はしたなくてごめん 第5巻

著:石田拓実 先生

真奈緒が高熱(39℃超)を出した。
たまーにあることらしく、ご飯
食べて薬飲んで一晩ゆっくり
休めば次の日には治ってるらしい。

それで、ご飯作る元気ないと
与倉を頼って彼の家まできた。

今自分は真奈緒に頼られてる
と自覚した与倉は、何かの
スイッチが入ったかのように
いろいろ調べながら誠心誠意
真奈緒の看病をしたのだった。

少し、真奈緒は昔の話をした。
幼い頃…それこそまだ保育園に
通っていた頃からの話だった。

びっくりする程家事が苦手な母。
母に妹もいたし、自分が何とか
しなきゃって思ったのかもね。

必要に迫られて…真奈緒はそう言う。
家事全般覚えた、他にも結構何でも
出来るようになった…そのおかげで、
ご近所さんなんかには偉い偉いと
囃し立てられる…でも必要だったから
しただけのこと、親だって頑張った
けどそれでも無理だったからと自分
がやるしかなかったからやっただけ。

それを誉められたり、桃花になんて
崇拝されてしまったりは真奈緒に
とっては大分プレッシャーだった。

そんな、暗い顔して話すわけじゃない
けど、ずっと昔の笑い話か何かのように
真奈緒はその頃のことを話して聞かせた。

そんな現実の中から、自分にとって
ラクな場所を求めた結果がきっと
一服しながらえっちな少女漫画を
読むことだったんだろうと思う。

そして、それと同じだと言うんだ。
もしかしたら、与倉は真奈緒が
自分の弱い所も何でも見せれる
唯一安心できるラクチンな存在、
なのかもしれないなと思った。

「もうとっととやっちゃ
えば?めんどくさい。」

真奈緒が熱を出して与倉の元へ
転がり込んでいたことを知った
デブヒロ。与倉とのことでずっと
ウダウダやってる真奈緒を見て、
こんなことを言ってきたのだった。

でも真奈緒にとってはそれでは
嫌なようだった…確かにそれが
1番手っ取り早いかもしれない。

でももしそうなったら与倉は責任を
とってつき合う…みたいになると思う。
そういうのじゃなく、お互いの気持ち
の上でつき合いたいから…って感じ。

…真奈緒も乙女だったぁ…♡
でもそうだよね、わかる気がする。
相手の気持ちがハッキリ分かって
ない以上、一先ず付き合っても後に
なって不安になるの目に見えてる。

まあ…どう見ても両想いですがw
当人同士ってのはやっぱ不安で
仕方ないものなんだろうなと思う。

真奈緒のこんな思考や姿を見て、

「西さん…うっっざいね
ほんと!超キモい。」

なんて毒を吐いてきたデブヒロだけど、
なんやかんや毒を吐きながらも結局は
話を聞いてくれたり、やたらかまって
くるデブヒロを真奈緒はこう言った。

「人間全般とかに対して
“壮大なツンデレ”てかんじ。」

ああ、まさにそれだわww
この発言に、物理的に攻撃を
受けた真奈緒でしたw

この迷彩服っぽい彼は、真奈緒と
同じクラスの田所くんという。

デブヒロが真奈緒と話してるのを
見て、つき合ってるんですか??と
真奈緒でなく先輩のデブヒロに確認。
そんな彼の態度に、デブヒロもそれ
を察したんじゃなかろうか…それで、
これは使えるな~って…嫌がらせにw

