死神坊ちゃんと黒メイド 第6巻

著:イノウエ 先生

ロブが坊ちゃんと一緒に別邸で
暮らすと言われた時、最初はすごく
困ったのだという。子供を育てた
ことなどなかったし、他人の子を
預かるなんて荷が重いという理由。

決して坊ちゃんの呪いが原因では
ないところを見ると、ロブも昔から
ロブなんだなと少し嬉しかった 笑

ところでロブが今の髪型になったのは
坊ちゃんの一言がきっかけらしい。

「君の右の目が怖い。」

眼帯してるのが怖かったのか、その
一言でそれまではオールバックで
きっちり固めて上げていた前髪を
おろして隠すようになったみたい。

‥おかげで私好みになりました ←

それからの日々は、決して平和なもの
ではなかったし坊ちゃんが死にたいと
言う回数も次第に増えていったという。

自分の呪いが、孤独が、彼の心を
どんどん病ませてしまったんだろう。

そんな時‥同年代の話し相手がいたら
とアリスをメイドとして招いたロブ。

最初こそ上手く行かなかったしアリスの
努力の賜物だったと思うけど、結果的に
それはロブの目論見以上に効果があり‥
坊ちゃんが笑ってくれるようになった
ことは何よりも大きかったんじゃないかな。

坊ちゃんにとっては、生きる希望にも
生きる喜びにもなったのがアリスの存在。
お互いに恋をしているのに、その思いに
後ろ向きなのはやっぱり見ていて悲しい。

アリスは、恋に後ろ向きになってしまう
彼女の中にはどんな思いがあるんだろう。

もし彼女が口にしてることが全てなら‥
いずれ坊ちゃんの方がアリスといるため
にどんな決断でもしようとする日が来る。

いまいち思うように行かない部分は多い。
それでもなんだかんだと幸せそうな2人を
見ていてロブは幸せそうで‥あの時この
仕事を任命されて自分なりに頑張ってきて
良かったって、思えてるんじゃないかな。

「女装しろって?この
僕に。いいよ別に。」

別に女装しろとは言ってないんだけど、
化粧の練習をさせてほしいとヴィオラに
お願いされてウォルターは快諾した 笑

そしてその出来を随分気に入った
らしいウォルターはヴィオラの
冗談を真に受け‥むしろ悪い方に
利用することを考えついたらしい。

せっかくすごく可愛いのに小物感 笑
坊ちゃんはアリスにぞっこんだから
いくら可愛くても君には惚れないよ。

そして自分の可愛さに誇り持ちすぎ‥
ほんとおもしろすぎて、最高か 笑

女装したウォルターがヴィオラ
と一緒に別邸までやってきた。

「うちのメイド。
お兄様のファンらしいよ。」

ということにしてウォルターは
声を発しないまま騙し続ける。

ハニートラップを仕掛けてみるが、
普段からアリスの逆セクハラを受け
続けて坊ちゃんは耐性がついていて
特に効果はなかった様子で、それを
見たヴィオラは飽きてしまったのか
ロブに会いにその場を離れてしまう。

いや、あえて放っておいて兄たちが
動揺するのを楽しんでいる気も‥ 笑

「ゴルフでもやる…?」

ウォルター達が来るまでは2人で
ゴルフをしていたので一先ず再開。

「ボールがホールインワン
したら付き合って下さい。」

もちろん承諾などしていないが、
そんな提案をして見事ウォルター
はホールインワンをしてみせた。

「約束通り結婚して下さい。」

要求がエスカレートした 笑

「約束してないよ。」

少々慌てる坊ちゃん、そして無意識か
つい本音が漏れ出てしまったアリス。

うん、可愛すぎたよね‥すぐに
謝罪とともに顔を隠そうとする
アリスだったけど‥本当にこの子
坊ちゃんのこと大好きなんだよね。

簡単に振られた女装ウォルターは
やっと声を出したと思ったら酷い
暴言を吐いて逃げ帰っていった 笑

そんな帰りの馬車にて‥

「僕の可愛さが足らなかった
かもしれないな。ヴィオラ式と
やらを伝授する気はないか?」

お前まさかまたやる気か 笑
ほんとウォルターおもしろい。

ある時ダレスが坊ちゃんを呼び出した。
というか強制的に閉鎖空間に精神だけ
連れ去ったと言った感じだろうか。

現実ではアリスの目の前で気絶中 笑

そんなことまでして何の用があるのか
と思えば、頼み事があると言ってきた。

ザインの魔法の正体‥前に少しだけ
使ってるの出てきたけど、その内容は
よくわからなかったんだけど‥そっか。

ザインは自分の魔法のことを隠して
おきたかったようだけど、結局前に
魔法を使ったときが原因でダレスに
魔法の正体を見破られたらしいね。

「出来ない。」

坊ちゃんは断ったけど、そう簡単
に諦めてくれる様子でもなくて、
賄賂だけ残して去っていってしまう。

その賄賂は、坊ちゃんの呪いを解ける
かもしれないという解呪が得意な魔女。
立ち去り際に、仮面の下の顔を見せて
もらうことは出来ないかと提案した
坊ちゃんにはどんな意図があったか‥

