どうせもう逃げられない 第4巻

どうせもう逃げられない4

著:一井かずみ 先生

どうせもう逃げられない4-1

なほを使っての取り引き(脅し)
を1度は断られ、なほに着信拒否
されながらもまだ諦めない粕谷さん。

だが今度は本格的にやばいことを
言い出す…この取り引きに乗らない
のであればなほを事故にあわせる。

表向き言葉を多少は濁していたが、
要するにそういう脅しをかけてきた。

ほんと渋々だったのかもしれない、
けれどこれで向坂さんが6年ぶりに
デザインの仕事をすることになった。

どうせもう逃げられない4-2

向坂さんはなほに対して、今回の
脅しの件を話そうとはしなかった。
けれど、偶然それを知ってしまった
なほは、粕谷さんを脅しに行った。

ガラにもなくとはこのことだ。
最初に粕谷さんが向坂さんを
脅してきた時の内容だろう。
それに関する証拠というか、
粕谷さんが明らかにフリになる
モノを持って行って、こう言う。

「おわかりですね?私と
ソロ・デザインから一切
手を引いてください。」

これによって、向坂さんの
デザインの仕事は白紙に戻る。
なほが何かやらかしたんだと
気付き物凄い怒る向坂さん。

「もう一度はっきり言っとく
俺はこの先も社員とつき合う
ことは考えてない あんたが
報われることはないんだぞ?」

その上またしっかりと振られて
しまうなほだったけれど…なほは
ほんと強い、すごいよほんと。

向坂さんの指切りになほは

「ありがとうございます!!」

そう言うとこう答えた向坂さん。

「ありがとうはこっちだろ あほが」

向坂さんの”あほ”が
“そばにいていい”って聞こえた

報われないと言われても、
何度も何度も振られても、
なほはずっと向坂さんを
好きでいるんだろうと思った。

どうせもう逃げられない4-3

仕事で、向坂さんと二人で
名古屋に行くことになったなほ。
その時、実家から連絡があり、
犬のハルが死んだと聞かされる。
元々は東京で向坂さんが飼って
いた犬で、引っ越しの際に一緒に
住める場所がなく実家に預けた。

亡骸にはおきたいということで
一緒に実家に行くことになる。

向坂さんの兄柾己さんもいて…

「どうして4年間一度も
帰ってこなかった?」

「…帰れない 帰れるわけがない」

ちはるさん…

向坂さんの抱える過去。
まだよくわからないけれど、
やはりこのちはるさんという
人に何かがあったんだろう。

向坂さんが心配だったのか、
機転の利いたなほの一言で
なんとかこの場は解散した。

でも多分この時のショックが
かなり大きかったんだろう。
ハルが死んだのもきっと大きい。

名古屋から帰る途中、
向坂さんが倒れた。

一時的なもので、心か体に
なにか強いストレスがかかって
のことだろうということだった。
ほんと、どうして向坂さんは
一人でこんなに苦しんでるんだ。

どうせもう逃げられない4-4

向坂さんのデザインには、盗作
と言われているモノがあった。

それは前に余りさんがなほに
見せてくれた、最後のデザイン
だと言われているものだった。

それ以外の作品とは、全然
違った温かさのある作品。

記録上では、馨さんが撮った
写真だということになっている。

けど事実は…

「この写真撮ったの
俺じゃないんだ」

「拓己なんだよね 撮ったの」

「この女性はちはるさんっていって
拓己の兄貴の嫁さんなんだよ」

「こんな愛の告白みたいな
写真 拓己は自分の名前
では世に出せなかった」

なほと向坂さんが名古屋にいる時、
粕谷さんによってひどく荒らされた
向坂さん盗作疑惑についてのスレ。
それを偶然見た余さんと浦江さん。

(浦江さんはライターさんです)

そんな疑惑が広がる中、
今まで明かしてこなかった
らしい真実を馨さんが語った。

結局のところ、まったくもって
盗作ではなかったのだけれど…

思いが入りすぎて、それほど
までに違って見えるモノが
出来上がってしまったんだね。

どうせもう逃げられない4-5

拓己さんの嫁と不倫していた。
ちはるさんのこと、あのポスター
のことをなほはまだ知らないから
上手く繋がらないかもしれない。

けど、その人を殺したという。
それだけの言葉では、真実は
まるでわからない…わからない。

どうせもう逃げられない4-6

小さい頃から、実はずっと
ちはるさんが好きだったみたい。
ちはるさんには柾己さんがいて…
自分の思いはずっと隠してきた。

仕事で、よく名古屋に来ていた
ちはるさんを、部屋に泊める
こともしばしばあったらしい。
だからといって今まで過ちが
起きることはなかったのだけど…

あることがきっかけで、たった
1度の過ちがおきた。いや、
…ちはるさんの過ちをなかった
ことにするために過ちを犯した
…ということにしようとした。

そんな次の日の帰り道。
雪の降る中ちはるさんを
車で送っていった向坂さん。

『雪で視界が悪く

飛び出してきた小動物を
避けようとしてハンドルを取られた

そこまでは覚えている

ちはるは即死だった
後部座席でシートベルトを
してなかったのが災いした

彼女のいた世界を 永遠に
閉じてしまったのは 俺だ』

…これが真実か。
私の言葉では上手く真実を
伝えられていないかもしれない。

けれど…きっと誰も悪くない。
ただ少し間違えてしまったことと、
ちはるさんが亡くなったのは事故。

~ひとこと~

向坂さんの過去が明らかになった。
なんか…温かくて優しくて、
そして切ない思いがあって…

そんな思いのまま、ちはるさんは
この世からいなくなってしまった。

向坂さんの抱えるものは、
1人で抱えるには大きすぎる
ものなんじゃないだろうか。

…だからこんなにも、
いつも苦しそうなんだ。