永久指名おねがいします! 第8巻

著:カナエサト 先生

蓮次に対して抱いていた自分の
思いにやっと気付けた十和子。

「友達だなんて…私ははじめから
思ってなかったのに…かんちがい
して…私…私は…はじめから…蓮次殿の
ことが本当は…ほんとうはずっと。」

倒れてしまった十和子がぼんやり
意識を取り戻すとそこには蓮次。
きっと夢なんだ…夢ならば…と少し
ずつ話し出す十和子だったけれど、
本当に大事な所は夢の中ではなく
現実に蓮次に伝えて謝りたいと言う。

実際は現実に蓮次がいるのだけどw
十和子の言葉や態度から、本人さえ
自分の気持ちに気付けていなかった
というだけで蓮次と十和子はずっと
同じ想いを抱いていたんだと気付く。

「…遅くなんてないから、
待ってるわ、いつまでも。」

熱で、夢の中だと感じてしまうくらい
虚ろな意識の中、蓮次の残していった
そんな言葉…夢じゃないのよとでも
言いたげに、蓮次は変装用につけて
いたメガネを十和子の元へ置いてきた。

さぁ十和子、あとは自分次第だよ。
…もう少しだけ、頑張ってみて!!

自分の本当の気持ちに気付いて、
でも1人ではどうにも出来ずに
相談相手として頼ったのが息吹。

そんな十和子に対して、きっと
つらいだろうに相談を受けようと
頑張る息吹…ほんと心から尽くす
タイプの人だよね息吹って人は。

でもそれで息吹は辛いだけなら、
そんな息吹を好きなかおりから
したらとても苦しいだろうと思う。

みんな、不器用なんだよねきっと。
十和子に悪気はない…でも彼女の
行動って結構残酷だよなと思った。

蓮次の彼女疑惑…かおり本人に
その真偽を確認しに行った息吹。
そこでガセだと知ることになって、
そこで息吹が考えたのは、その真実
を十和子に話すことだったんだろう。

かおりに頼んで自分で花束を作らせて
貰って、それを手に十和子の部屋へ。

告白ではなく、自分の好きな子と恋敵
の恋を応援するために…息吹って本当に
優しすぎるなって‥泣きそうになった。

本当に大好きだから、その子が何より
望むことが叶うように見守り応援する。
本当に大好きだから、なんとしてでも
自分に振り向かせて自分が幸せにする。

どちらが正解とかそういうのはない。
でも、前者ってすごく辛いと思うんだ。

優しさと強さと…でも、どちらだって
本当に大好きって気持ちに変わりない。

こんなに人を思って大切に出来る
息吹…個人的にはやはり十和子と
蓮次の恋を応援したいけど、いつか
相手がかおりでもそれ以外でもいい。

また本当に好きになれた人と両想いに
なれて本当の幸せを手に入れて欲しい。

緊張やら何やら、いろんな要因で
明らかにいつもと様子の違う息吹。
それを見て、何か辛いことがあった
のでは…自分に何かできないだろうか。

なんて早とちりで、十和子なりの
全力で彼を元気づけようともてなす。

そんなまっすぐな彼女に対して、
一時はこのまま真実を教えなければ
この楽しい時間は続くのかもしれない。

…そんなふうに思ってしまった息吹
だったが、ここで息吹は思ってしまう。

(やっぱりオレはこんな
十和子を裏切れない。)

こういう性格…ほんと彼の本気の
愛情表現なんだろうなって思う。
自分のことより、好きな子のこと。
何よりも好きな子の気持ち最優先。

つらいけど…ほんとすごいって思う。

「今日は伝えたかったんだ。
蓮次には彼女はいないって。」

蓮次とかおりが恋仲ではないと
知っても恐れ多いと慌てふためく
ことしかできない、どこまでも
自分に自信のない十和子に対し
息吹は言ってしまったようだ。

「…もっと自信もって。
十和子は十分カワイイよ。」

この言葉を十和子はどう受け取る?
人として好き?そう受け取る可能性も
勿論あると思うけど‥恋心なのよね。

この気持ちが本当の意味で伝わった
としても、十和子にとってはきっと
余計混乱する要素でしかないだろう。

でもここまでまっすぐな思いが
ちゃんと届くこともないのなら、
それは息吹が可哀想過ぎるとも思う。

ああ…ストーリーとしては本命の
2人の心が同じ方向き始めてて
すごくいい所なのかもしれないけど
息吹やかおりのことを考えると
なんかすごくすっきりしないぃw

~ひとこと~

お久しぶりの永久指名8巻です!!
なんですかね、モヤモヤしてますw

いいんですよ…でもなんだかすごく…
世の中にはきっと敵わない恋の
方が多いんじゃないかって思います。
だから息吹やかおりのように、自分の
好きな人が全く別の人を思ってるとか、
それを応援しようとしちゃう人だとか、
きっといるのかもしれないと思います。

でもね…やっぱすごくつらいんですよ。
そういう温かい心の持ち主さんには、
やっぱ心から幸せになって欲しい…
そう思えてしまうから、失恋した
ままだなんて…つらいなと思います。

ここから先、十和子は蓮次に対して
改めて想いを告げに行く勇気を出せる
のか。息吹の気持ちを受け、それを
台無しにしないためにも頑張ってほしい
ところですが…それもまた次巻ですね。

また少し先になるでしょうが、
9巻で続きをお話しましょう♡