僕等がいた 第11巻

著:小畑友紀 先生

僕等がいた11-1

ややこしいことになってんな…。

てか跡取りて何さ…。矢野の
お母さんは参ってて、自分中心に
しか物事考えれなくなってる
かもだけど、美智子おばさん
は勝手過ぎると思う…。

ガンで参ってる彼女のとこに
こんなろくでもない話を…。

ほんと、呪いかってくらい…。

矢野家が、そんな悪いことしたかね?
幸せになるチャンスくらいおくれよ。

僕等がいた11-2

許すために来たのに、
死んでしまった旦那とよく似た
矢野の顔を見て、突然あんな
ことを思いついたのかも
しれないね。美智子おばさん。

矢野のお母さんはお母さんで、
美智子おばさんに息子を
取られまいと、なんか精神
おかしくなっちゃいそうだし。

ほんと、何で上手く行かないの。

僕等がいた11-3

矢野の母親が死んだ。
多分、自殺だったんだろうな。

精神的に不安定な状態の母親に
結構きついことを言った矢野。
言ってよかったとは思う、実際
あのままでいたら何もいいことは
なかっただろうから…でも、
ここまで思考がおかしく
なってるなんて思わないよ。

矢野は、ナナに会いに行こうと
していたんだ、その当日に
起きてしまったことだった。

なぜ、みんな矢野を不幸にするの。
なんで、矢野を助けられる人は
いないの…ナナも、アキも、
ほんとなら矢野を支えたい。
けど、矢野は頼ってくれない。

そのうち更に辛いことが起きて…
どうしたら良かったの?
何が正しかったの??

矢野…。

きっと、ナナや竹内くんと
連絡を取らなくなったのは、
これ以降だったんだろう。

僕等がいた11-4

昔、アキちゃんと矢野が話してた。

「いつか高橋を紹介
してねっ、『東京で
1番の友達』つって。」

「きっとお前と高橋
友達になれるよ。高橋も
お前のこと気にいると思う。」

ほんと、仲良くなったなww
矢野の言う通りになったね。

矢野は、今どこにいるのか
全然分からないけれど…、
ナナとアキが出会えたこと、
本当に良かったと思った。

僕等がいた11-5

竹内くんが矢野と会った時のことを
あの日、全部話してくれていた。
矢野はまた、自分を、自分一人を
責めて、自分の過去、大切にして
きたもの達を全て手放して…そのまま
1人でどこかへ行ってしまっていた。

ナナ、辛かっただろうな。
言葉では上手く言えないけど、
どうしようもない喪失感とか、
何も出来なかった後悔とか、
多分いろいろ…。

いまだに、矢野を夢に見る。
忙しく働くことで気は紛れても、
決して忘れることのない思いが
残っているのかもしれない。

竹内くんは、何も出来なかった
自分を責める。矢野は自分を
責める。ナナはたくさん後悔する。

誰も何も悪くないのに、
なんでこんな悲しい
思いをするんだろう…。

僕等がいた11-6

ナナは、運が良かったな。

これも矢野のおかげな気がするけど…
竹内くんがいて、アキがいて、
ナナすっごい恵まれているよ。

矢野はいないけど、1人で
いろんなもん背負って自分
だけ独りぼっちになって
しまってるかもだけど…。

矢野がいたから、矢野と出会って
きた、彼、彼女らは、とても良い
友人関係を築けている気がする。

だって、矢野がいなかったら、
知り合うことすらなかった
かもしないものね。

~ひとこと~

矢野の消息は一向にわからない
状態で今が進んでいきます。

けど、11巻最後の最後で…

僕等がいた11-おまけ

苗字は違う…、けど
元晴…もしかしたら…

次巻、もしかしたら矢野が
見つかるかもしれません。