著:小畑友紀 先生

ややこしいことになってんな…。
てか跡取りて何さ…。矢野の
お母さんは参ってて、自分中心に
しか物事考えれなくなってる
かもだけど、美智子おばさん
は勝手過ぎると思う…。
ガンで参ってる彼女のとこに
こんなろくでもない話を…。
ほんと、呪いかってくらい…。
矢野家が、そんな悪いことしたかね?
幸せになるチャンスくらいおくれよ。

許すために来たのに、
死んでしまった旦那とよく似た
矢野の顔を見て、突然あんな
ことを思いついたのかも
しれないね。美智子おばさん。
矢野のお母さんはお母さんで、
美智子おばさんに息子を
取られまいと、なんか精神
おかしくなっちゃいそうだし。
ほんと、何で上手く行かないの。

矢野の母親が死んだ。
多分、自殺だったんだろうな。
精神的に不安定な状態の母親に
結構きついことを言った矢野。
言ってよかったとは思う、実際
あのままでいたら何もいいことは
なかっただろうから…でも、
ここまで思考がおかしく
なってるなんて思わないよ。
矢野は、ナナに会いに行こうと
していたんだ、その当日に
起きてしまったことだった。
なぜ、みんな矢野を不幸にするの。
なんで、矢野を助けられる人は
いないの…ナナも、アキも、
ほんとなら矢野を支えたい。
けど、矢野は頼ってくれない。
そのうち更に辛いことが起きて…
どうしたら良かったの?
何が正しかったの??
矢野…。
きっと、ナナや竹内くんと
連絡を取らなくなったのは、
これ以降だったんだろう。

昔、アキちゃんと矢野が話してた。
「いつか高橋を紹介
してねっ、『東京で
1番の友達』つって。」
「きっとお前と高橋
友達になれるよ。高橋も
お前のこと気にいると思う。」
ほんと、仲良くなったなww
矢野の言う通りになったね。
矢野は、今どこにいるのか
全然分からないけれど…、
ナナとアキが出会えたこと、
本当に良かったと思った。

竹内くんが矢野と会った時のことを
あの日、全部話してくれていた。
矢野はまた、自分を、自分一人を
責めて、自分の過去、大切にして
きたもの達を全て手放して…そのまま
1人でどこかへ行ってしまっていた。
ナナ、辛かっただろうな。
言葉では上手く言えないけど、
どうしようもない喪失感とか、
何も出来なかった後悔とか、
多分いろいろ…。
いまだに、矢野を夢に見る。
忙しく働くことで気は紛れても、
決して忘れることのない思いが
残っているのかもしれない。
竹内くんは、何も出来なかった
自分を責める。矢野は自分を
責める。ナナはたくさん後悔する。
誰も何も悪くないのに、
なんでこんな悲しい
思いをするんだろう…。

ナナは、運が良かったな。
これも矢野のおかげな気がするけど…
竹内くんがいて、アキがいて、
ナナすっごい恵まれているよ。
矢野はいないけど、1人で
いろんなもん背負って自分
だけ独りぼっちになって
しまってるかもだけど…。
矢野がいたから、矢野と出会って
きた、彼、彼女らは、とても良い
友人関係を築けている気がする。
だって、矢野がいなかったら、
知り合うことすらなかった
かもしないものね。
~ひとこと~
矢野の消息は一向にわからない
状態で今が進んでいきます。
けど、11巻最後の最後で…

苗字は違う…、けど
元晴…もしかしたら…
次巻、もしかしたら矢野が
見つかるかもしれません。