著:あべ美幸 先生

「海棠さあ、子供の頃の
記憶がないって本当?」
そんなことを聞いてきたのは榎本。
嫌味っぽく近付いてくるのはいつも
のことだし、そんな態度にすごく
嫌な顔をする零もいつものことだ。
でも、そんな榎本の行動は、
古高先生のいうように決して
仲が悪い相手に対するものには
見えないんだよね。どちらかと
言うと古高先生を警戒して、
零を心配してるようにも思える。
まあ、零は榎本を嫌ってるがw
にしても、古高先生も過去に
何か抱えてるんだろうかね。
それとも、零に対して何か
をしようと企んでる…とか?
なんとなくそんな空気感が…←
気になる所です。

夏生がまだ幼かった頃、母親が
入院していた病院でよくお世話に
なっていた先生は、今は零の学校
の養護教諭である篁先生だ。それに
夏生は気付いたようだったけれど、
篁先生の方は気付かなかった。
何より、その頃のことなど
何も覚えていないのではないか。
そうに思ってしまう夏生は
とても寂しいことを言った。
「どのみち覚えてないって
ことはむこうにとってそれは
『よくあること』大して
価値がないのと一緒だろう?」
でも零は違うことを思ったようで…
篁先生本人のその頃に関する記憶や
思いは、本人にしかわからないし、
…夏生のこんな思い、いつかは
晴れてくれたら良いなと思った。

零の一言から、篁先生の昔の
話が話題になった。少しでも
思い出すきっかけを…とでも
思ったのかそうでもないのかw
でもその言葉から、少し
だけ篁先生の過去に何か
あったことが分かってきた。
それが夏生と関係あるか
どうかはまだ謎だけども。

「押してダメなら引いてみれば?」
夏生のそんな気まぐれのような
提案を、真に受けてしまった零。
とはいえ、その作戦は晴には
予想以上に効果的だった。
理由をつけ、晴ではなく夏生と
一緒に居る時間を増やし始めた零。
寂しさと嫉妬で情緒不安定な晴w
零に対しまだ子供だからといろいろ
ごまかし続けて来たことを、夏生に
突きつけられてしまった晴だった。
「大人と子供の境界線なんてない
んだ。引いたのはお前だ、晴。」
それがきっかけになったのかもしれない。
零が望む本気を出しかけた晴…だったが、
零、泣きましたwww泣いちゃったww
本気のなんかしたら零は泣くと
予め言っていた晴だったんだけど、
痛くて泣いたわけではないらしいw
「(俺は、恥ずかしさで死ぬ。)」
いやでも…悪い傾向ではないだろう。

「いつか少しでもお前のこと
を思い出してもらうと良い。
お前もそう努力しろ。相手に
とってどうでもいいと思うな」
「大切なことをどうでもいいなんて
言っているが、ただ臆病なだけだろう?」
零のそんな言葉がきっかけになった
のかもしれない。少しずつ、それも
やんわりと自分はあの時の子供だよ
アピールを始めたように思えた夏生。
…この様子だと、篁先生は昔のことを
忘れてるってより夏生がその少年だと
気付けてないだけじゃないかと思える。
記憶の中の少年と夏生が繋がる
のもそう遠くはないかも!?

過去の忘れてしまった記憶を
思い出させたり、また捻じ
曲げて記憶として植え付けたり。
後者はまあ怖いから置いといて、
そんなことが可能だと話す古高
先生に、あるお願いをした零。
篁先生が昔のことを思い出す
手助けができればとでも思って
の行動かなって思えたんだけど、
それで晴の家のバーに来ていた
2人…話の途中で急用で帰って
しまった篁先生に変わり、晴が
酒の相手をしていた時だった。
零と話すように古高先生は
晴にもいろんな話をしてくる。
そして、本人も気付けていない
心の中にまで入ってくるんだ。
『贖罪』…海棠の両親への?
なんだかんだ幸せそうに
思える海棠家…きっとすごく
幸せは感じてると思うんだ。
でも、晴のどこまでも自分以外を
大事にしているような性格には、
そういう贖罪…的な理由がもしか
したらあるのかもと思った。
…にしても、古高先生のこういう
鋭い言葉には、いつもどうしても
怖いって気持ちが先にくるな。

朝倉さん、覚えてますでしょうか?
1巻からいました。というか、1巻で
ろくでもないことしでかして、彼ら
の前から消えたと思われていた女性。
晴のホスト時代、ナツにご執心で
ストーカーになってた人ですね。
あの場では、今後海棠家の者に
近付かないようにとだけ話して
警察に通報したりはしなかった。
それが、まずかったのかもな…
彼女、あの頃以上に頭おかしく
なってるみたいですね…ここで
会ったのは偶然か必然か…彼女は
歩道橋の階段から晴を突き落とした。
その時は、古高先生の忘れ物を
届けに外に出ていた晴。連絡を
貰ったのに中々来ない晴を心配
してか、歩道橋まで戻ってきた
らしい古高先生に晴は発見されて
そのまま救急車に運ばれていった。
雨の日、酒も入っていた晴。
それで彼女の行動に対処する
のが遅れたのかもしれない。
…晴、大丈夫だろうか。
こんな終わり方…ちゃんと
いつもどおりの晴が目を
覚ましますように…。
~ひとこと~
10巻でした!!
いやはや…いろいろあったけど
橘とかそこらの話は結構おもしろ
おかしくて、平和だと感じた。
あとは夏生と篁先生はこの先
どーなるのかな~まだしばらく
時間がかかるかもしれないなと。
何より橘が間にいるからね今w
あと、零と晴もまあ順調かと。
いろいろ、順調に思えたの。
ただ、古高先生の過去にも
何かあるようだし彼の行動
だけは気になるものがあったが。
…まずは晴が心配で仕方ない。
11巻はまた大分先ですよね。
待ち遠しいけど…待ちましょう。