君に届け 第9巻

著:椎名軽穂 先生

君に届け9-1

誤解している健人が、爽子に
これ以上悲しい思いをさせたく
ないって思ったのかもしれない。

風早を諦めるよう、離れる
ように言って泣き出して
しまった爽子。それくらい、
簡単に諦めることなんてもう
出来ないくらい好きなんだよ。

そんなタイミングで現れた
風早…わーなんてBad Timing。
健人とは言い合いになるし、
いろんな誤解とかなんとかで
ややこしいことになって終いに…

「俺、黒沼のことすきだよ。」

これ以上勘違いしてほしく
なくて言ったことだろうに…

健人が風早好きな人いるよ
なんて言うから…それ爽子
なのに余計なこと言うから…

「…誤解される。」

他に好きな人がいるのに、
私とのことを誤解されては
風早くんに迷惑がかかる…。

とでも思ってしまったんだろう。
けどそれに対して爽子に対して
自意識過剰とか言う奴はいるわ
風早は不機嫌に去ってくわ…。

あの状態で正しくその場を判断
出来たのは健人だけだったかも。
風早を見てようやく理解した
って感じだったけれどね。
今まで自分が爽子にしてきた
ことがいかに的はずれだったか
ようやく思い知らされたようです。

君に届け9-2

「俺、黒沼がすきだよ。」

お互い、勘違いしてるし
言葉足らずだし…風早は
いち早く諦め発言だし…。

違うかなんて確認してない
くせにそんな決めつけて…。

風早は、自分の気持ちは恋だけど
爽子の気持ちは尊敬とか憧れ。

爽子は、自分の気持ちは恋だけど
風早の気持ちは同情や親切。

なーんて思ってるんだろうな。
そういうの、聞くのも怖かった
のかもしれないけど、お互いに
周りにいろいろ言われすぎて
どこまでも勘違いしちゃってる。

お互いがお互いに恋愛感情で
大好きなのに、なんでこんな
すれ違わなきゃいけないんだろ…。

君に届け9-3

「鈍さに慣れるな!!」

わー、ちづがかっこいいよぉ!!←
風早にフラれたと勘違いして、
今までの風早の態度も気を遣って
くれてたんだとか思い込んで…。

盛大に空回りしている爽子に対し、
あやねはそれは誤解だよって
言いたげだけれど、そこに割って
入って怒りだしたのはちづだった。

確かに、全部誤解ではあるんだけど、
きっと今の爽子にそんなこと言っても
優しいからそんなふうに言ってくれる
とか思ってしまったのかもしれない。

けど、ちづがこう言ってくれた
からやっと落ち着いて考えられた。

鈍くて、自分を下げて見てて、
どんどんいろんなことが変わって
くのにいつまでも同じ目線で
見ていたら変化にも気が付けない。

自分では何もしていないのに、
フラれたって、風早の一方的な
言葉で勝手に終わらせるなんて
そんなんでいいはずがないんだ。

強くなれ、自分で行動して
諦めるんなら諦められるくらい
ぶつかって砕けてからじゃなきゃ。

爽子、負けんな。
自分の気持ち、強く持って。
勘違いでもなんでもいい。
そんな誤解は、そういうのに
慣れてしまった爽子が正しく
理解するのは怖いかもしれない
けど、ちゃんと正しく気持ちを
受け取って、自分の気持ちだって
ちゃんと風早に伝えなきゃ…
進むもんも進めないじゃない。

ちづやくるみを見習いなよ。
頑張れ、諦めんな爽子。
そして風早も、怖くても
逃げずにちゃんと立ち向かって。

君に届け9-4

くるみのこういうとこ大好き。
真剣なとこに訳の分からない
邪魔してくるんじゃない!!
みたいなね、かっこいいよ。

過去にはいろいろあったけど、
ライバルって認めてから…
風早の好きな子を理解し
始めてから…なのかな?

曲がったことしなくなったよね。
正々堂々と真正面からになった。
健人悪いやつじゃないけど、
こういうとこ一々アホだから
余計なことしようとしてね…。

だからここまで厄介な感じに
こじれちまったんだろうけど…。

くるみがライバルなのも、爽子には
とても恵まれてることだと思うよ。

君に届け9-5

「オレには風早にだけ壁が
あるように見えたんだよ。
…クラスのみんなには
作ってない壁をさ。」

最初は興味だったのが、気にして
かまってたら思った以上に全然
可愛い女の子で、俺でもいいよ
なんて、言ったの2回目かな。

若干本気になりかけたかね?
でも、爽子が泣きそうになるのも
笑顔になれるのも風早に対して
だけなんだよねって、俺じゃあ
ダメなんだよねって自分に何か
言い聞かせているようにも見えた。

なんか、少し泣きそうになった。
健人にも、幸せになってほしい。
もちろん、爽子と風早にも絶対。
幸せ、掴み取って欲しいな…。

君に届け9-6

「……もう、いい。
風早くんが誰を
すきでもいい!」

爽子、頑張ってぶつかっておいで。
結果がどうであっても、ちゃんと
気持ち伝えなきゃなんともならん。

爽子が落ちた時、そこからまた
立ち直った時、いつも思うこと。
爽子がこういう子だから出来た
友達だけれど、ほんと、友達に
恵まれてるなって、支えてくれる
前に進む手伝いをしてくれる友達
の存在はとても大きいものだね。

~ひとこと~

落ちて落ちて落ちましたね…
けど、良かった、仲間がいて。
良かった、ライバルがいて。
かなり引っ掻き回した健人も
なんだかんだ爽子を助けてる。

いろんな人に助けられて、
もう、あとは風早に気持ち
ぶつけるっきゃないよね。

今度こそ、ちゃんと正しく
伝わるように…願います。