君に届け 第15巻

著:椎名軽穂 先生

君に届け15-1

「だってつきあうってあれ
じゃん!!ちゅっ…ちゅーとか
するんじゃん………………!!!」

複雑だな…なんかすごく。
ちづは今と関係が変わって
いつか龍と別れることになる
ことを何より恐れているみたい。

一緒にいたいから、付き合う
とかそういうのは考えれない。

恋愛感情ではないのかな。
家族みたいな大事ってのは
多分すごく大きくあるんだろう。
けど…どうするんだろこれから。

君に届け15-2

「さけてたでしょ、
オレのこと。」

別に怒ったふうでなく、
優しい目をして言うケント。

「なんであやねちゃんの
こと見てるかわかる?」

そう、また優しく
問いかけてくる。

あたしのこと好きなのかな?
ってなるよね、普通…きっと。

まぁどう見てもそうなんだ
ろうが。最初の頃に爽子に
構ってた頃(浮いてる子を
馴染ませよう的な態度の頃)
とはまるで違う目つきだよ。

ケントは優しい、物凄く。
さて、こちらもどうなるか。

君に届け15-3

くだらないことを
くだらないまま話せない。

そういう仲になってしまったのか。

ずっと変わらずいたかった。
変わらずいられると思ってた。

けど龍の気持ちを知って、
今までと同じようになんて
出来なくなってしまったと知る。

今までと同じようにしよう
としたって、きっと出来ない。

変わりたくなかったのに、
変わってしまった…か。
ちづと龍…どうすんだよ。
このまま終わりなんて、
絶対に嫌だよ…。

君に届け15-4

「そんなこと、ないよ。」

自分を低く評価して、
恋愛だって、自分が本気で
好きにならないから相手も
そうなんだと話すあやねに
たいしてケントはそう言う。

自分を低く低く評価する
彼女に、ケントは全然
違った評価をする。

・頭もいい
・空気も読める
・ぬかりなくい

そんないい子がなんでそんな
低評価なのか不思議だって。

ケントなら、あやねに
変わるきっかけくれるかな?

あやねを不器用だというケント。
ピンは器用だって言ってる。

あやねは、器用だけど、器用
であるが故に思うように出来ない
ことが多くなってる気がする。

いろいろ知ってるから諦めたり、
安全な所に逃げてしまったり
してしまう、そんな気がする。

…どう…なるか。

君に届け15-5

そんなふうに話すちづに
対して、風早はこう言った。

「嬉しいとは、思わな
かったの?ちょっとも?」

そんなふうなこと、考えも
つかなかったというちづ。

終わってしまったと悔やむ、
自分の大事にしてきたものは
最初からなかったと悲しむ。

そんな気持ちが大きすぎて、
龍の気持ちに対して嬉しい
とか思う余裕もなかったかも。

風早の言葉を受けて、何か
ちづの気持ちは変わるだろうか。

良い方に、変化があると良いな。

君に届け15-6

まだ幼い頃のちづと龍。
小学生の時に母親をなくして、
徹も家を出てしまって…。

龍が1人になってしまうって
思ったのかもしれないな。

「ちづね、あんたの姉弟になる
から。なるからね、ぜったい。」

そう言ったんだ、これが、
ちづが大事にしてきたものの
最初だったのかもしれないね。

この思いを、関係を終わらせ
たくない。その願いで、龍と
ちゃんと話さなきゃいけない
って決意をしたちづ…。

ちづは、どんな答えを出す
のか…龍に、思いは届くのか。

君に届け15-7

「龍に会うたび思うんだよ。
今まで考えたこともなかった
ことを、こいつ、あたしの
ことすきなのかって――」

「思えよ。」

今までの関係が終わることに
戸惑い涙するちづに対し、
龍はこんなふうに言った。

「やっと、始まるんだ。」

今までの関係を終わらせ
ないと、始められない。
ずっとそー思ってたのかな。

ちづ…無意識かもだけど
龍の気持ちを聞いてから
龍を意識するようになった。

だからこそ恥ずかしくて、
普通に出来なくなったんだ。

終わってしまったものは
もうきっと戻ることはない…

だからどんな形でも前に
進まなきゃいけないんだろう。

あとは…ちづ次第かな。

~ひとこと~

修学旅行の時、キスを
失敗してからというもの、
風早と爽子は普通に見えて
どこかぎこちなくなった。

けど、その話は後々…

15巻ではちづと龍、あやねと
ケントの話がメインでした。
これから、彼らの思いは、
どうなっていくんだろう。

人と人の繋がりなんてきっと
思うよりずっと呆気無いもの
だってずっと思っていた。

けど、そんなにヤワなもん
じゃないって、信じたい。
それがどんな感情にしろ、
同じように大事に思うなら
終わってしまうのはあまりに
悲しすぎると思うから…。