君に届け 第11巻

著:椎名軽穂 先生

君に届け11-1

「風早くんに告白したよ。
つきあうことになったよ。」

風早と爽子が付き合うことに
なって、噂としては広まって
いたけれど、直接くるみに
報告しに行った爽子に対して…

「言ったよね『わたしは
ちゃんと伝えた』って……
爽子ちゃんがいたからよ。」

ほんとはいろいろ言って
やろうと思っていたみたい
だけど、報告だけで他には
何も言ってこなかった爽子に
くるみはこんなふうに言った。

祝福なんて出来ないけど、
それでも爽子だから風早と
付き合うことができたんだ。
それを1番に理解している
のはきっとくるみだったろう。

友達にはなれなかった。
けど、ライバルだからこそ、
2人はほんとに最高の関係で
いられたんではないかと思う。

くるみも爽子も、お互いに
出会って、お互いを知って、
ライバルになれて良かったよ。

君に届け11-2

あやね、かっこよすぎだろ。
女なのに、包容力ありすぎ。

だからこそ、あやね以上に
包容力のある大人の男じゃ
ないと、付き合えないんじゃ
無いかなって思ってしまう。

にしても、くるみはほんと
変わったなって思うよ。
良い変化ですよねほんと。

君に届け11-3

自分のことを、そんなふうに
思うあやね。そりゃあさ、
まっすぐで誠実すぎる2人を
見ていたらそんなふうに思えて
しまうものかもしれないよね。

けど私から見たら、そんなあやねも
余程まっすぐな子に見えるんだよ。

真っ直ぐで優しい子だから、
そんなふうに自分をズルイとか
そんなふうに感じてしまう。

優しいから、相手の気持ちを
第一に考えて行動できる。
計算だって言うけど、そんな
計算も相手のことを考えるから
出来る、優しいから出来ること。

だと思うんだよね。
あやねの言葉を聞いてピン。

「ふぅん?やさしいねぇ。」

そう言って、あやねの頭を
ぽんぽんして去っていった。

いつも最もらしいことを
言ってくるピンが今回は
この一言だけで去っていった。

どういうこった…。
あやね、本心ではそういう
ピンの言葉を期待したのかな。

それを見透かされてこの一言?
だったのかもなとも思った。
ピンはなんにも考えてなさそう
なのにやっぱ大人でたまにズルイ。

ピンとあやねが…!?なんて
予想を立ててる人も結構いると
話を聞いたことがあるんだけど、
実際これくらいの男じゃないと
あやねを甘やかすの無理だろう。

これから先、どうなりますかな。

君に届け11-4

なんか、このシーンがすごく
好きだった。龍のちづへの思い
は恋愛感情。でもちづがそういう
意味で好きなのは兄貴の方で。

あの日徹とちゃんと話せた
ことでちづの気持ちは少しは
変わったのかもしれないけど、
それでも徹への思いは変わらず。

そんなちづが龍に対してそんな
ふうに思っていたんだってことが
龍としてはすごく嬉しかったん
じゃないかなーって思ったの。

龍、イマイチわかりにくい
けどいいとこはたくさんあって、
きっとそれを誰よりも知ってる
のは千鶴なんだろうなと思うから
…きっとそのうち思いは届く。

長所である気の長さで、
もうしばらくは頑張って。

「ちーとは一生疎遠に
なる事はないから。」

「えっ!?ホント!?」

「ホントホント!絶対!!
なんでかは今にわかるよ。」

こんな徹とちづの会話が徹の
結婚式の時にあったらしい。
徹にはこの先のことなんて
読めてしまってたのかもな。
この先が楽しみです。

君に届け11-5

風早と爽子のはじめてのデート。
遅くなってしまったけれどと、
誕生日プレゼントを渡した爽子。
でも本当はそれ以外にもいろいろ
持ってきていたようで…

クリスマスに渡す予定で
入れ替わってしまった帽子も
断られるのが怖くて渡せずにいた
バレンタインのチョコレートも。

かなり遅くなったけれど、
ようやくちゃんと渡すことが
出来たようです。(注:今7月)

風早、バレンタインはすごく
期待していたようだったもの、
遅くはなったけれど本当の
ことを知って、すごくすごく
嬉しかっただろうなと思う。

ようやく、今までの爽子の
思いが届いた、そんな気がした。

君に届け11-6

爽子、ほんと幸せ慣れとかして
ないから、逆に怖くなるのかな?

「彼女の仕事も…
まだ何もわからない」

なんて言った爽子だけれど、
風早は今のありのままの
爽子を見て好きになったんだ。

風早だって、今かなり
一杯一杯な気がするし…

お互いにお互いのペースで
ゆっくり前に進んでいけば
きっとそれでいいよね??

早く普通になったら、それは
それで安心できるのかも…

けど爽子も風早もまだまだ
お互いの思いの大きさを
理解できていないと思うし…
そこを理解するとこから。
ゆっくりゆっくり進めばいい。

2人の幸せが、
永久に続きますように。

~ひとこと~

11巻でした。
11巻2話目の『episode44』には、
2人が出会って、仲良くなっていく
序盤の風早sideのお話が描かれて
いました。それを見て改めて、
あぁ、この2人は本当に、なる
ようになったんだと感じました。

勿論、お互いの努力
あっての結果ですけどね。

風早と爽子だからこうなれた。
赤い糸なんてものがあったなら、
きっとこの2人にこそ繋がって
いたんじゃないかと思います←

爽子と風早は、少しずつ、このまま
少しずつお互いを知って、お互いを
理解してすごしていけたらいい。

あとは…あやねとちづですね。
アニメの方では一切描かれなかった、
アニメや映画で有名になりましたが
それをあえて今更紹介してるのは
その続きもぜひ知っていほしいから。

先に進めば進むほど、ハンカチなし
では読めなくなった覚えがあります。
25巻まで、長くなりますが、
お付き合い頂けたら嬉しいです。