著:吉田丸悠 先生

ちょっとした考えの食い違いで柳沼
くんと大上さんは喧嘩をしてしまう。
仲直り出来ずにいた時、中学時代の
友人だったモネ(磐主桃音)と再会。
大上さんはエロ大魔王、モネはエロ
大魔神などと呼ばれていたらしく、
そういう話もし合える大上さんに
とって大切な友人だったのだろう。
彼女との再会を嬉しそうに喜ぶ
大上さんだけど、そんなモネが
こんなコト言ってるのを偶然
柳沼くんは見てしまったようだ。
その後、またモネと会う約束を
してるという大上さんの話を聞き
柳沼くんなりに心配し忠告をした。
「やめたほうがいい。彼女は、
磐主さんはあまりいい人ではないと
思う。会うのはやめたほうがいい。」
柳沼くんの言葉に、大上さんは酷く
ショックを受けただろう..猛反対。
まだ話を続けようとする柳沼くん
だったけど、そのタイミングでモネ
が現れ、会話は中断されてしまう。
「ごめん、今あんまり柳沼
くんとは話したくない。」
うん..心配だ、大丈夫かな。

柳沼くんが偶然見てしまったあの
光景..からは想像できないように
モネは大上さんに友好的だった。
でも2人が会っていたその帰り道、
モネを知ってるらしい男子と遭遇。
「こいつ男湯とか覗かなかった?
いくら『南高のエロ大魔神』でも
やんないか!あはははは。」
中学とは離れた高校に通い出した
大上さんと違って、モネはいまだに
こんな扱いされることがあるらしい。
その原因は大上さんと関わって、
そういう本を借りたりしていた
ということが原因だったようだ。
エロ大魔神なんて言われだした
のも、そもそもが大上さんとの
その一件が原因だったのかも。
大上さんは現状と、その原因を
作ってしまったことを謝罪する。
でもそれに対してモネは、もう
いいと言いながら、心の奥に
ずっと抱えてたのかもしれない
恨み言を立て続けに口にした。
うつむいて、更に謝罪の言葉を
口にする大上さんに背を向けた
モネは、なんだか複雑そうな
表情を見せていたように思う。
そこに、モネに会いに行った
大上さんを心配してつけてでも
いたのか柳沼くんが現れて..
「全部聞いた、君の事情も理解した、
が…これ以上大上さんを傷つける
なら僕にだって奥の手がある。」
そう言って一瞬彼女とぶつかると
「なんであんな言い方
しちゃったんだろう。」
モネの口から出たのはこんな言葉。
後悔の言葉..その後柳沼くんは
何も言わずその場から立ち去った。
モネが大上さんに伝えた気持ちが
嘘ってわけでもなく思えたけど、
それだけが真実でもないのかも?
今後いい変化があるといいけども。

モネと会ったその日の晩、大上さん
を心配して柳沼くんは外に出よう、
ご飯を食べようと誘ってくれた。
お腹が一杯になって、大上さんは
泣きながら当時モネを守れなかった
ことを後悔し、許してもらえると
思ってた自分がバカだったと悔やむ。
でも直後、涙を拭こうとしたのか
本音を吐かせようとしたのか謎だが
柳沼くんの手が大上さんに触れると
彼女から出た言葉は正反対だった。
モネに対する、主に文句ばかりだ。
自分の落ち度はわかっていても、
モネに対して許せない部分はある。
そういう部分を一通り吐き出させると
柳沼くんは彼女に触れた手を離した。
最初から、そのつもりだったのかな。
最初の後悔の思いも嘘ではないだろう。
でも触れられた時に叫んだ思いだって
本当で、きっとどちらも本音だと思う。
きっとモネの中にも、大上さんを友人
として好きな部分と許せない部分を
整理しきれていないんじゃないかな。
きっとモネも大上さんも一緒なんだ。
..今はそう、信じてみたいものだ。
「誰とでもわかり合えるとは言えない
が、こうして譲り合う事はできる。」
こうして2人の喧嘩も無事終わった。

ある日、センター試験前で気を張って
いた千重子は弟を家から追い出した 笑
姉がピリピリしてる中家にいたくない、
でも行き先もない..と雪の中困ってた
柳沼くんを偶然見つけた大上母と娘。
「だったらウチに泊まんなさいよ。
こんな所じゃ風邪ひいちゃうよ!」
大上母の提案で、断るにも断れず
柳沼くんは大上宅へ一泊することに。
大上家はお父さんもお母さんも、
少々癖はあるがとてもいい人だ。
大上さんと長く付き合っていくなら
家族との交流も増え、接触も増える。
「体質の事いつ話そうか。」
誠実に付き合っていくために、
いつかは必要なことだった。
「受け入れてもらえれば安心して
つきあえるし、それで嫌われて
しまったのならしょうがないし。」
柳沼くんは、そう言っていた。
お父さんのほうがまだ柳沼くんを
信じたいけど警戒してしまってる
ようだったので、話は一旦保留に。
父親の様子を見て大上さんがそう
考えて出した判断のようだった。
お互い、一緒にいられる未来のため
覚悟を決めて頑張っていけるといいね。
しょうがないなんて諦めずに
胸を張れる未来のために。