「駄目よ。私、醜いもの。」

さらっと断られてしまった。
本当にそれだけならいいけれど、
何か悟られたくないことを隠す
ための仮面だとしたら‥なんて。

相変わらず謎なことが多い。

これはまだカフやザインが幼い頃の話。
カフは父親が人間で住みやすいこと、
ザインは魔法を利用されることを
防ぐために人間の世界に来ていた。

きっかけはザインの魔法だったけど、
2人が仲良くなるまでにそう時間は
かからなかった。毎日一緒に森で
遊ぶようになったある日のこと‥
親たちが魔女狩りに遭ってしまう。

「お、俺時間を戻して
親達を救ってくるよ!!」

ただカフに笑っていてほしくて
そのために何度も時間を戻した。
それでもどうにもできなかった。

特別な魔法だと言われようと、自分が
守りたいたった一つすら守れないって
なったら‥絶望するかもしれないな。

普段から楽しそうに見えるカフと
ザインにもいろいろあったんだね。

ダレスに言われて屋敷にやってきた
魔女は、名前をアメリアといった。

魔女というより、生まれつき
魔力を持ったタコらしい 笑

解呪をお願いしたらダレスの頼み
を断れなくなってしまうからと、初め
から追い返すつもりでいたものの‥

「十割成功するわけじゃないのさ。
解けてからサレスのことを考えたら
どうだい。じゃないとここまで命がけ
で来た甲斐がないってもんだよ。」

そう、本当に命がけだったんだ 笑
海でしか生きられないタコだから
屋敷から見える範囲までは何とか
来たもののそこで海水を求めて
倒れてしまったので、追い返す予定
だった坊ちゃん達も助けるために
屋敷に入れることになったのだ 笑

それにしても‥アメリアさんの
旦那さん、カフやザインがお世話に
なってるジェミニ座というサーカス
の座長さんだわ、びっくりした 笑

サーカスの人達のお話も他のお話で
描かれてて既婚者ってとこだけ出てた
んでまさか相手が人じゃないとは‥

めっちゃびっくりした 笑

でもカフは一見普通の人間だけど
ザインはどう見ても普通じゃない。

被り物と言えば見えなくもないか?
でも得体の知れない連中にわざわざ
声をかけスカウトしたのが座長だった。

2人が何者なのか、気にはなってる
みたいだけど詮索するつもりもなく、
ただ言いたくなったらいつでも教えて
って言ってくる程度で済んでいたのは
奥さんが人ならざるものだからという
のも関係していたのかもしれないね。

座長、全然アメリアさんのこと
忘れてないよ、同じ場所では生活
できないにしても、きっとお互い
今も愛し合ってるんだと思うと‥

この2人すごいなって、憧れた。

アメリアは触れずとも体の周り
を流れる呪いを剥がせるらしい。

でもその呪いに触れた途端‥
彼女は酷く焦り表情を曇らせた。

剥がそうにも、その呪いはぴったり
坊ちゃんに張り付いて離れない。

結果的に、呪いを解くことは
出来なかったけどかけた相手
が誰なのかはわかったみたい。

ダレスの双子の姉‥ダレスはそこまで
わかってて、おそらく解けないことも
わかっててアメリアを行かせたのかな?
ダレスの行動の意味がよくわからない。

彼女の呪いは自分より格上だから
解けそうにないとアメリアは言う。

そんなすごい魔女が一体どうして
死んでしまったんだろう。そう
疑問を口にした坊ちゃんだけど、
彼女が地上で魔法を使い続けるには
限界が来てしまったようで気絶 笑

その答えを聞くことは出来なかった。

相変わらず、どうして坊ちゃんが
呪いをかけられることになったか
わからないけど‥でももしかしたら
シャロンとダレスの姉との間に何か
あってシャロンが恨まれてるとしたら
シャロンの愛娘であるアリスの想い人
が呪われたってこともありうるのかな?

考えすぎかもしれないけどね 笑
もしそんなことがあったとしたら、
アリスは自分のことを恨むだろう。

考えてしまったけど、決してそんな
理由じゃないことだけを祈りたい。

~ひとこと~

基本的にアリスと坊ちゃんのことを
眺めていると可愛くて心が和みます。

死神なんて呼ばれる呪いと、大好き
なのに手を繋ぐこともできない現実。
そんなものを抱えている2人なのに
あんなに柔らかい笑顔を見せられる
のはきっとアリスの存在が大きい。

そんな2人が何の不安も抱えずに
寄り添える日は本当に来るのか‥

ほんの少しずつ謎は解けていくけど
解呪は無理だと言われているようで
どうにも不安が大きくなる一歩だ。

今唯一思いつく解呪方法が時を
戻すこと‥とかあるけど、きっと
それはいろんなデメリットがある。
坊ちゃんの時を戻したらきっと
これまでのアリスとの記憶とか
一緒に消えてしまったりするよね。

で、がっつり幼くもなるよね?
そう考えたらまず無理だろうな。

本当に‥解けるんだろうか。