著:カナエサト 先生

「いいよ、オレのこと独占しても。」
突然の息吹のそんな発言に動揺し
惑わされそうになるも、明らかに
自分に気持ちが向いてくれたとか
そういうのじゃないのはわかって‥
「独占って、私といて寂しさを
埋めたいってことだよね?とと十和子
ちゃんのことしんどいのはわかるけどっ、
あああ甘えちゃダメだよ。」
そうは言っても息吹はどんどん距離を
縮めてくる‥それも十和子に対しての
時みたいな態度の変化もないままに。
「だって…それは息吹くんがかおりの
こと好きじゃないからだよ。今も……
だから平気でこんなことできるんだよ。」
かおり、自分で言ってて自分で虚しく
なってるんじゃないかなって思うけど、
それでも彼女の必死な言葉は息吹を想う
からこそ出てきた言葉だったんだと思う。
これまでも、十和子関連かな?仕事以外でも
女性に甘えてるようなことはあったらしい。
かおりがいくら拒んでも息吹のそうやって
また代わりを探そうとするかもしれない。
それでも
「心ない相手に甘えたって虚しいだけだよ?」
ストーカーしてたおかげできっとかおりは
息吹のあんまりよくない面もたくさん見て
きたんだと思う。それでも好きなんだね。
そこまで知られてしまってるとわかって
「そこまで知っててなんで
こんなクズのこと好きなの。」
息吹の言葉にかおりは怒ったふうに言う。
「…そんなこと言わないで。」
‥自分を卑下する息吹を慰めるとか
そんなんじゃなく、ただ自分の大好きな
人を悪く言われたことに対して怒ってる、
そういうことだった‥相手本人だけど。
大好きな人だからこそ、自分で自分を
嫌いになってほしくないのかもしれない。
かおりの必死な想いと言葉を涙目で
伝えられて‥そんなかおりをまっすぐ
見ていた息吹は少しして、帰っていく。
急だった、俺帰るわ、ごめんって言って。
その時少し顔を赤らめたような気がした。
その時の息吹の感情が一体どういうものか
はまだはっきりはわからないけど‥自分を
恥じたのか、それとも真っ直ぐなかおりに
心が動いたか‥前向きな感情ならいいね。

番外編ってことで、里央1人の
お話が出てきたんですけど‥
1人でBARに行ってバーテンダーの
お姉さんに愚痴を言ってるお話 笑
かおりとの一件以来、仕事には
復帰したものの息吹の様子は元気
そうではなく里央は心配していた。
「たまにはここに連れてくれば?」
そんなふうに話すバーテン・ユズ
ちゃん、里央は優しくお断りした。
これはー、里央の恋のお話なのかな?
恋ってレベルまではいかなくとも、
きっと気になってる子なんだと思う。
それに対してクールにかわす彼女、
でもこのあと‥ちょっと微笑ましい
光景を目の当たりにすることになる。
「例えばボクがさあ、こんなこと
してもやだうけるーで終わるんだ。」
なんて言いながら里央はユズちゃん
の手を掴んで自分の頬に触れさせた。
そんなすぐ後に酔っ払って寝てしまう
里央だったけど‥ユズちゃんは顔に
出ないだけで里央の態度一つ一つに
結構動揺している子だったようで‥
案外両思いなのでは?って思った 笑
ここがくっつくにしろくっつかない
にしろ、里央は本当にいいやつだから
絶対に幸せになってほしいと思った。

突然ですが、みんなで旅行行きたい
ってモエの提案で沖縄に来ました。
蓮次、マキ、里央、息吹、十和子、モエ、
みのり(マキ達の子)そしてそこには息吹
が誘ったらしいかおりの姿もあった。
いろいろのお詫びって理由をつけて
誘ったみたいだけど、ほんとのとこ
息吹のことだから他の理由があって
誘ったんじゃないかって思ってる。
わかんないけどね 笑
なぜかいるかおり、その理由を
知らされていない周囲は2人は付き合う
ことになったのかもと噂をしていた。
そんな息吹の気持ちなどつゆ
知らず十和子は随分と夢心地‥
蓮次とのことはまだマキに言えてない
状況が少し不安、大丈夫だといいけど。
そんな中‥
(こんな夢のような恋愛が
いつまでも続くわけが…)
十和子のどこかぼーっとしてるような
様子に蓮次は気づいていたんだと思う。
だから不安があったら何でも言ってと
安心させようと頑張ってくれるんだけど
対して十和子は何も打ち明けなかった。
全くないって、すごく幸せだって。
大丈夫かなあ‥一波乱ありそうです。

鈍感なマキは全く気づいてないけど、
ほとんどの人は2人の関係を把握して
いたんだと思う。それで女の子組で
恋バナ‥をしていたときのことだ。
蓮次とのことが話題に上がった時、
十和子の口から出たのは別れの可能性。
確かに、100%別れないなんてそんなの
誰にも証明できないことだろうけど、
幸せすぎるがゆえの不安だろうか‥。
恋愛をすると人はいつも以上に
臆病になってしまうものだと思う。
十和子に関しては元が自信のない子
だし、そういう部分は余計なのかも。
そんな自信がなくて自分を卑下する
十和子に、かおりは勢いよく言った。
十和子に向けたかおりの言葉、あの時の
息吹への思いと重なったんじゃないかな。
だからこんなにアツくなってしまって‥
でも、そうなのかもしれないって思う。
本当の自分を知ってて好きになって
くれる人がいるって、すごいことで
その好きの気持ちを疑われたりしたら
好きになった人はきっと悲しいだろう。
自信がないのは仕方がない。それなら
自信を持てる努力‥してるしね十和子。
少しずつ頑張ってる最中なんだもの、
蓮次からしたら早く報告したいと焦る
気持ちもあると思うけど2人のことだ。
なんでも話してって言ってくれてるん
だから、十和子そこは勇気を出すべき。
‥怖いのもすごくわかるんだけどね。
恋するってほんと、難しいことだよ。
頑張れ十和子、負けるな。

