著:一井かずみ 先生

「余くんをN.Y.
(こっち)にくれんか?」
針馬先生。
向坂さんがソロ・デザインを
立ち上げる前に、お世話に
なっていたデザインの先生
…(上司?)といった感じだろうか。
そんな人から引き抜きの言葉。
針馬先生は余さんからしても
とても尊敬する、憧れの人と
いう感じのようで…余さん
一体どうするんだろうか。

「…ごめん 弱音 吐いた」
そんなふうに言う向坂さん。
なほは、向坂さんのために
何も出来ない…って感じてた。
でも実際は、なほがいるだけで
なほがいつも通りでいてくれる
それだけで大きな救いなのかも。
そんなふうに思った。

余さんに引き抜きの話が来て、
それがどうこうなる前に今度は
浦江さんにも引き抜き話が…。
受けようと思うと言った彼女に
相変わらず感情なんて無い録音
みたいな言葉を返す向坂さん。
最後なんだって、向坂さんに
本当に言いたかったことを
素直に伝えた浦江さん。
クサってた自分を向坂さんは
変えてくれた、向坂さんには
たくさん救われたけれど、自分も
向坂さんの助けになりたかった。
そんな思いを伝えてくれた。
いつだって、素直に言葉にする
ことに慣れていない向坂さん。
そんな彼に素直な言葉を言わせた。
きっとみんな嬉しかったろうな。
本音ではいっつも1人で我慢して
背中を押してきたような人だ。
本音で、きっと初めてまともに
本音を言ってくれた気がする。
これで、浦江さんが辞める
って話はなくなりました。

ちはるさんを撮影した時の
スナップ集、あの事故から
見れずにいたけれど、ハルが
死んで、見たくなって…でも
怖くて1人では見れなくて。
だからなほと一緒に見た。
その時、こんなふうに
向坂さんは言った。
夢みたいだって…
そんなことを言うから、
今にも消えてしまいそうな
虚しさを覚えたのだろうか。
行かないで…そんな思いか、
「俺がどうしようもない
男だって知ってるだろ」
そんなことないってもう
分かっちゃっただろうに…
今更そんなことを言うからか…

なほが向坂さんの胸ぐらを
掴んでキスをした…ベロチューw
このせいで、その夜向坂さんは
夢でエロいなほが出てきて…
「襲います」
なんて言われてしまったものだから
2人ともなんだかおかしいですw

今まで、そういう意味で意識
していないつもりだったらしい。
あんな夢を見てしまったことも
きっかけになって、こんな
ふうに考えだした向坂さん…
そんなふうになほを
見ていたんだね。
けどまだ心にいるのは、
ちはるさんだけなのかな…

ボーナスで貰ったお金でお礼も
込めて向坂さんにプレゼントを
用意したなほ。…喜んで貰えたら
いいなと思う反面、過去を知り
自分にはどうしたらいいのか
わからないと竦んでしまってた。
「…今まで ごめんな
今度…ゆっくり話そうな」
そんなふうに言ってくれた
彼に、竦んでた足が動いた。
~ひとこと~
向坂さんの本音を聞けた巻です。
なほの気持ちに関しては、
相変わらずなようで少しずつ
向坂さんに届き始めている、
そんな気がする5巻でした。
これから先はまだわからない。
わからないけど、なほなら
向坂さんの抱えるものを
一緒に抱えて、本当の笑顔に
させてあげることが出来る。
そんな気がする。