3D彼女 リアルガール 第12巻【完】

著:那波マオ 先生

3D彼女12-1

色葉がいなくなってしまってから、
つっつんはまさに生ける屍状態。

学校には来ているものの、仮にも
受験生だと言うのに、受験なんて
もうどーでもいいなんて言う始末。
まるで人生が終わったようだった。

「なにがあったか
話してくれないかな?」

そんなふうに向きあってくれた
伊東にだけ、真実を打ち明けた。

なんだかんだと文句を言いつつ、
ずっとつっつんを心配している
石野さん達に、伊東がそれを話す。

このままじゃ、誰も報われない。
つっつんは勿論、色葉だってそう。

つっつんが勇気を出して伊東に
打ち明けた。何か少しでもいいから
変化のきっかけになればと思う。

3D彼女12-2

「今一番大変なのはあんたじゃ
なくて色葉ちゃんじゃないの…?

あんたが落ち込んで色葉ちゃんが
喜ぶの?逆にこんな不甲斐ないのと
付き合ったってたのかってがっかり
するわ!暗い顔して縁起でもない!バカ!!」

とことんまで落ち込んで、そのまま
奈落の底まで落ちていきそうだった
つっつんを叱りつけたのは筒井母。

お母さんは事情知ってたのかな?
知らなくても、何か感づいては
いたのかもしれないなって思う。

色葉のことがあって、勉強どころか
いろいろ放棄していたつっつんも、
少し考えなおしたようで、それから
ものすごく勉強を頑張って受験した。

受からなくても、仕方ないのかも
知れないってほどの状況から、
さすがつっつん、無事合格したw

それでもなお、色葉のいない
未来なんてやっぱりどうでも
いい…なんて言うつっつん。

「全部忘れようと思ったけど
だめだ…無理だったんだ。」

そんなふうに言うつっつんに対し、
石野さんもみつやも、忘れなくて
いい、そう言ってくれたんだ。

「忘れようとすんなよ。俺達も
忘れねーから五十嵐さんのこと。」

忘れなくていい。大切な人生の一部、
これからも大事に思えばいい。

そして、色葉のためにも、つっつん
は前に進まなきゃいけないと思う。
立ち止まってしまうことを、色葉は
絶対に望んでいないだろうからね。

一人では息をするのも辛かった
かもしれない…でもそんな彼を
支えようとしれくれる仲間がいる。

少しずつでいい。前を向いて。
少しずつでいいから進んで欲しい。

3D彼女12-3

彼らの大学合格の話から、
時は大きく進むことになる。

25歳になった彼ら。

つっつんは大学を出てから
総合商社に入って…仕事も
出来るし周りからの信頼も
アツイ…そんなふうになってた。
本人にその自覚はなさそうだが。

伊東は、メカニカルデザイナーと
してアニメ制作に関わっている。

ここで、伊東の名前が悠人で
あることが初めて判明した←

石野さんは…わかんないけど、
みつやもそれなりの会社に
務めているらしい…そんな状況。

あれから7年だ。きっと心の隅には
ずっと消えずにあるであろう色葉
のことも、これだけの時間が経てば
気持ち的に強くもなるんだろうな。

そうでなくても、そうならないと
いけないなってかなり頑張って
今の状況なのかもしれないけど。

久々に再会した…のかな?
石野さんご懐妊報告もそこそこに←
つっつんは仕事の用事でさようなら。

(石野さんは高梨ありさになる!!)

