死神坊ちゃんと黒メイド 第8巻

著:イノウエ 先生

アリスが屋敷に来て少しの頃‥

坊ちゃんがアリスに対する気持ちを自覚
したことでアリスを前にすると緊張して
ドモッてしまったり目を合わせることも
出来なくなってしまっていた時のお話。

「坊ちゃん、人とお話する
ときは目を見て話すものです。」

そう言って、目を合わせて話す練習
と称してにらめっこをすることに。
でもアリスの変顔は可愛いばかりで
坊ちゃんはやはりすぐ目をそらして
しまうし可愛くてニヤけてしまうし 笑

練習になってるのかなってないのか
わからないが微笑ましい状況だった。
そんな時に、アリスは言ってくれた。

「私坊ちゃんの目が大好きなんです。」

坊ちゃんの目を温かみのある目だって。
死神なんて言われてきた坊ちゃんの目を
大好きな女の子がこんなふうに思って
くれてるなんて本当に嬉しかったろう。

そうして勇気を出してアリスの目を
見た坊ちゃんは、もしかしたら初めて
アリスの目が綺麗だと気づいたのかな?

きっとそれまでは、人の目をじっくり
見るなんてことしようともしなかった。
見た所で酷く嫌な顔をされたかもだし。

こんなに綺麗で、まっすぐに自分を見て
くれるアリスの目‥ほんと魅力的な子だ。

これまでのアリスや坊ちゃんのことを
いろいろ知ってきた上で、やはり2人は
それぞれがとても魅力的な子だと思うし
惹かれ合ったのも必然だったのかも。

呪い、解けたらいいのにな。

カフとザインがようやく恋人同士に
なって、それは嬉しいことだけど
やっぱり羨ましい気持ちはあった。

僕だって‥そんな気持ちを言葉の
通じない猫に話していた坊ちゃん。

「僕もその…アリスの恋人になりたい。」

「僕が幸せにしたいのに!!この呪いの
せいで!!僕はなんてダメ人間なんだ。」

とても情緒不安定な坊ちゃんは、
赤くなったり青くなったりしながら
そんなことを猫に話してたんだけど
気づくとすぐそばにアリスの姿が ‥
夕食の準備ができたと伝えに来てた。

気持ちを伝えたい坊ちゃんを応援
するかのように、猫はアリスの
スカートの裾を噛んで引き止める。

そうしてやっと本人相手に伝える
ことが出来た坊ちゃん、でもすぐ
にアリスは顔を背けてしまった。

ものすっごい嬉しかったろうし
照れてるだけなんだけどね 笑
そんなことにこの顔を見れてない
坊ちゃんは気付けるはずもなく‥

ほんと、触れることが出来ない以前
の所で中々にじれったい2人です 笑

ここに至るまではまあいろいろな
出来事や想いがあっただろうけど

説明は簡潔めに‥

①兄を超えたいウォルター
②ダレスと話をしたいアリスと
アリス一人で行くことを心配し
同行することにした坊ちゃん

1人と2人がそれぞれ魔女の集会に
きた所でばったり会ってしまい、
アリス達を守るために坊ちゃんは
囮になり逃げ回っている(別行動)

ウォルターのそばにいてほしいと
坊ちゃんに頼まれていたアリスは、
ウォルターが家長の座に就くため兄
より早く呪いをかけた魔女を暴くと
いう目的の捜索活動に同行した。

その途中で、アリスの母親の写真が
入った大事なペンダントが怪しい奴
(‥こいつも魔女の類なんだろうか?)
に盗まれてしまって、先に取り返す
のに協力してくれることになった。

