僕等がいた 第10巻

著:小畑友紀 先生

僕等がいた10-1

なんか、矢野のお母さんがやばい
気がする…。体調とか、働き過ぎ
やら金欠によるストレスとか…

矢野は矢野で、金銭面については
気付いてるけど、体調には多分
気付いてない…何もなければいいが。

僕等がいた10-2

山本さんが矢野の家に来た。
手紙で予告していたけど、

矢野は山本さんからの手紙
なんて見ないし、来ること
すら知らなかった…そこに
偶然にもアキちゃんが
居合わせたわけだが…。

何なんだろこの山本という奴は。
彼女でもない、こんな子が
いきなり来てこんなこと言って。
頭がおかしいと思ってしまう。

過去のことはあれど、まぁ
矢野が罪悪感とかかな?
構い過ぎたのも絶対原因だけど、
それでも絶対頭おかしい…。

ヤダ…ほんとイヤだこの子…。

予想は出来たけど、矢野は
冷たく言い放った、迷惑って。
けど、アキちゃんが引き止め
ちゃってね…同情したんだろう。

今までのことを知っている人なら
引き止めたりしなかったのかも
しれないけど、何も知らなければ
庇ってしまうのかもしれないね。

過去を知っている私には、
どうにも理解できないけど…。

またややこしいことに…
アキちゃんには全く悪気
ないから尚厄介ですよね~w

アキちゃん、いい子なんだけど、
たまに困ったことをしでかす。

僕等がいた10-3

山本さんの、妙に自信がある
ような態度や行動、確かに
そういうことだと思う。
過去があるから…。

アキちゃんはさ、最低って
言ったけど、過去だよ!?昔。
それもナナと付き合う前の話
だし。そんな前のことで最低も
何も、仕方無くないかい!?

まぁ、アキちゃんは細かいこと
知らないから仕方ないかもしれない
けど、矢野を、矢野とナナの
関係を一方的にひっかき回そうと
しているのは山本さんなんだ。

矢野は、ちゃんと前を
向いていて、いつもそこに
過去を持ちだして矢野が進む
のを邪魔してくる、山本さん。
ほんと、何なんだよ…。

あの時のこと、間違いでもなかった
ことにしないでと彼女は言う。

けど矢野にとっては後悔でしか
無くて、間違いでしか無くて…
山本さんが1人でどう思おうと
構わないけど、押し付けられた
って仕方のないことで…。

なんで、矢野を不幸にしている
ことに気付けないんだろう。

好きなら、幸せになって
ほしいと思えないんだろうか。

こんなのは恋ではない、
ただの依存だよ、山本さん。

僕等がいた10-4

矢野の母親が、癌になった。

やっぱり、ずっと体調悪かった
のこれだったんだろうな…。

矢野は、相変わらず笑ってる。
多分、いろいろ大丈夫って
自分に言い聞かせてる感じだ。
全然大丈夫じゃなかろうに。

母親を支えてあげなくちゃ、
自分がしっかりしなくちゃ。
そういうのが強いんだろうな。

ほんとはしんどくても、
こういう時無理しちゃう
性分なんだろうな…矢野。

僕等がいた10-5

ナナのことをよく知らない、矢野の
転校先の女子達はそんなことを言う。

けど、矢野をちゃんと見てる
アキちゃんにはわかったのかな?
まぁ、詳しいことなんて
知らないだろうけどね。

タイミングなんて、最悪だった。
合ったことなんてなかった。

それでも、2人は思い合ってた
し、支えあおうとしてきた。

矢野とナナだから、好き合って
付き合うことになったんだよ。

わかんない人には言わせておけば
いいけど、そんな単純じゃないよね。

僕等がいた10-6

矢野は、自分一人で溜め込む。

何よりも、友達や恋人、親、
自分が大切に想う相手を
優先しようとするから。

それで、親の体調が悪いのも
金銭的にすごく厳しいのも、
大学行けないかもなことも、
何もナナに話していない。

でも、限界があるんだって。
1人で抱え込むには限界がある。

ナナが知ったら、絶対嫉妬とか
してしまいそうだけど、それでも
今の矢野にはこうやって言ってくれる
アキちゃんの存在は必要だと思った。

アキちゃん、矢野のこと好きだけど
山本さんみたいに悪質なことは絶対
しないと思う、親友になれる域。

だって、何よりも矢野の幸せを
願ってくれてるじゃないこの子。

矢野、大切すぎてナナや
竹内くんに話せないなら、
今はアキちゃんに頼って
いいと思うよ…。

~ひとこと~

上手く行かない…
矢野には、厄病神でも
付いてるんじゃなかろうか。
神様は不公平だね。
矢野にばかりこんな試練を
与えるのはどうしてだろう。

矢野は、いつかこういう
つらいことから開放されて
本当に幸せな笑顔を浮かべる
事ができる日が来るんだろうか。