著:椎名軽穂 先生

「…わかってんだけどさ。
それでも俺がとれてたら
なって思っただけ。」
呼びたかったの勇気がなくて
呼べなかった爽子って名前を
龍にサラッと言われてしまい、
その上事故とは言え、爽子が
危なかった時にかっこよく
助けたのが自分でなくて龍
だったのが、なんか悔しくて…。
きっと風早が龍はいい奴だって
知ってるからこその嫉妬だろうな。
風早の嫉妬とか、こういうのは
おもしろいくらいわかりやすい。
そして龍のこういうハッキリ
してるとこも私は大好きですw

くるみに爽子の気持ちはきっと
勘違い的なことを言われて、
自分の風早への気持ちを確かめる
ために他の人とも喋ってみた方が
いいと言われて龍と話をしてみる
ことにした結果のこの会話…。
なんつーかダイレクトな質問だわw
ここで初めて明かされた龍の思い。
『恋愛感情』ってものがどんなのか
イマイチ理解しきれていない爽子が
龍に聞いたのは大正解だったかもw
龍はずっと一途にちづだけを
思ってきたんだもんな…。
それで、なぜか硬派通り越して
ただの野球馬鹿みたくなったが。
彼の思いが、いつかちゃんと
ちづに届きますよに………。

ただでさえ龍に嫉妬していて、
そんな状態でくるみに余計に
煽るようなことを言われた風早。
そんな状態で爽子と龍が2人でいる
のを見せつけられてしまったら…
風早に爽子を諦めさせるための
作戦だったのだろうと思うけど、
完璧逆効果だったね、くるみ。
風早は爽子を攫って行きましたw

攫われてって爽子が聞かれたのは
龍を好きかってこと。龍と2人で
話してみて爽子が気付いた気持ち。
「真田くんへの気持ちは
………恋愛感情じゃない。」
そこでやっと冷静になった風早は、
自分がしたことが一気に恥ずかしく
なってしまったのだけれども…。
爽子にくるみが言われていたこと。
助けてくれたり、親切にされたり
したから好きになったんじゃないの?
けどそういうのがなくたって、
風早のことを恋愛感情で見る
ようになってしまっただろうな。
ここからが、2人の恋のスタート。

あやねのおかげで、例の噂や
今までくるみがしてきたことの
真実が明らかにされた…。
くるみが爽子に話しかけてきたのも、
その作戦の一つでしか無かった。
そんなふうに言われてしまったけど
爽子からしたらくるみが風早を大好き
な気持ちは本物だって知っていたし、
爽子に話しかけてきてくれたことも
風早への気持ちを告白してくれた
時のことも…全てが嘘とは思えない。
そういう作戦があったとしても、
それ以前に爽子はくるみのいい
所を知ってしまったから、全部が
嘘だったとは信じたくなかった。
裏切られてたんだって分かったのに
それでもくるみを信じたいと思える
爽子を私は尊敬する。実際のとこ、
全てが嘘だったわけではないもの。
風早への気持ちは本物で、きっと
それを明かしたのが爽子だけだった
のも本当。みんなが貞子って呼ぶ
のにくるみだけは最初からちゃんと
爽子ちゃんと呼んでくれていた。
爽子は、人の他にはない良さを
見つける天才だなって思った。
人ってどうしてか人の悪い所に
ばかり目が言ってしまう所がある。
でも爽子は、中々気付けないいい
所に簡単に気付いてしまうんだよ。
これは爽子の、最高の長所だよね。

龍と話すことで、そのあと風早
とも話したことで、風早に恋する
くるみと話せたことで気付けた
自分の恋心をくるみに打ち明けたい。
そう思って、くるみの所に戻って
来た爽子。そこで改めて、くるみの
風早に対する真っ直ぐすぎる思い
に気が付かされることになった。
爽子が、風早に恋するくるみを
可愛い、羨ましいと思ったように、
くるみも爽子が羨ましいと思った
んだろうな。最初は爽子を気にする
風早を見てきてずるいって思った
だけだったかもしれないけれど、
関わってみて爽子という人間を知り、
きっと少なからず良さも知ってきて
余計に羨ましく、そして悔しいって
思うようになったのかもしれないね。
~ひとこと~
4巻でした~。
くるみは例の噂の犯人だった。
そんな事実と、今までのいろんな
行動は全て風早が大好きだから
って理由だったことも分かった。
3巻までのくるみは完璧悪役って
感じだったんですが、4巻になって
風早への気持ちがわかったからか、
なんだろう…不器用な可愛い子に
見えてきた感じがします。
風早と爽子。まだしばらくは
時間がかかりそうだけど、いつか
ちゃんと気持ちが届けばいい。
それまで、いろいろ壁はある
かもしれないけど、頑張れ!!