著:カナエサト 先生

十和子は、蓮次の気持ちに
答えられなかった。その結果、
蓮次とは他人に戻ってしまう?
蓮次を傷付けてしまったこと、
他人になってしまうということ。
頭の中はそれによるショックで
いっぱいで、バイトもろくに
手につかず失敗ばかりしていた
十和子は、しばらくバイトには
来なくていいと言われてしまった。
その結果、余計にいろんな後悔
なんかでいっぱいになった十和子は
自分の部屋で塞ぎ込んでしまう。
そんな時、出版社から、小説
の進捗を訪ねるメールが入る。
それをきっかけに、十和子は
執筆作業に集中するために家を
出て一人で生活することを決意。
編集?・西門さんに相談すると、
話はトントン拍子に進んで、
十和子の真剣な表情にマキも
それを了承することにした。

一人暮らしを始めた十和子のもとに、
突然やってきたのは息吹だった。
そして突然の謝罪の言葉。
「ごめん、オレが余計なことを
言ったせいで蓮次と…ごめん。」
そんなふうに、頭を下げられてしまう。
確かに、曖昧な関係をハッキリ
させるためにけしかけるような
ことはしていたけど…あれはただ
十和子に進む道の選択肢の1つを
与えただけのことだったろう。
2人も正座して座ってるから土下座状態w
十和子が一人暮らしを提案してきた時、
里央は息吹にチャンスだ…なんて言って
きたけど息吹はそんなことしないだろう。
それがせこいとかそういう話でなく、
十和子が落ち込んだり悩んだりしてる
時に余計に悩ませるようなことは絶対
してくるような人じゃないってこと。
自分の気持ちとか後回しにしても
十和子が少しでも楽になる方法を
探して行動するような人に思える。
奥手なんだよね、でも今は息吹の
そんな優しさがすごくありがたい。
…結構可哀想ではあるけどもね。

その頃、ロイヤル(ホストクラブ)に
花を納品している花屋の娘らしい
かおりが、蓮次に話しかけていた。
最終的には相談事だったのだけれど。
かおりは息吹のことを好きなんだと。
でもここ最近息吹が十和子の家に1人
で入って…10分程度出ててくるもまた
来ると言っているのを聞いたと話す。
こんな話を蓮次にしたのは理由がある。
「蓮次くん、あの子(十和子)
のこと好きだよね?」
蓮次の気持ちに気付いてて、気に
なってるだろうってのでの人選。
正直言ってとても迷惑に思うがw
何より彼女、やってることは
ただの息吹のストーカーだった。
これらの情報も全部その成果。
おっかないわね、本人ストーカー
してる自覚ないからなお怖いわw
協力してほしそうなかおりに対して
初めは非協力的な反応の蓮次だったが…
一々男に絡まれて危なっかしいかおり
を見つけて、結果同行することに。
いいわけ…してるのかもしれないね。
十和子を諦めるために離れたのに、
まだまだ気持ちは十和子にあって、
忘れようとしたって気になって仕方
がなくて…マキから一人暮らしを
始めたと話を聞いた時は、自分が
いなくても独り立ち出来てるじゃない
なんてスネている様子が見て取れた。
やってることストーカーな子だけど、
勘だけは鋭いらしいかおり…厄介w

息吹の言葉に、十和子が頼んだのは
店の様子をたまに教えて欲しいという
ことだった。店のこと自体というより
蓮次のことが気になってるのかなって
どうしても思ってしまうけど…息吹は
そこらへんも察した上で話をする。
…何でも良かったのかもしれない。
自分が何かすることで、少しでも
十和子の気持ちが晴れたり、元気を
出してくれたり、出来るなら笑顔に
なってくれたらそれが嬉しいって…
息吹はそんなふうに思ってるの
かもしれないなって…まあ何より
会って顔を見れるのことだけでも
嬉しいんだろうなって思うけどw
息吹…ほんといい男だよ。
泣きたくなるくらいいい男だ。

かおりと蓮次が一緒にいる所を
写メを撮られて、2人は付き合って
いるのだと勝手に噂が流れてしまう。
十和子は、蓮次を思い出すから…と
パソコンを使わない生活をしていた
こともあり、掲示板などで広まった
その噂はまだ知らない状態だった。
それで、良かったのかもしれない。
いずれ知ったらきっとまた傷付くん
だろうなと、息吹からはそれを伝え
ようとはしなかった。その代わり、
また傷付いてしまった時に少しでも
支えられれば…とでも思ったのかな?
いや、素直にそうなりたいと思った
だけかもしれないけれどもww
「オレも…十和子と友達になりたい。」
「蓮次みたいに…名前呼んでほしい。」
突然の申し出に戸惑う十和子だった
けど、そこで妙な違和感を覚えた。
傍から見れば息吹とも既に友達
であるようにみえると思うんだけど、
十和子にとっては蓮次とは何か違う…
十和子はそんなふうに感じてしまう。
その違和感の正体は…?この時の
十和子にはまだわからなかったけど、
わかったらスッキリするのかもな~。

蓮次の様子がおかしい。十和子と
きっと何かがあったんだろうと
いろいろ考えてみた結果・・・
また彼は突っ走ったわけだが。
十和子は蓮次に恋をしていて、
でも彼女が出来たことを知って
それでショックで立ち直れなく
なったんだろうという思考に至る。
誤解だけど、かおりとのことなど
十和子は知る由もなかった。でも
それを聞いて、すごくもやもやした
気持ちになってしまった十和子。
でもそんなような気持ちには
前にも覚えがあった。蓮次の
実家に行った時に、姉のことを
好きだということを知った時だ。
血縁者を好きだということより、
好きな人がいるということに
ショックを受けた、そして今も。
友達として、とても大切な存在
だって、ずっとそう思っていた。
でも気付いてしまえば簡単で、
ずっと友達よりもっと、異性と
して好きだったから、自分は
こんな気持ちになったと気付く。
…自分の気持ちにやっと気付けた
けど、今の十和子にとっては多分
時既に遅しって感じなんだろうか。
十和子…大丈夫かな?

例のごとく、噂のせいで十和子と
息吹の様子を探るのをやめると言う
蓮次だったが、かおりの強行突破
で妙な変装までさせられてまた
十和子宅付近にやってきていた。
マキがやってきて玄関先で話を
していた時から、それを途中で
息吹が止めて息吹とマキが帰っていき…
それからそのまま玄関が空いたままで
30分…中から物音一つしてこない。
部屋からガタンッという音がして
不安にに思い十和子の部屋に入ると
十和子が部屋で倒れてしまっていた。
きっと、いきなりのことで頭が
追いつかなくなったのかもしれない。
…幻覚でなくて本物だけどねw
十和子はそのまま気を失った。
…この場で何を話していたか、
なぜ十和子がこうなっているか。
そういうとこまでは蓮次は何も
知らないのだけれど…さてね。
この状況どうなっていくんだろう。
~ひとこと~
マキ…また息吹の気遣いを無き
物にするような行動してくれたw
でもその結果十和子は自分の
気持ちにやっと気付けたんだろう。
そして蓮次も。諦めようと離れた
けれど、結局は気になって仕方ない。
そんな気持ちを打ち消そうと必死
だったけれど、強引過ぎるかおり
にひっぱられることを理由にする
ことで、十和子を諦められない
自分と結果的に向き合うことになる。
いろいろ振り回されてるけど、この中
で優しすぎる息吹が可愛そうで仕方ない
けど…この後、どうなってくんだろうね。
続きはまた次巻です!!