
今まで当たり前みたいな子で…
そんな彼女が龍はこんなふうに
見えていたのかってなったらね。
恥ずかしいわ…物凄く…w
こっ恥ずかしくて戻ろうとした
ちづを引き止めて龍は言った。
「だめ…こーいうのも久々なんだ
から、もーちょっとこーしてよう。」
もうちづ、龍を意識しちゃって
仕方ありませんって感じに見える。
恥ずかしいだろうよ、そんでもさ、
なんか、女の子って顔をしてる。
うん…もう一押し…ほんの少し
何かきっかけがあったら
2人の関係はすぐ変化しそう…?

「私、あやねちゃんのこと大人で
憧れですごい完璧に思っていたの。
でも、ちがうの。いっしょなの。
いっしょなの。はじめて同じ
高さにあやねちゃんがいたの。」
悩んでいる、自分のことが
わからなくなってしまう程に。
そんなあやねを助けたいのに
何も出来ない自分、それでも
なんとかしてあげたいんだろう。
でもそれが自分じゃ無理なこと
爽子はわかっていたんだろうね。
ケント…ケントなら、あやねを
楽にしてあげられるかもしれない。
楽にしてあげられたらいいな…。

合コンが白紙になったピンが、
クリスマス会をしてる所に
偶然?乗り込んできました…w
そこで暗い顔した爽子を見つけ
相談に乗ってやる!!的な感じで
今の状況に至るわけだが…
今まではやりたいことを
やりたいようにやってきた。
自分が変えたくて、いろいろ
やってきた結果が今の爽子。
けど風早と、大切な人と出会って
からは失うのが怖くて、やりたい
ようにしちゃいけないと感じる。
そうやって悩んでいた爽子。
そんな彼女にピンが出した答え。
ピンって、ほんと実はすごい。
ほんとせいと一人一人をちゃんと
見てて、本人が気付いてないこと
まで気が付いていたりする。
怖いかもしれないけど、ピンの
言うとおり、今爽子の思うこと
なんてきっと伝えてしまえば
一瞬で解決することだろうね。
「できないし
しちゃいけない
だけど ほしい」
爽子、頑張れ。
勇気を出して。

偶然はち合わせたケントと茂木くん。
修学旅行の時の話、ケントはあやね
から別れたこと以外何もないって
しかきかされていなかったのだけど、
少し話聞いてと言ったら茂木くんは
ぺらぺらと喋り出したんです。
期待しすぎたとか言うのを
聞かせてしまったって話ね。
それに怒ったのか、そうやって
彼女を傷つけた茂木がキスは
したっていうのに嫉妬したのか…
まぁ、両方だろうね。
気にしてないふうにして
茂木くんの元を離れたあやね、
茂木くんにも気にしてない
ふうに伝わったらしい。
なんか全てに納得出来な
かったのかもな…なんでって。
茂木くんに手を上げて
責め立ててしまったケント。
…ケントなら、あやねを
本当に楽にしてあげれる
かもしれない、そうだと
信じたいと思った。
こんなに、必死に
彼女のことを思って
怒ってくれるんだもの。

「すきだ!………すきなんだよ。」
彼の必死な思いに、温かさに、
あやねは「うん」と答えた。
この先のことはわからない。
けど、少しでもあやねの心が
楽になればいいと、心から願う。

風早はずっとタガが外れて
しまわないよう我慢していた
だけだったんだろうけど…
爽子は誤解してしまったまま。
もう終わってるのかもと
思ってしまって…寂しい
思いをしてしまって…
いつかケントに言われた。
「……貞子ちゃんと風早の
ぎくしゃくなんて、目ー
つぶって5秒くらい待ったら
解決してそーな気ーするし。」
ピンが昔言ってきたことの
意味で、最後の賭けに出た。
でも、賭けは失敗だった。
「風早くんの嘘つき――…!
次したらわかんないって
言ってたのにうそつき。
悩みがあるのに『ない』
ってうそつき。」
今まで自分が抱えてた
不安だったり気持ちだったり、
勢い任せに伝えたんだよ。
ずっと寂しかったんだって。
「もう、すきじゃない?
こんな私、すきじゃない?」
そんな疑問を口にした。
ずっと不安にさせてたって、
やっと気付いたのかもね…
この時が、2人の初めてのキス。
もう、大丈夫かな…!?
大丈夫になるといいな。
~ひとこと~
あやね・ちづ・爽子。
それぞれに変化があった
17巻だったと思います。
それはこの先を、良い方に
変えていく変化ではないかな。
風早もケントもきっと、まだ
恐る恐るのところがある。
龍は平気に見えて、内心
結構緊張してたりするし…
みんな、恋愛にそんなに器用
な子達じゃないんだよね…。
それぞれのペースで、ゆっくり
でいいから理解しあってほしい。
それぞれの幸せを
見逃さないで掴んでほしい。