「君は女の子だから守ってあげる。」

女性には優しいウォルターである 笑

盗んだ犯人は見た目はそっくりだが
2人いて兄弟だということに気付く。

そこでウォルターの言った言葉が
なんかすごく良いなって思った。

いろいろこじらせているウォルター
だけど、根っこにあるのはこういう
兄弟としての絆ありきの気持ちなの
かなって思ったら、嬉しくなった。

結果弟くんは、さっきまで兄の
言いなりになってたけど言いなりを
やめてペンダントを返してくれた。

ウォルターって有能なわりによく
壊れる子だなって思ってたけど、
それだけでなくやっぱりすごく
素敵な魅力のある子だったね。

ペンダントを無事取り返すと
本来の目的地である教会へ‥

正面からより上からの方が安全と
いう考えで、ウォルターは教会の
壁を登って忍び込んでいった。

安全そうだったら迎えに来ると言って
アリスを壁際に残したウォルターだが、
迎えに来る前に泣いている女性を見て
教会の中に入ってしまったようだ 笑

泣いている女性とは、多分街で顔を
見られてしまったことに涙したダレス。

兄の存在に苦しめられるウォルター、
姉のせいでこんな顔にされたダレス。
そういう意味では理解し合えるかも。

「兄の呪いについて探りに来た。
もっとひっそり密偵するつもり
だったがレディが泣いてたから。」

女性に優しいのは女性にとって美徳よね。
それがたとえ女性にだけ優しいでも 笑

ダレスは、ずっと嫌で仕方なかった
この顔をこんなふうに言ってくれる
存在にときめいてしまったらしい。

長く生きてきた魔女だって、
可愛らしい一人の女性だもの。

教会でこんなやりとりがなされて
いるうちに捕まってしまってた
らしいアリスと坊ちゃんだけど、

「私もいい加減克服して、前に
進まなきゃ。隠すのやめるわ。」

ウォルターからの言葉に前に進む
決意をしたダレスによって2人は
すぐに解放されることになる。

なんかここ来てからすごくウォルター
が大活躍してくれてる気がするぞ。

坊ちゃん達を開放し他の魔女を撤退
させると、ダレスは教会の地下に
ある部屋へと3人を連れて行った。

そこには棺があって、中で眠って
いるのはアリスの母・シャロン。

眠った状態ではあるけど、アリス
にシャロンの姿を見せてくれた。

確かに心臓は動いてるのに、ダレス
の姉の呪いによって目を覚まさない。
ダレス自身シャロンの呪いを解こう
としたこともあったけど頑丈すぎて
全く解くことが出来なかったみたい。

死んだと思っていた母親は生きていて
再会できたんだから連れて帰りたい
という気持ちは大いにあったと思う。

でも今は眠っている状態でもいつか
無呼吸になってしまったとしたら、
アリス達では対処できないだろうと
シャロンの安全のためにも今はまだ
ダレスに看てもらうのが最善だった。

ここまで来て、確かに生きている
母と再会できたことはよかったけど
シャロンの呪いも坊ちゃんの呪いも
ダレスの姉のことを知らなければ
きっと解決には向かわないだろう。

だから、昔本邸で何があったのかを
ダレスに教えてもらうことになった。
実はこの時もウォルターのおかげで
話を聞けることになった、お手柄 笑

昔の光景を再現した幻覚を見せながら
ダレスは説明をしてくれたんだけど
ダレスの姉・シャーデーの憎しみの
こもった視線‥シャロンとの間に
一体何があったと言うんだろう。

姉への恐怖と立ち向かう覚悟を
決めたダレスだけど、幻覚とは
いえそう簡単に恐怖心は消えない。

震えだしたダレスに、ウォルターの
一声で昔の話はここまでになった。

「三人とももう集会には
来ないで頂戴ね。」

そう言ったダレスに3人は強制的に
元いた場所へ送り返されたけど、
今度はダレスの方からウォルター
の所に顔を出すようになりそう。

きっとまた近いうち、ダレスの負担
もあるし少しずつかもだけど昔の
ことが明らかになるかもしれない。

この日はザインから貰ったらしい
魔法のランプを使ってみることに。

中からはアリスそっくりの魔神が
出てきた(そっくりな理由は割愛)
3つの願いを聞いてくれるという
魔神に、まず第一に願ったのは

「僕の呪いを解いてくれ。」

もちろんそれしかなかった。

願いは快諾され‥呪文を言うと
呪いをふっとばしたと言われた。

2つ目の願いとして、坊ちゃんの
ところに呪いがもうない証明を。
本当に今この瞬間の坊ちゃんは
死神じゃない、普通の人だった。

でもこれは呪いを消したのでは
なく呪いを他へ飛ばしただけで、
このままでは今後坊ちゃんが
受けていた呪いによって他の
誰かが苦しむことになるんだ。

‥3つ目の願いで坊ちゃんは呪い
をまた自分に戻すことを願った。

自分以外の誰かが自分と同じ
辛い思いをするとわかっていて、
誰かに押し付けたままになんて
出来ない‥それが坊ちゃんだ。

でも今回はこれで良かったよ。
ちなみに一時的に呪いを受けて
いたのはロブだったみたい。

本当に、坊ちゃんはこれからも呪いに
苦しむんだろうけど何か問題が起きる
前に戻ってよかったのかもしれない。

カフとザインのことを坊ちゃんが
羨ましいと思ってた話はしたけど
実はアリスだって思ってた。

ジェミニ座のみんなに付き合った
報告をしてた時の話かな?多分。
キスはもうした、みたいな話を
聞いて羨ましかったんだろう。

キスなんて触れられないんだから
出来っこないのはわかってた。
それでも大好きな坊ちゃんとって
気持ちはあって、ある夜アリスを
部屋まで送ってくれた坊ちゃんを
アリスは部屋の中から引き止めた。

kiss me

窓を曇らせるとそう文字を書く。
窓越しのキス、きっとこれが
今のギリギリのラインだろう。

でも坊ちゃんが立ち去った後
アリスは部屋の外に出てきて
多分坊ちゃんがキスした所に
キスしに行ったんじゃないかな?

‥すごく切ないのに変わりはない
けど、なんて愛らしいんだろう。

幸せになってほしいよお!!!!!!!(叫)

~ひとこと~

8巻でした~!!!‥少しずつ
だけど前に進めてる気がする。

絶対的な答えが出たわけじゃない
けど、シャロンとの再会だったり
現状ではダレスが敵ではないって
ことだったり‥きっと前進だよね。

本当はカフとザインの話だったり
カフとヴィオラの話だったりも
あったんですけど全然触れられ
なかった部分ですすみません。

可愛かったり頼もしかったり
勇気をくれる言葉だったりと、
紹介できてない部分にも本当は
伝えたかった魅力が詰まってます。

ぜひお手にとって読みたいと興味を
持って頂けていたら嬉しいです。