「西さん最近すごい悩んでるみたい
なんだけど、それがどうも誰かに
脅されてつきまとわれてるらしくて…
…しかもたぶん同じクラスの奴に。」

こんな話を、真奈緒に好意を持ってる
男子にしたらね、そら飛びつくよねw
案の定田所くんは与倉から真奈緒を
守るというあからさまな態度を示したw

ああ…また引っ掻き回されてるわ…。

田所くんは与倉にストーカー
されてることで悩んでるんだろ
的な話を真奈緒にしたつもり。
真奈緒は単なる恋愛相談的な。

内容が全く噛み合わないまま、
なんだか会話だけは繋がって…
真奈緒はちょっと元気になった。

「…だって俺、西のこと好きなんで。」

これは誰がどう聞いても告白。
でも、さっきまで他の人を好きだ
という恋愛相談をしてたつもりの
真奈緒にはそうは読み取ることは
出来なかったってことなのかもw

「あははは、ありがと。あたしも田所
すきだよー、まんがの話できるし。」

もちろん友達としての好きだw
真奈緒の意思と田所の思考は
全く噛み合わないまま、田所は
勝手に真奈緒が彼女になったと
思い込んでしまう…そしてそれを
実は与倉も聞いてしまっていた。

「今後、お、俺の女に
むやみに近づくな。」

そんなことを言ってくる田所。
…あ~、いろいろ誤解がぁあああw

勝手につき合ったと勘違いした
田所の言葉を聞いて真奈緒を完璧
に避けだした与倉。状況も理解
できずに、終いには涙する真奈緒。

散々引っ掻き回していたデブヒロ
だけど、今回もデブヒロが原因
だけど…真奈緒のこと嫌いっていう
けど言う程嫌いじゃないんじゃない?

泣いてる真奈緒の涙を自分の服で
乱暴に拭った。きっったなとか言った
けど…彼なりの慰めに思えてきた。

与倉の部屋の前で泣いていた
真奈緒を一先ず帰らせてから、
デブヒロは与倉を焚き付けに行く。

別にそのつもりじゃなかったのかも
しれないけど…与倉が真奈緒の言葉を
聞いたわけでもなく真奈緒を避けてる
ってことを知ったデブヒロは、結果
的に与倉の背中を押したように思える。

ほんと…ツンデレだなこの人~ww
散々邪魔するけど、結構デブヒロ
人間好きだよね、案外優しいよねw

ほんの少し前まで近くにいたという
真奈緒を追いかけ、見つけてからも
逃げようとする真奈緒をようやく
捕まえた。デブヒロいわく怒ってる
らしい真奈緒だったけど、泣いてる。

それを見て、思わず抱きしめた与倉。
ごめんって謝りながらも、抱きしめる
腕を緩めることは決してしなかった。

避けていたことを謝罪し、その原因に
なった田所の話をすると誤解だったと
言うことにようやく気付かされる与倉。

心底安心したような、でも少し
悔しそうな表情に見えた与倉。
他の男に盗られたんだって…すごく
嫌だったし怖かったんだろう。

(私にとってもう、与倉は与倉
ってだけでものすごくずるい。)

そんな与倉に、真奈緒も夢中♡
恋って…すごく不安になるけど、
やっぱりすごく幸せだよね…☆

はぁ…可愛いなぁもう!!w

次の日、与倉が誤解していたという
話を笑い話のように田所くんに話す。
それによって田所くんが灰と化
したのは言うまでもないww

あれこれありましたが、結局は
やっぱりお互い両想いっぽいって
所までは2人とも気付いてるよね?

ただ一つだけ…真奈緒が迫るわけ
ではなかった状況で1度だけ与倉
からキスをしてくれた…進歩だわ♡

そこから進展するかどうかは、
どちらかが行動に出るかどうか。

それでも田所の家にはいつしか
真奈緒だけでなく芽衣ちゃんと
デブヒロも通うようになってて、
(芽衣ちゃんは真奈緒を見張る
ため、デブヒロはひやかしw)
そんな賑やかな状況にこれまで
友達って存在もいなかった与倉は
なんだか嬉しそうにして見えた。

そんな与倉の部屋で、少しだけ
気になってしまう視線があった。

デブヒロが見てるのは…真奈緒?
芽衣ちゃんが見てるのは真奈緒を
見ているデブヒロだったりする?

芽衣ちゃんが何を思ったかは
わからないけど、デブヒロの
視線は何だか少しだけ熱っぽい
もののように思えて気になった。

~ひとこと~

5巻でした~!!
いろいろあったけども、この先が
更に気になって仕方ないラストw

どうなりますかね…でもやっぱね、
与倉と真奈緒にちゃんとくっついて
幸せになって欲しいと思いますよ♡