なんか立派になりすぎちゃって
逆に1人になった時が心配だわ。
でもほんと…あれからずっと
頑張ったんだろうねつっつん。

3D彼女12-4

その頃、ずっとロスにいた色葉。
手術は無事成功で頭の虫は綺麗に
なくなって元気にだけど、記憶も
すっぽり消えてしまっていた。

そんな中、日本に戻ってきた
色葉と千夏。もう記憶にはない
自分の荷物を整理しようとした
時、前につっつんとお揃いで
買った大仏ストラップを見て、
なんだかとても複雑な感情に…

思い出せないけど、何か大事な
ことを忘れている気がする…
そんなふうに口にした色葉を、
千夏はつっつんに会わせてくれた。

会った所で、色葉の記憶はまだ
戻らないままだったはずだった。
でも自分のと同じ大仏ストラップ
を彼もつけているのを見た色葉は…

「絶対あなたはなにか知ってる。
あたしこれ(大仏)を見ると苦しく
なるの。どうしてなの、教えてよ…」

そう、つっつんを問い詰める。

「―五十嵐色葉。俺は一度も
ちゃんと名前を呼べなかった。

辛いときになにもしてやれなかった。
俺を思い出してもらう資格もないん
だけど、あなたは25年間でたった
一人、ずっと大好きだった人だよ。

一度も忘れたことなんかない。」

そんなふうに、色葉を思って
涙する彼を見て、色葉は思い出す。
まえにもこんなことがあったって。

つっつんのこと、ちゃんと思い出した。
うぅうう…涙が止まらないよぉおお…。

3D彼女12-5

「あ、あの、呼ばれてないのに
来ちゃってごめんなさい……。
しかもあたしまだ…。」

つっつんのことは思い出せた。
でも、他の記憶はまだまだ
曖昧なものばかりで…きっと
石野さんに関する記憶だって
ほとんどないままかもしれない。

本当の色葉を知らないままに
彼女を嫌う人も多かったから、
日本に帰ってきたことで嫌な
言葉をかけられることもあった。

だから、きっと怖かったろう。
それでも勇気を出して石野さん
とみつやの結婚式にやってきた。

そんな色葉を、泣きながら
全力で抱きしめた石野さん。

「おかえり、ずっと待ってたよ。」

あーあったかいなほんと。
7年経っても、変わんないな。
すごく、すごくあったかいよ。

「よかった…やっぱり来てよかった。
遅くなってごめんね、ただいま…」

まだまだ曖昧な記憶も多いだろう。
それでもきっとこれからどんどん
思い出していけるんじゃないかな?
仮に、思い出さなくても、きっと
前みたいに仲良くいられるはず。

ああ…色葉、いろいろ頑張ったね。
戻ってきてくれてありがとう。

3D彼女12-6

この7年間。一生懸命に生きて
きたつっつんだったけれど、
心の中には常に色葉がいた。

生きてさえいてくれればいい。
でも出来たら記憶があったら…
そして自分のもとに来てくれたら。
もし記憶がなくても、また自分を
好きになってくれたらいいな。

ずっとそんなふうに色葉を思った。
そんな彼女が今は目の前にいる。
記憶も、まだまだ万全ではない
かもしれないけれどつっつんとの
思い出はかなり思い出していた。

「ロスに行くな。
頼むから行くな。」

「うん…きっと記憶がなくなった
ままでも好きになってたよ。」

ああ、もう、絶対離れないで。
この7年間の分も、これから
いろんな思い出作ればいい。
今度こそ、幸せになってほしい。

~ひとこと~

大泣きの最終巻でした。

いやはや…知らぬ間に伊東と
綾戸さんが別れていたという
衝撃の事実もあったり…でも
結婚したのだと噂の綾戸さんが
つっつんと色葉の結婚式に来た
頃にはバツイチになっていて、
伊東と少しいい感じに見えたり…

人生何がどう転ぶのかわからない。
そんな人生だから、大切なモノを
見つけることが出来たら思い切り
大切にしたいって思いました。

いつ何が起きるかわからない。
だからこそ、1日1日が、一瞬一瞬が
すごくかけがえの無いものなんだと…
普段何気なく過ごしている時間が
とても貴重なものに思えましたw

単純ですけど、ほんとそう思えた。

全て綺麗にまとまる作品も好き
ですが、こんなふうにそれぞれが
それぞれの道を歩んで幸せをつかむ。

こんなふうな終わり方をする作品も
すごくいいものだなと思いました。

終わってしまったことを少し
寂しく思いますが、本当に
素敵な作品でした!!