僕が僕であるために。 第3巻

著:葉月抹茶 先生

入れ替わっている最中の歩。
うん‥何かどうにも出来なかった
ことが過去にあったりするのかな?

それで常に諦めれば‥なんていう
思考を持つようになったのかな?

比べて駿は基本気を使いすぎて
消極的な所はあるけれどそれは
物事をあきらめたくないから
ってのがあるからな気がしてる。

実際のとこ‥歩と駿どっちが
明るいっていうんだろうね。
なんかわからなくなってきた。

(知らないうちに株が上がっていた)

‥あんな考え方をしていた歩の
行動によって、駿が知らぬ間に
駿の株が上がっていたらしい(笑)

みんなで集まった時の、どこか
余所余所しい3人の様子が気に
なっていた駿は、歩のフリを
して美雪達に話を聞こうとする。

そこで初めて、美雪の康平への
気持ちを知ることになったが、
あの微妙な空気はそれだけが
原因ではないことがわかった。

「紗奈には絶対行っちゃ駄目!」

紗奈の、みんな昔のまま友達で
いたいという気持ちを美雪達も
知ってる‥自分の気持ちのことを
紗奈に話したらきっと一生懸命に
応援してくれるだろうと思うけど、
行動に出て上手く行かなかったら
もっと距離をあけることになる‥

「みんなで仲良く居続ける
ためにはこんな気持ち隠して
おくのが一番なんだよ。」

美雪は自分の気持ちを隠すことを選んだ。
だから、そのためにも康平にはあまり
会いたくないのだとも話していた。

‥つらすぎるよ、そういうの。
男女の友情は脆いものだと思う。
でも、ここまで大人数だとね、
それだけじゃないものが邪魔を
して前に進めなくなることも
あるってことなのかなぁ‥。

登校中、偶然にも千尋と歩が会った。
そこで少し昔の話を聞いていた。

「そっかあ…柿原さんは
駿のこと好きなんだね。」

という結論に至ったわけで。
駿と同じ顔をした歩が話す
練習台になろうなんて言って‥

ほぼ一方的にそんな話をして
去っていった歩だった(笑)
ほんとなんていうか自由よね。
それも歩のいい所かもだけど。

正直言って、歩を本当に信用
して大丈夫なのかわからない。
悪いやつではないのかもだけど‥
なんかいろいろと不安なこの頃。

昔からの6人の中で唯一まだ
再会できていたなかった優、
彼が紗奈達の学校に遊びに来た。
彼は進学校に通っているらしい。

そんな優と歩、実は家が近所で
知り合いなようなのだけれど‥

なんだか歩に対する態度が
そっけないというか‥冷たい?

その詳細はわからないけど、
優は他のみんなが知らない
歩の一面を知ってるとか、
そういうことなんだろうか‥?

ある時、紗奈が階段を踏み外し
落ちてしまった‥そこに一緒に
いたのは歩のフリをした駿。

結構下の方の段から落ちたので
怪我はなかったが、受け止めた
駿が紗奈を抱きしめる形になる。

駿の中では何事もなくて良かった
って話になるところだったろう。
でも紗奈の中ではいろんな思考で
頭の中パニックだったみたいだね。

この後、紗奈は逃げ出してしまう。

(どうしよう、どうしよう。
どうしよう…!私もしかして
歩くんのこと…もしかしたら-)

顔を真っ赤にして走る紗奈‥彼女の
思考にはそんな言葉が浮かぶけど‥
肝心の続きは出てこなかった。

好きに、なっちゃってるのかも。
でも、彼女の頭に浮かんだ記憶の
歩は、歩のフリをした駿だった。

‥これはね、だめだよね。
1巻のラストの話はきっと
まだ少し先に出てくる話だ。

でも確かにこのままじゃいけない。
紗奈が傷つくところまで、もう
カウントダウンが始まってるかも。

駿の誕生日の日、結局ほとんどの
準備に歩のフリをした駿が参加
してしまったので今更サプライズ
に驚くことも出来ないだろうと
当日も入れ替わることになった。

紗奈は駿を驚かせるのを楽しみに
しているからって理由でのこと。

パーティー会場の準備をしてる
間、やっぱりなんだかぎこちない、
余所余所しい空気感がすごくって
駿は‥歩むのフリをして口を開く。

「みんな殻かぶってない?」

再会した日は仲が悪そうだった
優が真っ先に賛同してくれる。
ここから、場の空気は変わった。
みんなふざけながらも、すごく
楽しそうに準備を進めたのだ。

またそんなみんなの楽しい時間、
少しずつなら取り戻せるかも‥

昔と同じではなくたって、大事な
友達に違いはないならきっと。

駿のフリをした歩を呼び出してからの
パーティーは皆楽しそうにしていて
とても楽しい時間だったと思う。

その途中、ふと歩がトイレで席を
立つところ、一緒に駿も席を立つ。

「今日は本当にありがとう。
入れ替わってくれて。」

トイレでそんな会話をしていた所、
先程の話を聞かれたのか‥それとも
もっと前から勘付かれていたのか。

だとしたら、準備をしている時に
駿(歩のフリ)に対して有効的な
態度をとったのにも納得がいく。

これを誤魔化すのか、いや‥
誤魔化せない気もしているけど。

どうなっちゃうんだろう彼ら。

~ひとこと~

少しずつながら順調‥
とはいかないようです。

優がどんなやつなのか、歩の
何を知っているのか‥次巻で
明らかになるんだろうか。

気になる展開です。
また4巻、良かったら
お付き合いください。