死神坊ちゃんと黒メイド 第10巻

著:イノウエ 先生

ウォルターに会いたかったんだろうけど
顔を隠すのはやめてもまだ自信のない
ダレスは話しかけに行くことも出来ず
ただただ遠目で眺めているだけだった 笑

そんなダレスと付き添い出来ていたケト
ちんを見つけて話しかけたのはヴィオラ。

話しかけられ連れていかれ、魔女のボスは
10代女子のされるがままで‥今に至る 笑

顔の傷を気にするダレスにメイクをして
髪を整えて、めっちゃくちゃ可愛いな!!

ヴィオラがいろいろいじっている間、
顔の傷のことでシャーデーを思い出して
しまって、ダレスは恐怖で震えていた。

そんなダレスの事情なんてヴィオラは
知らないだろうけど、何も聞かずに
ぎゅっと抱きしめたヴィオラには、
なんかちょっと涙が出そうになった。

可愛いメイク、髪型もオシャレして‥
ウォルターが気の利いたコメントを
くれることはなかったけど、どんな方法
でもいいからダレスが姉の恐怖や過去から
自分を解放できる日が来たら良いね。

ヴィオラなら、そんなダレスを支える
こともできるかもしれないって少し
だけヴィオラが頼もしく見えたお話。

あと気の利いたことは出来ずとも去り際
ダレスが見せた遠慮気味な笑顔にドキッ
としたウォルター‥嬉しい変化だった。

魔術学校の件、本当は呪いに無関係の
ヴィオラを危険な目に遭わせたくないと
考えた坊ちゃんはヴィオラを誘わない
選択をした‥んだけど、彼はどうにも
隠し事が出来ない性分のようで 笑

様子がおかしいことで隠し事がバレ、
最終的に魔術学校の件もバレてしまい

「学校行きた~い!!
あたしもこの制服着た~~い!!」

まさかの制服に釣られて行きたがる 笑
ヴィオラが勝手に誘ったようで気付くと
ウォルターも行くことになっていて‥

・坊ちゃん ・アリス ・カフ
・ザイン ・ヴィオラ ・ウォルター

ロブはまたお留守番でちょっと残念そう
にしていたけど、この6人で魔術学校へ。

先生は学校長のニコ、副校長の
イチ、そして担任のフリーの3人。
上級生は4人、みんな女子だった。

そんな小規模な学校みたいです。
そんな説明がてらお話が進んでく
中でこれはまた嬉しい変化だった。

フリーの魔法によって、坊ちゃんは
人を遠ざける必要がなくなったのだ。

触れることが出来るわけではないし
触れられてる感覚はないんだろうが、
それでもこれはすごく嬉しかった。

ニコに憧れすぎて見た目まで真似ようと
必死なフリーはちょっと怖いんだけど‥
でも彼の魔法は本物だ、ああ嬉しいね。

ところでニコとイチは魔術師で人間
だけどフリーは魔女らしいですよ。

魔術学校の新入生としては少々問題の
多い生徒達で前途多難‥といった感じ
だったけど、まあきっと大事なとこは
真面目に授業受けるだろう、多分 笑

ここで補足説明ですが、今までカフと
ザインが魔女だってことはヴィオラや
ウォルターには話してなかったこと。

知ってしまうことで危険な目に遭うことが
ないようにという気遣いだったと思うけど
魔術学校まで来ることになってしまったし
ちゃんと話しておくことにしたんだろう。

で、そのザインの魔法のことを聞いて
ウォルターが口にしたのはダレスのこと。

名前を出したわけではなかったけど、
ダレスの気持ちも顔の傷を気にしてる
ことも知ってるヴィオラは気づいてて‥

兄より先に呪いに辿り着くためにここに
来たウォルター、ただ制服に釣られて
魔術にはなんの興味もないままここに
きたヴィオラ‥そんな始まりだったけど
なんだかんだとそれぞれに目指すものを
見つけ真面目に勉強するようになるかも。

ウォルターは女性には誰にでも優しくする
ようなやつでダレスは今彼にとって優しく
するべき女性の一人でしかないかもだけど、
その位置づけも少しずつ変わってく気がした。

「今日から毎日夜、特別に稽古をつけて
やる。私がアンタを強くしてやるよ。」

イチの提案で稽古をつけてもらう
ことになったカフは、睡眠不足に
なりながらも稽古を頑張っていた。

皆を守れるくらい強くなるために
一生懸命なカフだけど、彼女に
足りていないのは勇気だという。

いつも真っ直ぐで一生懸命で、
ザインの魔法は強いしいざって時
本当に頼りになる存在だからこそ
心の奥底では頼ってしまってる。

立ち向かう勇気、カフは優しすぎる
からこそ相手を100%の敵意を向ける
ことができないのかもしれないな。

でも、それでも絶対に守りたい大切な
友達が出来たからこそカフはもっと
強くなろうと思うようになったんだし、
自分で作ってしまってる壁を壊して
ちゃんと成長していけたら良いと思う。

頑張れ、カフ!!

