おとなりコンプレックス 第2巻

著:野々村朔 先生

おとなりコンプレックス2-1

真琴があきらを好きだと
あきらに言ってきた芙実。

全く状況についてけないまま、
そんなことはないと否定する
あきらにイライラする…なんて
言葉をぶつけて芙実は立ち去った。

そんなことがあった後のある日、
街でナンパされ、冷たい対応を
する芙実に絡みだす男達…そんな
状況に助けに入ったあきらだった。

でも、前回の件で文句を言うことも
せず自分を守ろうとするあきらに
妄言を吐くことしか出来ない芙実。

「二宮(真琴)くんもさ、そんな
風に思われてる相手に何年も
片思いしてるなんて本当、
見る目ないしバカみたい…!」

最終的に真琴を悪く言い出す始末。
自分が何をされようと何を言われ
ようとそれに対して怒るような
ことは決してしなかったあきらが、
真琴を悪く言われたことで怒った。

あきらの、真琴に対する気持ちが
今はまだ友情であるとしても…それは
他の友人に対するものよりもずっと
大きなものなんじゃないかと思う。

おとなりコンプレックス2-2

クリスマス、仲の良かった中学の
連中から連絡があってそこに行く
と、途中から芙実も参加してきた。

真琴と仲のいい連中の中にいた
女子が、芙実が真琴を好きなことを
知っていて連絡したようだった。

でもこの時はもう真琴に言い寄る
ようなことはしてこなかった芙実。

「あきらちゃんでしょ?
二宮くんの好きな人って。」

「あきらちゃんのどういうところが好き?」

本人はバレていないと思っていた
かもしれなかったけど、こんなふう
に言われて否定はしなかった真琴。

芙実の質問には答えなかった。
言うなら本人に言いたいから、と。

「わたしはねぇ、この子、いい子だ
けど結構鈍いのかなって。自慢話みたい
なこともしてみたんだけど一度も、
疑ったり嫌な顔したりせずにすごいね
すごいねって話を聞いてくれるところ、
すごく好きだなあって思ったよ。」

代わりに芙実がそう話すと、真琴は優しい
表情で、似たようなもんだよと話した。
ナンパ男達から助けてもらったあの日、
真琴を悪く言ってしまったあの日から、
そうやって諦めなきゃって彼女なりに
頑張ってきてたのかもしれないね。

やっぱ…ちょっと切ないもんだね。

おとなりコンプレックス2-3

ここ最近、女装させられるのを
極端に嫌がっていたらしい真琴。
でも姉に押し切られ女装で初詣に
あきらと行くことになった真琴。
そこで、オガ(小川健悟)とトモ
(岡崎智之)にばったり会ってしまう。

この2人は真琴とは中学の同級生。
小学校の時はあきらとも同級生。

女装していたことを、イトコだと
言ってごまかした真琴だった。

あきらのことには全く気付かなかった
トモだけどオガの方は気付いたようだ。
オガ(メガネの方)の言葉に、真琴は
随分と焦っている気持ちを自覚した。

「…いや、なんか急に…今の俺、
思ったより余裕ないのかなって。」

オガの言葉や表情にどこまでの
意味があったのか、真琴の気持ちを
知っての発言なのか、この女装男子の
正体を見破っての反応のなのか…
そんなものとは無関係の何かからの
発言なのかもわからないけれども。

今まで幼馴染という距離感のまま
でも大丈夫だと自分に言い聞かせて
きていたのかもしれないものね真琴。
瀬尾だったり…芙実のこともかな?
いろいろあって焦りだしたかな。
ずーっと変わらないのはあきらだけ。

おとなりコンプレックス2-4

高校の同窓会に行った帰り…そうか、
オガとトモと高校も一緒なのか真琴。
オガが初詣で会ったあきらの話をする。

「相変わらず男みたいだったけどさ、
なかなかの美形に育ってたな。」

美形ってほどじゃ…なんて話す真琴
だったけどオガはそれを否定する。

「真琴が見慣れちゃってる
だけだろ。着飾れば化けるよ、
あれは。オレは結構好み。」

その後、コンビニから帰ってきた
あきらがオガとトモと鉢合わせる。
そこでもオガがこんなこと言ってた。

「いーじゃん。モデルみたい
でオレ的には全然アリ。一度
がっつり化粧とかしてみりゃ
いいのに、似合うよきっと。」

そんな言葉に焦りを感じた部分も
あったんじゃないかな、真琴は。
そんな周りからの発言に対して、
こんな男みたいなの…なんて言って
卑下することばかりするあきら。
真琴があきらに好意的でいるのも
幼馴染だからでしょ…?なんて。

