死神坊ちゃんと黒メイド 第2巻

著:イノウエ 先生

呪いによる体質のルール‥
呪いを受けてからこれまで
生きてきてわかったことだろう。

まだ全てがわかっているわけ
ではないとしても、ある程度は
わかってるからこそ今坊ちゃんは
アリスやロブと共に生きられる。

全ては魔女のさじ加減‥恐ろしい
以外の何ものでもないわけだが、
坊ちゃんは結構前向きだった。

(魔女…お前の狙いがなんなのか
わからないが、思惑通りには
いかないぞ。必ず呪いは解く。)

きっとアリスがいるから、そんな
ふうに思えているんだと思う‥
大切に思える人の存在は大きいね。

ある日、彼女は突然やってきた。

「久しぶりっ!!お兄様。」

彼女の正体は坊ちゃんの妹である
ヴィオラ。兄の呪いのことなど
気にしない、そんなことより恋に
スイーツに夢中な年頃の女の子。

兄弟の中でも屋敷に来てくれるのは
唯一ヴィオラのみ‥そんな妹に対し
嬉しい気持ちもあるようだけど‥

「え、何見てんの?お兄様って根暗
でモテない上にロリコンなんだね♡」

こんなことを言ってくるような強烈‥
素敵な性格がどうにも苦手な坊ちゃん。

でもほんと、ヴィオラは兄に対して
怯えた態度を一切出してこない。

寄り添ってくれる存在でなくとも、
こちらには悪意などないのだから
怯えず普通に接してくれる存在が
いるというのはやはり嬉しいよね。

そんなヴィオラがこのお屋敷に来る
本当の理由‥それは執事のロブ。

ヴィオラはまさかの枯れ専 笑
今はロブにご執心のようだ。

先程までの小生意気な様子は
身を潜め、恋する乙女全開。
これはこれで可愛らしい存在 ww

アリスからのお誘いで(勝負に負けた
罰)2人で街に出かけることになった。

その日は仮想して参加するお祭り
‥ハロウィンみたいな日なのかな?
が行われ、坊ちゃんも厚手の仮装を
すれば問題ないだろうということで
ビビりながらも街にやってきたけど‥

本来ならそんなに人の集まる祭り
ではなかったはずなのに今回に限り
かなり込み入ってて、坊ちゃんは
早くも帰りたいと弱音をもらす。

でもその直後坊ちゃんは人並みに
流されてアリスからはぐれてしまう。

そんな坊ちゃんを探している間、
アリスは妙な人物に遭遇していた。

アリスを母親だと勘違いして
話しかけてきた‥正体は不明。

アリスの母親の存在は、坊ちゃんの
家族が住む屋敷のメイド長という
ことでちょろっと出てきた程度だが、
何か‥彼女には何かあるんだろうか。

1人迷子になっている間、アリスには
会えないし迷子の子供が坊ちゃんの
服を握って離れてくれなくなるし‥

いろいろ波乱万丈だったけど、迷子の
少年が泣き出してしまったのを何とか
しようと、近くで見つけたピアノを演奏
してみると、周囲からは明るい評価が‥

「なんかこの曲いいね!!」

近くにいた楽器奏者は合わせて演奏を
始め、踊り出す人たちもいて‥気付けば
周囲には楽しそうな人だかりが出来た。

演奏を終えても街は盛り上がる一方。
盛大な拍手と笑顔が溢れていた。

無事迷子の子も母親と再会できた
ようで、ピアノ、恰好良かったと
笑顔で言って去っていった。

人だかりに気付いてか、アリスとも
無事再開することが出来た坊ちゃん。

坊ちゃんが疲れただろうと早めに
変えることを提案するアリスだが、

「まだ帰らないよ!!もうちょっと
この街にいたいって…今は思ってる。」

そう、嬉しそうな顔で坊ちゃんは言った。
最初はすごく嫌がっていたし、この街を
好きになれそうにないって言ってたのに‥
ほんの少し勇気を振り絞って苦手な子供
のお家探しをしたり、泣き止んでもらう
ために楽器を演奏しようとしてみたり。

仮装してやってきたここで坊ちゃんに
怯えた態度を取る人は誰もいない。
ずっと屋敷に引きこもっていたから、
随分いい経験をしたかもしれないな。

人とは怖いものではないんだと、
少しは人を好きになれたかもね。

祭りの最後には、『月との婚礼式』
と呼ばれるものが行われていた。

その由来となった童話のお話は、
魔女によって互いに思い合って
いた王子と姫君が引き剥がされて
しまったという悲しいお話だった。

魔女によって月に連れ去られて
しまった王子を思って、姫君は
月に向かってキスをたむける。

そんな話を聞いて、坊ちゃんは
自分達と真逆だと言ってみせた。

確かに‥真逆、似たようなものなの
かもしれないね。それでも、出来ない
ことはあっても今の状況を幸せと
感じてくれるアリスがいる‥きっと
童話のお話の2人よりずっと幸せだ。

「これからもお傍に置いてください。
たとえ私たちが触れあえなくても、一番
近くで坊ちゃんを見つめていたいのです。」

アリスはいつだって、坊ちゃんの
心を軽くしてくれてる気がする。
2人で頑張っていってほしいな。

ある時、ちょっとした事故があり
お風呂上がりのアリスの部屋着が
着られる状態じゃなくなった。

代わりになるものを取りに行く間
一時的に羽織るものをと、坊ちゃん
が羽織っていたジャケットを貸した。

そんな出来事の時のワンシーン
なんだけど‥アリスが可愛い 笑

大好きな人の香りっていいよね。
ものすごく満喫してて可愛い ww

こういう素直なところを見てると、
アリスは本当に坊ちゃんが好き
なんだなとわかって嬉しくなる。

ある雪の日‥アリスはまだ幼い頃
のことを思い返していたようだ。

貴族の子供たちからは、虐められて
いたのかな。メイド長の娘ってだけで
貴族に混じって遊んでいたら、確かに
虐めてくるやつも出てくるかもだね。

でもそんな時、身分なんて関係なしに
優しく接してくれたのが坊ちゃん‥。

彼は昔から優しくて笑顔の可愛い人
だったんだね。もしかしたら、この頃
からずっと坊ちゃんのこと好きなのかも。

成長して、呪いをかけられて、昔とは
変わってしまった部分もきっとある。

それでも変わらないままの所もあって

「前から思ってたんだけど、
君は雪がすごくにあうよね。
雪の妖精みたいだ。」

坊ちゃんは坊ちゃんだな‥ 笑

~ひとこと~

2巻でした。ちょっと気になるアリスの
母親の話もありつつ‥母を知る人から
話しかけられて以降、一切そんな話は
出てきていないんですが何だったのか。

これから先明かされる何かの伏線かな
とか、勝手に思っておりました 笑

そしてロブ、やっとちょろっと登場
させることが出来ましたが一先ず、
ロブはモテる存在ということが判明。

ヴィオラもそうですが、1巻出てきて
紹介できなかった釜がありまして。
魔女が作った人格を持つ釜で、街で
アリスが見つけて買ってきたもの。

坊ちゃんの呪いを解くレシピ付きで
作ってみたものの成功することはなく
‥その釜は用済みだと言うように
ロブにプレゼントされたのでした。

その釜‥ロブがやたらと話しかけたり
していたようですっかり言葉を覚え、
ロブに恋するお釜ちゃんとして再度
出てきたときには私大爆笑です ww

気になる方はぜひ読んでみて下さい。
それではまた、次巻お付き合い下さい。