著:あべ美幸 先生

「俺はいつお前と
セックスできる?」
晴の怪我もほぼ治り、元通り
零は晴の部屋で一緒に寝るの
を再開しようとしていたが…。
突然こんなことを言い出す零。
断固拒否する晴だったけど…
「何故?俺が男だから?」
更に質問が返ってきた。
…それにしても、随分煽り上手に
育っちまったもんですね彼は。
晴の怒りに対して返ってきた
答えはあまりにひどくて…ww
「……お前バカじゃないのか?全部
お前が俺にしたことだ。自分で
やってて判らないのかこのド阿呆!!」
あーあ、晴さん恥ずかしいわww
晴が零を煽れば煽るほど、零は
それを覚えてどんどん青い上手に。
…いろいろやばいわね~ww

晴は、あの事故以来海棠の両親の
墓参りに一度も行ってないらしい。
でもそれには、海棠兄弟それぞれの
事情だったり思いだたりがあっての
理由があったようだった。確かに、
こんな状況で晴が自ら行こうと行動
するのは…中々厳しいもんだと思う。
亜樹や蒔麻が誘うのも、まあ無理
だろう。4人の中では、零がもし
行こうと言い出すことが出来たなら
奇跡的にみんなで墓参りに行くと
いうことも出来るかもしれないけど。
…亜樹と蒔麻はもちろん、相模の家族
(亜樹と蒔麻の祖父母)にもあの事故は
晴のせいだと責められていたらしいし
…当時の晴には誰一人彼を許してくれる
存在はいなかったのかもしれないね。
それくらい、つらい事故だった。
今でこそ関係が良好な状態に
戻った兄弟だけど…もうあの頃の
ようなことは繰り返したくない。
そういう思いが、今の彼らをそう
させてるんだろうな…でもいつかは、
きっとまだ抱え続けている不安とか
そういうのから開放されて本当に
幸せになれたその時は、ちゃんと
墓参りに行けたらいいなと思う。

『篁 志朗(たかむら しろう)』
6巻になって、やっと出てきた零の
学校の養護教諭の名前がこちらですw
篁先生、なんで今いきなりこんな
感じになっているかといいますと…
以前例のボロアパートの掃除を
零がやってましたよね。そこに
新しく引っ越してきたのが彼w
なんかいろいろ金ないみたいで、
ここに飛び込んできたらしいです。
というわけで…零としてはまあ
ありがたいだけだろうが、篁先生
からしたら悪魔とご近所さんに
なったわけでして…がんばれw
零の質問攻めにいつもいつも
困り果てているようですが、
今後も頑張って答えてくれw

「お前は俺のものじゃないから。」
そう言って、女達が晴に集まることを
ずっと不満に思っていたと告げた零。
セックスをすれば、少なくともただ
の弟ではなくなるからマシだ…とも。
「俺を自分のものにしたい?」
「したい。」
「じゃあ俺のこと、
愛してるって言って?」
「それはできない。言えば、この
言葉はお前を縛る。お前の意志に
かかわらずただお前は『弟』の俺
の望みを叶えようとするから。」
ずっとこうやって1人で悩んできた。
その結果、明らかにおかしな行動に
出てしまうこともあって晴を本気で
怒らせてしまう零だったけど…。
ほんと、この2人は相手のことばかり
考えて自分が前に進めなくなってばかり。
この日実は、海棠の両親の命日だった。
ここ最近…毎年のことらしいが晴はすごく
精神的にも不安定で体調も悪そうだった。
…ずっと眠れていなかったのかもしれない。
零と話をして、零の気持ちを再確認して、
やっと安心出来る場所に戻ってこられた
のかもしれない。晴はこのまま寝落ちw
「(―まあ、こんなんでも
俺のものなら仕方がない。)」
やっとほんとに両思い…かな?
一先ずおめでとう、零・晴。

数日ぶりにちゃんと眠れた晴。
「晴、お前寂しいんだろう?」
あの日、カナダから帰ってきた日、
帰りの車の中で海棠父がそう言う。
ずっと夢に見ていた内容…でもその
先がずっと思い出せなかった晴。
「だからな、あの零くんは海棠
家の末っ子になることが決まり
ました!!晴、お前よろしくな!」
「だってあの子カナダに俺が迎え
に言った時のお前にそっくりだった
んだ。犬のうしろにかくれてずっと
不機嫌で。一言も口きいてくれない
お前にそっくりだったんだ。一目
見て思ったよ。運命なんだ、って。」
そんな、父親の笑顔と言葉を
思い出して、ようやく晴の中で
決心がついたのかもしれない。
零はやっぱりすごいな。きっと
零がいなかったら、晴は今も
こんなふうに生きてなかったろう。
零を海棠家に引き込んでくれた
海棠の両親に…ほんとどれだけ
感謝しても足りないくらいだよ。
ちゃんと、報告しておいで。
~ひとこと~
いろいろ…ほんといろいろと
ハプニングも多かった6巻です。
でも最後には、すごく良かった
と心から感じた巻になりました。
家族で弟で、でもそれだけじゃ
なくてきっと誰より愛しい存在。
そんな零のおかげで、晴が笑顔の
裏に抱える不安や後悔なんて思い
が少しずつ解消されてってます。
逆に零のそういう不安な思いも、
晴によって悪化しそうになる時も
ちょいちょいありますが最終的には
いい方に進んでんじゃないかな~
と、そんなふうに感じています。
これからのSUPER LOVERSは
どんなお話が描かれるのか?
温かい海棠家と、その周辺を
この先も見守っていきたいです。