著: 中原アヤ 先生

クリスマス‥ミチコの誕生日
に温泉旅行にやってきた2人。
とても楽しそうにしていた
2人だったけど、旅先で昔の
同僚と再会することになった。
ミチコがいた部署の隣部署で経理を
していた彼女、香月(かづき)さん。
懐かしい話もそこそこに、喫茶店の
割引券を渡してその場は別れた。
久々の元同僚との再会に、改めて
黒沢さんと再会できて今の関係に
なれた幸せを噛みしめるミチコ。
本当にね、すごい確率だと思う。
幸せな気持ちいっぱいのミチコ
だけど‥彼女と会ってしまった
こと、店を教えてしまったこと。
ろくなことを招かないんだな‥
まあ、それはまた少し後の話。

「柴田、結婚しようか。」
突然‥ほんと突然のプロポーズ。
旅行からの帰り道、駅のホームで
電車を待っている間のことだった。
急すぎて、焦って慌てて大騒ぎして‥
「わかったよ、じゃあ
もう今のはナシだ!」
とか言われてしまって‥(笑)
なんとかOKするも…
「……そうか。」
その後は何事もなかったかの
ようにいつも通りの黒沢さん。
イマイチ実感わかないミチコ。
1年前のクリスマス、ミチコから
プロポーズのようなものをして
玉砕しているから、今年言っても
きっとダメだよな、焦っちゃダメ
なんて思いながらの旅行だった。
ミチコ的には全く予期してない
ものだったんだろうと思うから‥
きっと、気持ちが全然
追いつかないんだと思う。

急すぎてびっくりしちゃったんだって。
黒沢さんが自分のことをどう思ってる
のかも分からず自分だけ好きかもなんて
思いながらこれまでやってきたのんだ。
嬉しくて‥でも信じられなくて、
泣きながらそんな不安だったり
まとまらない気持ちを伝えていく。
「…主任、ほんとに私と
結婚してくれるんですか…?」
いつだってからかうような態度を
とっていた気がする黒沢さん。
人前での照れ隠しもあったろう。
それでも、ちゃんとミチコがいい
ってことを伝えてくれた‥ミチコは
これでやっと気付くことが出来たろう。
ちゃんと、愛されてたんだって。
ずっと両想いだったんだって。
プロポーズ、やっとちゃんと
受け取ることが出来たみたいね。

忘年会として集まった前の会社の
元同僚達、米田とふじもっちゃん。
旅行のお土産を渡し婚約報告をした。
その時に良くない話を聞いてしまう。
「香月さんて黒沢主任と
ウワサなかったです?」
「会社の飲み会のあと2人で消えて、で
次の朝香月さんのマンションから出て
くるとこ近所の人が見たんスよね。」
そして最後に忠告された。
「香月さんと関わった男性
社員がみんな言ってた。あれは
魔性の女だから気をつけろ。
つかまったら逃げられないって。」
所詮は過去のことだし、今はそんな
心配することはなにもないはずだ。
そう思おうと頑張っていたミチコ。
でも不安な気持ちは拭えないよね。
そんなある時‥旅行から帰ってきて
から何度か店で見かけることのあった
香月さん‥その何度目かの時の光景。
‥過去に何かあったんだろうな。
香月さんが仕掛けて、黒沢さんが
拒絶したっていう過去ならともかく
昔と言えば春子さんのこともある。
その頃は晶さんと付き合っていた
はずだけど‥わかんないよね。
たかが過去、でもその不安要素が
今身近にいる‥不安が募っていく。
この光景を実は見ていたミチコは
黒沢さんを問い詰める‥酔った
彼女を家まで送っていっただけ
だと彼は話していたけど‥
何もなかったと言ってたけど‥
なんかすっきりしないままだ。

(主任がなんにもないって言うん
だから信じましょう。お肉に免じて。)
香月さんとの疑惑の話をした
次の日、仕事から帰るとそこに
黒沢さんはいなかったが代わりに
ミチコへと大きな肉が用意されてた。
昨日のお詫びとして用意して
いてくれたものらしかった。
香月さんとのことの不安は一応
落ち着いて、今度は結婚すること
への不安がいっきにやってくる。
マリッジブルーというやつだろう。
それで大暴走するミチコに対して
黒沢さんは思い出したように言う。
「婚約指輪買いに行かねえとな。」
ミチコはほんと情緒不安定(笑)
でも彼女のこのわかり易すぎる
喜怒哀楽も可愛らしいんだろう。
見てて飽きない、楽しいんだろう。
不安な気持ちにはなる、でもそれを
いとも簡単にマリッジハイにして
しまった未来の旦那様だった。

南雲社長がミチコを食事に
誘いにやってきた。別に
デート的なものではなくて
最上くんも一緒にと誘われた。
そこで話してくれたことがある。
早くに父を亡くしたという彼は
母親に親孝行がしたいという一心で
努力し続け今の会社を作ったという。
半端な努力でできるものではない。
そんな母親が最近再婚した‥これ
までずっと母親のことだけを思い
努力してきたんだろうな‥突然に
生き甲斐をなくしたような状態。
彼の抱えていることってこれかな。
南雲社長にも、大切に思える恋人が
いたらこうはならなかっただろう。
母親がもう大丈夫なら、今度は
自分がそういう相手を探してみて
もいいかもしれないね‥もちろん、
ミチコ以外の女性でお願いしたいが。

店で何やら意味深なことを言っていた
あの日以降、ミチコは今日まで知らな
かったことだが、黒沢さんは酔っ払った
香月さんに呼び出されたことがあった。
その後も度々喫茶店に顔を出す彼女。
そんな帰り道と、ミチコの仕事帰り
ばったり二人は会ってしまった。
酔っぱらいに捕まって帰るのが
遅くなったようなことは言ってた。
その相手のことを、友達、知り合い
なんて言い方をしていた黒沢さん。
それなのに突然それの相手が香月さん
だと教えられ、酔っ払ったから家まで
送ってもらった、家の中まで送って
もらって‥体借りたって何よそれ。
正直意味がわからない発言だった。
彼女が何をしたいのかわからない。
「あなた達が結婚するのは
知ってるし黒沢くんを奪ったりは
しないよ。もういい大人だからね。」
そんなことを言いたいだけ言って
去っていった香月さんだった。
ミチコへの嫌がらせなのか、また
別の目的があるのかはわからない。
ただ、真実は謎だけど彼女の発言
にはどこか悪質な言い回しを感じる。
何もないと言い‥過去は仕方ない。
でも今は…今回のことだけは本当に
何もなかったんだと言ってほしい。
~ひとこと~
‥めっちゃくちゃ嫌な終わり方した。
香月さんて人が気持ち悪くて辛い。
南雲社長はまだよくわからないけど
言う程おかしなことはしてこないし。
ただこの女は本当に危ない気がする。
なんで突き放さないんだろう‥
客だから?そんな理由だったら
突き放してしまいたいくらい嫌。
‥ミチコ、大丈夫かな?
きっとこれから黒沢さんに
話を聞こうとするだろう。
もしかしたら怖くて聞けないって
なる可能性もあるけど‥聞いたら
黒沢さんは隠さずちゃんと教えて
くれるかな‥話してほしいな。
少し怖い所もありますが、続きはまた
3巻、お付き合い頂けたらと思います。