著:那波マオ 先生

つっつんは旅行後、伊東は
綾戸宅訪問後の投稿日。
明らかに真っ青なのか真っ赤
なのか、とにかく落ち着きの
ない状態の伊東からの告白。
「一つだけ聞きたい
んだが、やっぱり世界
って変わるもんなのか。」
いろいろ察したつっつんが
1つ、質問を投げかけた。
「僕の世界は変わったよ。」
大好きで大切で愛しくて
仕方がない…そんな感じが
駄々漏れだったものね2人。
私にはイマイチわからない
所があったけれど、こんな
ふうに思える相手に出会える
ってのはほんと幸せだな。

あと1ヶ月…それを喘息の
主治医だと色葉が言ってた
先生が言うってどういう…
やっぱりほんとに1番最悪な
パターンが本当のことなの?
1巻で言っていた…色葉は、
重い病気なんだって話。
…不安ばかりが増えていく。

突然、母親に結構な額を貸して
欲しいなんて言い出したつっつん。
それから、補講には出ず、たまに
授業まで休んでいるようなつっつん。
それでしていることは色葉と
とにかくいろんなことをした。
受験前で、つっつんは勉強してる
から大丈夫だなんて言ってたけど、
実際学力は下がっていく一方で、
伊東にも心配される始末…そんな
様子がおかしいつっつんの原因は
あと1ヶ月で色葉がいなくなる。
そんな、少し先への不安だった。
あと1ヶ月で、色葉としたいこと。
ルーズリーフ何枚もいっぱいに
書き込んで、ひたすらそれを
実行しようとしていた。

(…ほんとは心のどっかで
わかってたんだ。こいつが
喘息なんかじゃないこと。
でも怖くて、真実と向き合う
のが怖くて、傷つく準備が
ずっとできなかった。)
転校なんて嘘だよ…なんて
つっつんの行動の意味を
知った色葉は言ったんだ。
きっと転校ってだけでも
高校生にとってはかなり
辛いことだろうと思うよ。
でも、それ以上のことなんて
出来るなら想像したくもない。
そういう現実が見えてしまって、
つっつんは少しでも後悔のない
ように、少しでも多く色葉に
楽しい思いをさせてあげたいと
必死だったのかもしれないな。
その結果無断外泊をするはめに
なってしまったのだけれど←
この先、どうなっちゃうんだろう。

無断外泊の後から、色葉と
全然出会えなくなっていた。
不思議に思って確認すれば、
色葉はずっと家に引きこもって
いる状態なようだったと知る。
話をしたくても会ってもらえず、
それでもなんとか会ってもらえる
まで粘って粘って今に至る。
「だって、お別れ言いたくなかった
んだもん…こんなはずじゃなかった
んだけどなぁ。こんなに、好きに
なると思わなかったから。」
色葉はどこに行ってしまうのか。
そんなつっつんの問には答えずに、
行きたい場所があると連れてきた
のが、初めて会話をした、そして
2人が付き合った場所、プール。
転校するわけではない。
でも、今までの思い出とか記憶とか、
そういうのが全部消えてしまうかも
しれない。そうしたら、つっつんを
愛した色葉は?みんなと過ごした
時間を忘れてしまった彼女は…。
今までの彼女には会えなくなって
しまうようなものかもしれない。
だから、転校。もう会えなくなる
っていう言い方をしたのかもな。
ほんと、最悪すぎるパターン。

「おまえが忘れたって、
俺が忘れないから。」
そう訴えるつっつんに、色葉が
返した言葉はあまりに残酷だった。
忘れたくない。なのに、忘れて
って…絶対に忘れたくないし、
忘れようと簡単に忘れられる
ような記憶じゃないだろうに。
今のつっつんの大半を構築
してるのはきっと色葉だ。
その後…色葉は手術のために
海外に行った。学校も中退。
…つっつん、つっつん…。
大丈夫なわけがないよね。
でもきっと色葉もすごく
苦しんでいるんだろうな…。
いろいろ怖いに決まってる。
続きが気になって仕方がない。
~ひとこと~
10巻まではまあいろいろありつつ
温かい感じで進んでいたお話。
11巻でいきなり底のない真っ暗闇に
突き落とされたような気分でした。
現実にも、こんなことはあるのかも
しれないね…あまりに残酷な事実。
今はただ、色葉の手術がちゃんと
成功して、記憶も消えないまま
また再会出来たらいいのに…。
淡すぎる、夢の様な確率に
なってしまうのかもしれない。
それでもたった数パーセントでも
その可能性があるなら信じたい。
…次巻、最終巻です。