自分の中の焦りと、あきらの
鈍感さでついこんな態度に出て
しまったのかもしれないなと思う。

…この後あきらは、逃げてしまった。

おとなりコンプレックス2-5

真琴の告白じみた発言から、
動揺を隠せず真琴をあからさまに
避け続けていたあきらだった。

そんなあきらに瀬尾からバレーの
試合を見に行くお誘いが来て出かける。
その帰りに寄ったお店で偶然にも
芙実に発見されて…怒鳴られることに…

「―何、してんの?何で他の男の
人とデートなんかしてるの…!?」

決してデートではなかったけど、
今の真琴を避け続けている状況で
瀬尾に会ってるなんて…もしここを
真琴が見てたらショックだったろう。

いつもならこれで怒鳴ったりする
こともなかったであろうあきらが、
きっと気持ちがいっぱいいっぱい
だったんだろうね、今はほんとに。

「こっちだって急に真琴が
変わって――突然好きなんて
言われて戸惑ってるのに…!!」

あきらは、ずっと仲のいい
幼馴染でいたかったのかな?
変わることを恐れたのかな?

わからないけど、この変化に
ついていくことを拒みたかった
ように思えた…でも芙実から
こんな言葉を突きつけられて、
やっと真琴の気持ちに向き合う
覚悟ができたんじゃないかな?

…動揺もする、変化は怖い。
でも、ちゃんと向き合えるといい。
真琴の気持ちに、自分の気持ちに。

おとなりコンプレックス2-6

芙実とのことで、あきらも
覚悟を決めたのかもしれない。

真琴と話をするために避けて
いた真琴の元を訪ねていった。
フラれるのかも…なんて思った
のかな‥真琴は、すごく不安な
気持ちで待っていたわけだけど、
あきらが話すのは全く違うこと。

・いつから好きだったのか
・どこが好きなのか

聴いておいて、顔を真っ赤にする。
それでも、本当なの?なんて
問いかけることはなくて…

「真琴はそういう冗談言わないって
そんなの私が一番わかってるもん。」

あきらのこういうところも、
真琴が好きなとこなんだろうな。
こうして、言ってしまったことに
後悔しかけていた真琴も腹を括る。

今度デートをするという話に。
デートの服装に迷うあきら…
そこで頼ったのは、真琴の姉。

「で、デートで男の人が
喜ぶ格好って…どんなの?」

真琴の覚悟に向き合いたかったんだろう。
このあとかなり綺麗にしてもらった
あきらは、慣れるためと1人外へ
送り出された…そこで偶然会ったのが
オガ…やっぱりオガの好みだったらしい。
おそらくべた褒めされ、髪(ウィッグ)
を触られそうになっていたりもして…

そんな危険を察知して迎えに来た
のが真琴だった。やっと二人になって
帰り道…オガが髪の毛触ろうとしてるの
見ちゃったんだろうな~、触れようと
して照れくさかったのかもしれない…
頭をくしゃくしゃにした真琴だった。

ヤキモチ…ですね♡w

「それ、似合ってる。」

そう言った真琴の言葉。

(そのたった一言がすとん、と
心に落っこちてきて不思議なことに
やらなきゃ良かったって気持ちが
どこかに消えてしまった。)

オガの褒め言葉(褒め殺し?)には
戸惑って混乱するしか出来なかった
あきらだったのに、真琴に対しては
こんなにスッキリした気持ちになった。
やっぱ…いろんな面で特別なんだろうな。

~ひとこと~

2巻でした~☆
進展ありましたね~♡♡←

恋愛的な意味では進展。
友情的な意味では芙実とあきらの
間に亀裂がはしったわけですが、
おまけとして描かれていたお話が
あった。芙実sideとあきらside。

「結局アンタ、二人(真琴と
あきら)とも好きなんじゃん。

いい子なんでしょー?
女友達少ないアンタ(芙実)が
珍しく「新しい友達できた」って
喜んで報告してくるくらいには。」

例の中学の同級生との集まりの時
芙実を呼んだ子と芙実の会話だった。

ほんと…そうみたい。

「いつかちゃんと謝れるか
なあ、友達に戻れるかなあ。」

そんなふうに芙実が
思っていてまた別の時…

「今は怒ってるというよりお礼、
言いたいかな。何というか背中
押してもらった気もするしさ。」

あきらも仲直りしたいと思ってた。
この2人の仲も、いつかはまた
良好に戻れたらいいなと思います。

さて、次巻ではデートかな~??
オガの発言がちょいちょい気に
なった2巻でしたが、またこの先も
出てくるのかなオガのああいう態度。

…3巻が待ち遠しいです!!