十和子の蓮次への態度が明らかに挙動不審
で付き合ってるとまではわからないにしろ
何かあったという程度には簡単にバレそう。
そんな現状なのに十和子はマキに報告
することを拒むような態度をとっていた。
里央から蓮次に、早く報告した方がいい
んじゃって言われてしまうくらいで、
実際蓮次は報告従っているようだった。
あとは十和子次第なのだろう‥今のまま
ではいけないと、蓮次は十和子がどう
思っているのかを確認しようとした。
自分は早く報告したいと思ってるけど
十和子は違うのか‥その問いかけに、
答えられず黙って俯いてしまう十和子。
「十和子ちゃん、私とこの先も
付き合っていく覚悟はできてる?」
不安があるなら話して欲しい、蓮次からの
二度目のお願いだった。これからの2人の
ためにはきっと必要なことなんだと思う。
恋愛初心者、気持ちが全然追いついて
ないのかもしれない‥でも幸福感を
味わうと同時に猛烈な不安に襲われ、
そんなの1人で抱えてたら十和子は
きっとだめになってしまうと思う。
すぐに答えられない十和子に対し、
答えはすぐじゃなくていいからと
その場から立ち去っていった。
蓮次は少し強引に問い詰めるような
態度をとってしまったことを後に
後悔していたんだけど、でもこれで
十和子はやっと蓮次の気持ちを知る。
怖いことに変わりはないかもしれない
けど、きっと十和子は向き合う覚悟を
してくれるんじゃないかな、頑張れ。

その日の夜、十和子は覚悟を
決めて蓮次を散歩に誘った。
10分くらい無言で砂浜を歩く‥
そしてやっと口を開いた十和子。
蓮次と付き合えて幸せな気持ちとは
裏腹に、どうして自分なんかがって
思ってしまう気持ちが消えなかった。
「私となんて…すぐ終わる
んじゃって…思ってて。」
蓮次の愛情は確かに感じていたのに、
それでも完全には信じきれなかった。
だからこそ、もし終わってしまうなら
家族にも言わない方がいいと思った。
伝えたくても、どう思われるのかが
怖くてずっと言えなかった気持ちだ。
でも十和子からの想いはそこでは
終わらず‥そんな不安で先延ばしに
してきたことへの覚悟を決めたように
まっすぐ蓮次を見て変わる決意をした。
不安な気持ちはやっぱりゼロには
なってくれないんだろう、それでも
大好きで一緒にいたいなら‥覚悟
や変化は絶対必要なものだろうね。
十和子の想いが蓮次に、そしていずれ
報告することになるであろうマキにも
ちゃんと届くことを心から願いたい。

十和子の言葉に、想いに、蓮次は
彼の想いをまっすぐに伝えてくれる。
「ショックだわ、私の”好き”が
そんなに軽くとらえられてたなんて。」
「…前にも言ったでしょ?あなたが思ってる
以上に私はあなたに救われてるの。」
蓮次が話してくれることは、十和子に
とっては逆に蓮次がいたから十和子も
勇気を出せた、変われたことばかり。
そう考えるとスタートは真逆でも救われた
という意味では本当にお互い様だった。
この二人が出会えたからこそ、2人とも
変われた、成長することが出来たんだ。
でも十和子の方はそれが一方的に助けて
もらってばかりだったと感じてたかも。
でもそうじゃないってことに気づかせて
くれて、何度でも十和子だけだって、
十和子だからこんなに好きなんだって
まっすぐ、一生懸命に伝えてくれる。
「好きよ十和子ちゃん。
ううん、愛してる。」
彼の言葉を、想いを受けて‥
今度こそちゃんと前に進むって
覚悟をすることが出来た十和子。
蓮次との未来のために、きっと
近いうちにマキに報告するって
話も出てくるんじゃないだろうか。
マキ、なんて言うだろうな‥
わかんないけど大事な妹の幸せを
心から願う兄だから、少し揉める
こともあるかもしれないけど最後は
認めて、応援してくれたらいいな。
~ひとこと~
恋愛って大変だなーって思います。
でもその分も、互いに想い合える
相手に出会えたら大変なことも
乗り越えようって思えるくらいに
強くもなれる、そういうものだ。
十和子と蓮次、この先もきっと
似たようなことで不安になったり
ギクシャクしたりもきっとある。
でもそのたびにこうやって想いを
確かめ合って一緒に前に進めば、
この2人はそれでいいと思うんだ。
だから2人のペースで、ゆっくり
幸せになってくれたらいいな。
そして‥十和子達のことばかり
で息吹とかおりのことにあまり
触れられなかったんですが‥
やっぱりまだちょっとはっきりは
わからないです、息吹の気持ちは。
でもかおりが女の子だからって
いう以上の感情、他の女の子達
以上の特別な感情を抱き始めてる
んじゃないかな‥とは感じました。
息吹に辛い顔をさせないために
そばでできることを頑張る覚悟を
決めたかおり、そして息吹は‥
この2人の話も次巻では少し進んだり
するのかな、そこも期待ですね!!