えーっと‥まずここに至るまでは
ちょっといろいろありまして 笑

実は学校に向かう電車の時点から
ダレスと付き添い?のケトちんが
ウォルターを追いかけて来てたとか
学校に忍び込んだらシャーデーだと
勘違いされてニコと揉めてたとか‥

少し気になるお話もあったけど割愛。
一つ言っときたいのは、揉め事を収束
できたのは多分ウォルターのおかげ 笑

誤解も解けて‥そこからは何が
どーなってこーなったかは少々
謎だったが、ダレスとケトちんは
魔術学校の生徒になったみたい 笑

教室がだいぶ賑やかになったその日
ザインが坊ちゃん・アリス・ダレス
の3人にこんな提案をしてきた。

「今夜…こっそり遡って
みねーか?シャーデーに呪いを
かけられる前の過去に…!!」

過去に行くということは今の自分達が
存在しないはずの場所に行くわけで、
誰かに会ったり話したりしてしまえば
未来を変えてしまう可能性もある。

だからこそ呪いに関係のあるこの
少人数に声をかけたんだろうけど‥
がっつり会って話しちゃってる 笑

坊ちゃんには予想がついてたみたい
だけどシャーデーは人の気持ちを
読むことができるようで、ザインが
未来からやって来たということはすぐ
シャーデーにはバレてしまってた。

そして気になったのは彼女の話。
やっぱりシャーデーは旦那様のこと
を好きだったんじゃないかなって。

「ずっと一緒にいたかったのに…
邪魔が入った。邪魔なのよ皆。」

旦那様と仲の良いシャロンは特に
邪魔だったってことなら辻褄は合う。

坊ちゃんの方の呪いは、アリスが
旦那様の孫に好意を持ってるのを
知ってたならアリスを拒むために
呪いをかけたって可能性‥とか?

これらはあくまで勝手な想像だけど、
もしこれが真実だったとしても人を
愛する気持ちを知ってるのにこんな
残酷な愛し方しか出来ないってのは
ちょっとだけ可哀相だなと思った。

ザインがシャーデーと会っていた頃
アリスと坊ちゃんは旦那様・ヴィクトル
おじい様に会ってしまっていた。

初対面と認識してる人に貴族ギャグ 笑
そして今より見た目が少し怖い感じだ
けど、相変わらずな雰囲気のロブ。

このお屋敷はきっと穏やかな場所
だったんだろうな、この頃はまだ。

この時おじい様が何を思ってこんな
ことを言っていたのかはわからない。
でもその言葉に対して、坊ちゃんは
彼なりの誠実な言葉を伝えていた。

それ以上何かを話すことはなく
離れてしまったけど、坊ちゃんに
とって嬉しい時間になったみたい。
おじい様に憧れてたみたいだから。

坊ちゃん達の方はおじい様とロブ
に会っただけで悪い影響は多分
ないと思うけど、シャーデーと
会ってしまったのはほんとやばい。

4人で大慌てで現在に帰ってきた
けれど、ゲートを閉じる寸前に

「アリス…シャロンの娘。
本当にいまいましい…。」

シャーデーはそんな言葉を残した。
そういう意味での不安はあるけど、
帰ってきてみたら‥棺桶が…

… え、うそーん 笑
シャロンが目覚めた !!!

過去で人と会ったり話したりしたり
したら未来が変わってしまうかもって
ことは言っていたしわかってたけど、
ここまでは想像できてなかったや 笑

でももし、おじい様が何かを選択して
その結果シャロンに呪いがかけられる
ことになってたんだとしたら、そして
坊ちゃんとおじい様が話したことで
その選択を変えていたんだとしたら‥

でもそうなると、シャロンの代わりに
何か、下手したら誰かが犠牲になって
たりするかも‥アリスはいつも通り?

ちょっとその辺の詳細は全然わかって
なくて、いろいろと不安は残ります。

でも、一先ずシャロンおかえりぃ!!!
早くアリスと会わせてあげたいな。

~ひとこと~

最後めっちゃ嬉しいんですけど、反面
不安な気持ちも大きくて手放しで喜ぶ
ことが出来ず今すごく複雑な心境です。

不安に思ってることなんて、特に
アリスのこと‥杞憂に終わればいい。

学校でのバリアをかけられた坊ちゃんに
対してアリスはいつもよりも少し大胆で

「バリア越しでも坊ちゃんに
触れられることが嬉しくてつい…♡」

そういう場面は本当に可愛らしくて
ほっこりさせられていたんです。
そんな幸せな時間ごと消えてしまう
ような恐ろしいことにはならぬよう、
ただただそれだけを願っています。