僕等がいた 第15巻

著:小畑友紀 先生

僕等がいた15-1

竹内くんだって分かってた。
矢野を助けられるのは、
きっとナナだけだって。

大切だった者、奈々さん、母親。
どちらも亡くしてしまった。
もう、ナナちゃんしかいないんだ。

僕等がいた15-2

もう会わないって言われたけど、
竹内くんから連絡が来た。
矢野のことを話しに来た。

諦めなきゃ、考えるの辞めなきゃ。
そんなふうに考えていたナナに。

昔からずっと仲良しだった。
恋人としても、友達としても。
矢野、ナナ、竹内いろいろ
あったけれど、今は恋人では
なくても大切な友達のまま。

だったら、友達としてでもいい。
矢野を支えてあげて欲しい。
ナナなら出来る。ナナにしか
きっと出来ないことだから…。

僕等がいた15-3

アキちゃんに言われた言葉。
きっと図星だったんだろうな。
図星過ぎて、今までいろいろ
理由つけて逃げてきたのに
ついに図星つかれちゃって。

そしてアキをつきはなした。
また逃げた、矢野はまだ
怯えているんだろうね。
大切な人に、また
裏切られることを。

僕等がいた15-4

アキの言葉を聞いて、山本さんの
お母さん(入院中)がそろそろ
やばいという連絡が来て…
矢野が向かった先はナナの家。

それでいいんだよ。
つらいことばかり背負い込む
必要なんて無いんだよ。
ナナちゃんは決していなく
なったりしない、裏切らない。

怖いかもしれない。
それでも、ナナちゃんだけは
信じて、諦めないでいて。

矢野は間違えてきたとか
言ってやがりますが…
きっとそれこそが本能。
そんな気がした。

僕等がいた15-5

山本母が無くなる寸前。

いつだって素直に気持ちを
伝えられなかった山本さん。

母親譲りの不器用さでね。

最後の最後になってしまったけど、
ちゃんと伝えられたんじゃないかな?
矢野は、ずっといろいろ遠回り
ばかりしてきたと思う…けど、
山本さんや奈々さんにとって、
大きな救いになっていたと思う。

いろいろあったけど、
そろそろ自分を見てあげなよ。
山本さん、きっともう大丈夫だ。

矢野は罪滅ぼしのため、山本さんは
矢野のその思いを利用して、
今までお互い利用しあって
一緒にいた。いいんだ、それは。

これでやっと、お互い開放された。
過去から、思いから。

僕等がいた15-6

山本さん、成長したよね。
ほんと、不器用すぎてずっと
から回っていたけれど、全てを
思い返してみれば、本当は矢野の
抱える思いを少しでも軽く
したかったのかもしれない。

奈々さんの死、過ち。
そこから生まれた罪悪感。

矢野への依存が、それを
余計ややこしくさせたけど、
不器用なりに、いろいろと
考えていたのかもしれない。

奈々さんも、バカだから、
やり方がほんと下手くそだけど
矢野はちゃんと愛されてた。

矢野のお母さんだって、最後は
依存が強すぎてだいぶおかしく
なってしまっていたけれど…
矢野のことをとても大切に
思っていただけだったんだ。

それもこれも、ちゃんと矢野が
向けてきた愛情がちゃんと
届いていた証拠なんだ。

「ありがとう」

誰も矢野を責めないよ。
矢野を1番責めてるのは、
矢野自身だったんだよ。

もう、大丈夫だよね。
矢野、真っ直ぐ前を見て。
もう、足枷は何もないよ。

~ひとこと~

あぁ、泣きました。
無駄に大泣きしました。
すすりすぎて鼻痛いっすw

前にも言ったかもしれないけれど、
矢野は、自分一人を犠牲にして、
みんなを幸せにしてきたなって。

奈々さんへの償い、ずっと
続いていたのかもしれないね。

もう、考えることは何もない。
いい加減、自分の本当の幸せを
求めてもいいと思うんだ。

ナナの元に、行きなよ。

次巻、最終巻です。