ある時、多胡と再会した。
というか、多胡が大上さん達
の学校までやってきたようだ。
バレンタイン直前、前日の13日は
柳沼くんの誕生日、なのにお金が
ない、母から前借りも出来ない。
そんな状況に映画コンテストに出す
映画を一緒に作らないかという誘い、
優勝賞金100万円に釣られ大上さんは
食い気味にその誘いを受け入れた 笑
そしてまだ多胡を警戒する柳沼くんと
偶然そこにいたら勧誘された根津さん
も一緒に企画に参加することになり..
柳沼くんと大上さんの小さな喧嘩は
あいも変わらず続いているようで、
でも最近はこころを広く持とうと
大上さんの方が頑張っている所だ。
でもそんな中ハプニングが多発する。
撮影中、分厚い気ぐるみでバランスを
取りそこねた根津さんが転びそうに
なり、柳沼くんが庇おうとした結果
根津さんに押し倒されたみたいな
体勢になったり、ちょっと撮影場所
から離れた所に行ってた柳沼くんと
根津さんがお似合いのカップルだと
写真がSNSにあっぷされてしまったり。
ちなみに根津さんの言うキモオタは
多胡、2人は全然気が合わないな 笑
無事映画は完成したようだけど、
気まずさMAX、よろしくないね。
この気まずさの原因や現状に、
全く気がついていない様子の
柳沼くんが逆にすごいと思う 笑

コンテストの締切を翌日に控えた柳沼
くんの誕生日当日多胡から連絡が入る。
映画の一部に不備があって撮り直しを
したいとのこと‥ヒロイン役(根津さん)
は不要らしく、柳沼くんと大上さんが
撮影にかけつけ…なんとか撮影終了。
大上さんがあの写真やらいろいろ気に
しているのを気づいて多胡は大上さんに
いろいろと言葉をかけてくれていた。
「そう割り切れる奴
なんていないんだよ。」
「合理的な判断と行動は一致しない。
なぜなら人間には心があるから。」
でもそんな光景を舞台のセットの影
からじーっと見ていたのは柳沼くん。
気になって仕方がないんだろうけど
その光景ははたから見れば過保護な
親みたいなものだったとここに来て
初めて気付くことになった柳沼くん。
大上さんがもやもやしている部分も、
柳沼くんが大上さんに対する過保護で
困らせてしまってるという現実も..
互いに悪意や意図的なものが働いて
出た行動ではないけど割り切れない。
そういうものも、あるもんだよね..

大上さんも柳沼くんも考えたんだろう。
「君のためだと思っていたが、僕
の事しか考えていなかった。君の
負担になっていたのなら、すまない。」
柳沼くんは大上さんの気持ちを
理解して、謝罪までしてくれた。
でもそれじゃあ全然彼女の思いは
すっきりしてくれなかったらしい。
「私にいろいろ言ってくるのも、そのくせ
自分は根津さんとふたりきりになるもの。」
伝えて、やっぱり無意識だった
らしい柳沼くんははっとした 笑
本音を伝えたくて触れたんだろうが
少々勢い余った、抱きしめて、だ。
きっと彼女の気持ちを理解できても
柳沼くんに悪意がないとわかってても
現状は何も変わらない、解決しない。
そういう時には、こうして触れ合って
..互いにそれだけで随分安心できる。
まだここは校内で、触れ合って本音を
響かせるわけにはいかないと、怪獣
の着ぐるみごしに抱きしめてくれた。
「神聖な気ぐるみでイチャイチャ
するんじゃな-----い!!」
先程まで一緒に撮影をしていた彼らに
邪魔されてその場は終わってしまった 笑
結局本来の目的誕生日のお祝い資金は
コンクールの結果が出るのが随分先で
プレゼントは用意できず終いだった。
でも裏では話が進められてたようで..
柳沼家に到着すると玄関には千恵子と
薫さん、そして根津さんが集まってた。
「ハッピーバースデー!」
ドアを開けた途端にクラッカー
とお祝いの言葉が伝えられた。
「私たち4人で計画しました!」
と根津さん。今回のことは大上さんは
知らなかったことだけど、何も用意
出来なかったと焦りまくっていたし、
今回はこれで良かったのかもしれない。
来年はちゃんと何か用意できるといいね!笑
~ひとこと~
6巻でしたー今回もおもしろかった!!
というかいろいろ考えさせられました。
全てのことをわかり合えるならいいけど
人と人との関わりはそんな単純じゃない。
だからこそ、謝罪の言葉だけで安心
することもあれば抱きしめてもらう
なんていうスキンシップが欲しくなる
こともある、その時々だろうと思う。
結局さ、納得いかないって思ってる
まま妥協や我慢で済ませてたらきっと
いつか爆発するものだから、人って。
恋人同士の問題ならそういう時は
互いに歩み寄って、時には不安を
スキンシップでカバーしていける。
あーそうだよなって改めて思った。
不安とかもやもやした時、それでも
どうしようも出来ない内容の時には
そういうスキンシップが随分と嬉しく
安心させてくれるものだよ、わかる。
そんなことまで意識せずに生きてた
けど、改めてそうだよな~そういうの
大事だよなと思わされたお話でした。
自分に置き換えると考えさせられる、
でもやっぱ2人とも可愛かったです 笑
今回もほっこりさせてもらいました。
体質の事、将来的に不安は多いけど
一先ず両親にちゃんと受け入れてもらえる
ように、信頼してもらえるよう頑張ろう。
これからも2人の恋を見守って
行けたらいいなと思います。
そういえば今回、松隈くんほとんど
出てこなかった..わりと好きなのに 笑
素直すぎる彼が結構お気に入りなので
次巻は出番多いといいなと願ってます。