著:熊岡冬夕 先生

好きな人の話、花君に
聞かれてしまっただろうか
と焦る七世だったけれど、
花君の態度は一件いつもと
同じふうで…ほんとに
聞こえてなかったのかな?

「オレ、こまりの
こと好きなんだ。」
本当は聞こえていた。
だからこそ、花君は突然
こう言ってきたんだろう。
その場は平静を装って
逃げてきた七世だけれど、
もう好きになってしまった
この気持ちは、そう簡単に
やめることなんて出来ない。
告白もしてないのに、
フラれるのって、きつい。
でもきっと、こんなんで
諦められるもんじゃない
んだろう…七世どうするか。

「こまりせんせー。
結婚するってほんとー?」
そんな噂があって、花君は
知ってるのかなとか七世は
考えてたけれど、こんな場で
口に出した人がいて、だから
こまりちゃん自ら認めてくれて…
花君キョトンとしちゃってる。
知らなかったのかもしれないね。
こんな、こんな知り方つらい。
そっか、こまりちゃん結婚か…。

ちゃんと告白したわけでも
ないけれど、結果的に花君も
失恋して、七世も失恋中で
2人で海行くかーってなって。
そこで、失敗して花君の
上にコケた七世に、花君は
投げやりな気持ちもあったろう。
「……つきあう?」
明らかに、こまりちゃんに気持ちが
あるままの花君にこんなこと
言われても、なんか逆に辛い。
「私、花君のこと好きなの。」
好きだからこそ、花君が花君の
恋に向き合わないままで、
中途半端な気持ちで付き合う
なんて嫌だったんだろうな。
大好きな人が他の人を大好きで、
その気持ちのままで、自分を全然
好きじゃない状態で付き合うとか
言われても…つらかったろうに。
ここまで言う七世は強い。
花君、ちゃんと向き合って欲しい。
こまりちゃん、本当はもう
花君の気持ちに気が付いてる
かもしれないなって少し思う。
けど、言葉にして伝えなきゃ
きっと華君の恋は終わらない。
花君…どうするだろう。
結果的に失恋ってのは
変わらない答えかもしれない。
それでも、ズルズル引きずる
ような終わり方だけは…。

海では、結構好き勝手言って
そのまま逃げてしまった七世。
怒らせちゃったかなとも思って、
その後花君と話すタイミング
もなく、心が折れかかってた
七世だけれど…寝ちゃってる
隙に黒板にメッセージが…。
花君からのメッセージ。
最初はごめんって書こうと
してありがとと書き直した。
折れかかった心、まだ
遠くても頑張りたいと、
好きで痛いと思ったろう。

「すげー好きでした……
こまりが幸せならオレだって
そーだから。だからそれだけは
ずっと変わんないで願ってる。」
七世の思いを、言葉を受けて
最後に…と思いを伝えた花君。
こまりちゃんはありがとって。
ほんとはオレが幸せにしたかった…
そんな思いを抑えて、伝えた思い。
まだしばらく引きずるかもしれない
けど、これでやっと前に進める
んじゃないかなと思った。
告白してたのを七世に見られて
しまい、平気そうに振る舞うけど
ホントは結構つらいんだろうに。
…そんな花君に何か気の利いた
言葉をかけることも出来ずに、
でも元気付けてあげたくて
抱きしめた…そんなとこだろう。
終わることしか出来なかった恋。
花君はこれからどうするんだろう。
七世の思いはどうなるんだろう。
~ひとこと~
2巻は、なんかすごく心が
落ち着かない所が多かった。
すっごい泣きたくなった。
花君の思い、つらいのを
必死でこらえてるのとか、
それを見破っちゃって花君
本人が泣けない分まで七世
が泣いちゃう所とか…ね。
まだ、ドキドキふわふわした
恋のお話には程遠いですが、
これから彼らの気持ち、関係
がどう変化していくのだろう。
花君が、七世を好きになる
日も遠くはないんじゃないか。
そんなふうにも思えます。
だって七世すごくいい子。
…続きが気になります!!